北村薫「朝霧」☆☆

朝霧

身近なところで起こる謎解きを中心にして女子大生の成長を描いた「円紫師匠と私」シリーズの第5作目の作品。

第1作では女子大生になったばかりの「私」も、この作品では大学を卒業し、出版社勤務の社会人となります。

相変わらずとても「良い子」の「私」ですが、何だか考え方が良い子過ぎちゃって、一瞬鼻に付く感じも受けてしまう。もしこんな風な娘がそばに居たら、ひょっとしたら管理人は草臥れてしまうかも知れない、と思ってしまいました。

でもそういうひねくれた感想はさておき、物語の中の若い女性らしい清潔感が有って清々しい主人公の姿勢は、どこか古風で心地よく、管理人は好きです。

このシリーズは1作目から順に読んでいくべきですね。

連作短編なので途中から読んでも違和感は感じないかも知れませんが、凛とした若い女性が成長していく姿も魅力の一つとなっているシリーズですので、そういう時間の中を一緒に過ごした方が面白いと思います。


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