江波戸哲夫「部長漂流」☆☆
以前はやり手の営業マンだった不動産会社の部付き部長が、バブル崩壊で窓際に追いやられ、早期退職制度に応募して退職、これからひと花もふた花も咲かせるぞと意気揚々と帰宅したところ家の中がもぬけの殻・・・。しかも起業資金にと溜め込んだ金までも引き出されてしまった。
徹底的な仕事人間で、古いタイプの夫であり父であった中年男が、訳もわからず家族に逃げられ、それでも妻子を探しだす間に、自分を、そして家族一人一人を見つめ直す様を描いた作品で、熟年離婚というテーマを江波戸流に描いています。
この主人公の男性はある意味偉いですよね。
管理人が自分の身と置き換えた時に、こんな風に行動するかな?と思います。
もっとも管理人は別段会社人間ではないし、仕事中毒でも家族を放っておいて遊び呆けている訳でもありません。
心の行き違いが全くないかと言えば、それは有るんでしょうけど、ここまで古いタイプのサラリーマンじゃないです。
まぁリアリティは感じない物語でしたけど、こういう作品も管理人は嫌いではありません。