クレスリー・コール「鏡のなかの魔女」☆☆
「満月の夜に」「時の扉を開いて」に続くスーパーナチュラルな種族ローアたちのロマンスを描いたシリーズの3作目の作品です。
今回は前2作にも登場するライキー(人狼)のボウエンと、魔女マリキータの話になります。
ローアたちの宝探しゲーム大会「タリスマンズ・ハイ」で競争相手として出会ったボウエンとマリキータは、お互いに一目見た時から惹かれあうものを感じたが、ボウエンが「タリスマンズ・ハイ」に参加したわけは、昔人狼に変身したボウエンから逃がれようとして死んだボウエンの生涯の伴侶で妖精の王女マリアの命を救うためだった。
本来ライキーは生涯の伴侶を一人しか持てず、その伴侶を亡くした時にはライキー本人も耐え切れずに死んでしまうという・・・。
しかしボウエンは絶望の中で生きる屍のようになりながらも何故か生き延びてきた。
何としてでも「タリスマンズ・ハイ」で勝利したいボウエンは、マリキータと彼女に協力していた妖精とデーモンを、古い呪いがかけられた洞窟に閉じ込めてしまう。
マリキータたちなら洞窟から簡単に脱出できるはずと思っていたボウエンだったが、彼女たちに自力で脱出する力はなく、しかも魔女マリキータはまだ若く、不死の身になっていなかった。
主人公が超能力を持つ種族というだけで、基本はベタなロマンス小説です。
「タリスマンズ・ハイ」で敗れた後にマリキータたちを救いに行ったボウエンとマリキータの和解、マリキータがボウエンの生涯の伴侶の生まれ変わりなのかというような話が展開されます。
概ね予定調和な物語ですので安心して読めますが、このシリーズの作品ごとに登場する主人公たちは誰もが最強みたいで何だかおかしいですね。