クレスリー・コール「満月の夜に」☆☆

満月の夜に

人間たちの中に人狼や吸血鬼などの種族が紛れて暮らすこの世界では、非人間たちは人間に正体を知られないようにしながら、時には敵対したり、時には協力したりして暮らしていた。

そうした中で、人狼の王ラクレインは敵対関係にある吸血鬼の王デメストリューに囚われ、150年もの間拷問され続けていたが、ある時探し求め続けた運命の伴侶の気配を感じ、湧き上がる欲求に動かされ獄から脱出する。

ラクレインが抜け出た先はパリの町。

そこで伴侶となるべき女性を見つけたラクレインは、その女性エマを捕らえるが、エマは憎むべき吸血鬼の血を引く娘だった。

困惑しながらもエマを連れてスコットランドにある居城キンヴェインに向かうラクレインだったが、その途中でなぜかエマを狙う吸血鬼たちに襲われる。


吸血鬼と戦乙女ヴァルキリーとの混血の美女エマと、一生涯を運命の伴侶と共に生きる宿命の人狼の王ラクレインの物語です。

吸血鬼の血を引きながらも生き物から血を吸うことが出来ないエマと、長い間虜囚だったが故に浦島太郎状態で現れたラクレインのとぼけた掛け合いがどことなくユーモラスな感じの作品。

ロマンス小説の人狼は、恐ろしい怪物と言うよりも一途に一人の女性に愛を捧げる純朴な男性という設定の作品が多いみたいですけど、この作品もそんな感じです。

超自然のさまざまな種族が登場するロマンチック・ファンタジィのシリーズになっているようです。


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