アガサ・クリスティー賞受賞作

アガサ・クリスティー賞はミステリの女王と呼ばれるアガサ・クリスティーの生誕120周年を記念して、早川書房と公益財団法人早川清文学振興財団が英国アガサ・クリスティー社の公認を得て2010年に設立した長編推理小説の公募新人賞です。
マリス・ドメスティックが主宰するアメリカのミステリィ文学賞「アガサ賞」と混同しがちですが、全く別の賞です。
以下は受賞作の一覧です。

年度 作品名 内容

第9回(2019年)

月の落とし子
受賞時「月よりの代弁者」

穂波了

新世紀の有人月探査船・オリオン3号の宇宙飛行士が感染したのは、正体不明の致死性ウイルスだった! コントロールを失なった探査船は、千葉県船橋市のタワーマンションを直撃する。広がるウイルス渦! 分断される人々! 空前の規模で描かれる超災害ミステリ。

(「内容紹介」より)

第9回(2019年)

それ以上でも、それ以下でもない

折輝真透

1944年4月、仏・中西部の小さな村サン=トルワンで、レジスタンスが殺された。住民が混乱する事を恐れたステファン神父は男の遺体を隠し、事件の隠蔽をはかる。だが既にナチスの脅威が隣町まで迫っていた……善と悪の間で孤独に葛藤する神父の祈りの結末とは

(「内容紹介」より)

第8回(2018年)

入れ子の水は月に轢かれ

オーガニックゆうき

那覇・水上店舗通り―繁華な国際通りから一本入ったその場所は、猥雑なバックストリートだ。かつては湿地帯だったガーブ川を、戦後に不法占拠して生まれたワンダーゾーン。…いわば、風来坊たちの隠れ家である。水害で死んだ双子の兄の身代わりとして、偽りの人生を生きてきた孤独な青年・岡本駿。母を振り切って実家を飛び出した彼は放浪の果て、水上店舗通りに辿り着いた。高齢フリーターの川平健、そして老女傑の鶴子オバアと出会い、居場所を見つけた駿はやがて、オバアの店を譲り受け『水上ラーメン』をオープンする。しかし開店当日、最初の客が謎多き水死体として発見される。不審死を追う駿と健は、在日米軍、CIA、琉球王など、沖縄に滲む黒闇を目の当たりにする―!第8回アガサ・クリスティー賞受賞作品。

(「BOOK」データベースより)

第7回(2017年)

窓から見える最初のもの

村木美涼

心療内科に通う短大生の相沢ふたばは、治療所で大学生の湯本守に出逢う。守をもっと知りたいと思うふたば。が、彼は姿を消した。看護師に守の行方を訊くが、「そんな名前の患者は知らない」との答えが―壁紙販売会社の社長・藤倉一博は、数年来探し求めていた幻の油絵、“六本の腕のある女”をようやく見つけ出す。だが、まもなくそれが贋作ではとの可能性が浮上し―不動産業の連城美和子は、喫茶店を始める長谷部悠のため、最良の物件を紹介した。だが、かつて喫茶店の店主をしていた悠の父が、三十年も隠していた哀しい出来事を知り―免許の更新に行った御通川進は、警察から「御通川進に行方不明人捜索願が出されている」と知らされる。誰が、何のために自分の名を騙って家出をしたというのか?―ひとつの街で、四つの物語が静かにひそやかに重なり合ってゆき―その先に見えるものとは…鮮やかな色彩の新・日常系ミステリ。第7回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作。

(「BOOK」データベースより)

第6回(2016年)

該当作なし

第5回(2015年)

うそつき、うそつき

清水杜氏彦

国民管理のために首輪型嘘発見器の着用が義務付けられた世界。非合法の首輪除去技術を持つ少年フラノは、強盗犯、痣のある少女、詐欺師、不倫妻、非情な医者、優しすぎる継母など、様々な事情を抱えた人々の依頼を請けて日銭を稼いでいた。だが彼には密かな目的があった。ある人のために特殊な首輪を探しだして、外すこと。首輪には複数のタイプがあり、中でも、フラノに技術を仕込んだ師匠ですら除去法を教えられず、存在自体ほとんど確認されていない難攻不落の型こそ、フラノが探す首輪・レンゾレンゾだった。レンゾレンゾを求めることがやがてフラノを窮地へ追いやり、さらには首輪に隠された秘密へと導いてゆく。人はなぜ嘘をつき、また真実を求めるのか。フラノが辿り着いた衝撃の結末とは? 近未来の管理社会を生きる少年の苦悩と成長を瑞々しい筆致で描く、ディストピア青春ミステリ。小説推理新人賞とダブル受賞でデビューした超大型新人による、第5回アガサ・クリスティー賞受賞作。

(「内容紹介」より)

第4回(2014年)

しだれ桜恋心中
受賞時「傀儡呪」

松浦千恵美

若手文楽人形遣いの屋島達也は、師匠・吉村松涛のもとで充実した修業の日々をおくっていた。そんなある日、達也は怪しげな魅力を持つ花魁の文楽人形「桔梗」を見つける。桔梗は『しだれ桜恋心中』という演目専用に作られた、特別な人形らしい。だが、約60年前に『しだれ桜恋心中』が上演された際、技芸員が次々と不審死を遂げていたことを知り、達也は桔梗に近づくことを恐れはじめる。一方、補助金削減問題に揺れる日本文楽協会は、『しだれ桜恋心中』を呪いの演目として興行し、観客を呼びこもうとするが…。一つの演目に込められた想いが引き起こす悲劇を描いた、第4回アガサ・クリスティー賞受賞作。

(「BOOK」データベースより)

第3回(2013年)

致死量未満の殺人
受賞時「コンダクターを撃て」

三沢陽一

雪に閉ざされた山荘で女子大生・弥生が毒殺された。容疑者は同泊のゼミ仲間の4人。外界から切り離された密室状況で、犯人はどうやって彼女だけに毒を飲ませたのか。容疑者4人は推理合戦を始めるが…そして事件未解決のまま時効が迫った15年後、容疑者の一人が唐突に告げた。「弥生を殺したのは俺だよ」推理とどんでん返しの果てに明かされる驚愕の真実とは?第3回アガサ・クリスティー賞に輝く正統派本格ミステリ。

(「BOOK」データベースより)

第2回(2012年)

カンパニュラの銀翼

中里友香

1920年代後半の英国。エリオットには秘密があった。資産家の子息の替え玉として名門大学で学び、目が見えなくなった「血のつながらない妹」のため、実の兄のふりをして通いつめる日々。そんなエリオットの元に、シグモンド・ヴェルティゴという見目麗しき一人の男が現れる。物憂い眩暈。エレガントな悪徳。高貴な血に潜む病んだ「真実」―精緻な知に彩られた、めくるめく浪漫物語。第2回アガサ・クリスティー賞受賞作。

(「BOOK」データベースより)

第1回(2011年)

黒猫の遊歩あるいは美学講義

森晶麿

でたらめな地図に隠された意味、しゃべる壁に隔てられた青年、川に振りかけられた香水、現れた住職と失踪した研究者、頭蓋骨を探す映画監督、楽器なしで奏でられる音楽…日常に潜む、幻想と現実が交差する瞬間。美学・芸術学を専門とする若き大学教授、通称「黒猫」と、彼の「付き人」をつとめる大学院生は、美学とエドガー・アラン・ポオの講義を通してその謎を解き明かしてゆく。第1回アガサ・クリスティー賞受賞作。

(「BOOK」データベースより)


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