白石一郎「横浜異人街事件帖」☆☆
元は同心でありながら今は横浜で人足頭をしている衣笠卯之助は、渋川流の柔術と直心影流の達人で正義感の強い岡っ引き。
与力の塩田正五郎と協力して、開港まもない横浜で起きる難事件に挑む。
生麦事件が起きる前後の、混沌としてエキゾチックな新しい異人街横浜を舞台にした連作時代短編小説で、7篇の短編が収録されています。
時代小説ながらイギリス人やアメリカ人などの外国人が登場してきて事件が起こりますけど、それ程大騒動になるような事件でもなく、風俗小説っぽい感じも受けます。
どことなく白石一郎作品らしい風情が管理人は好きですが、あまり際立た印象を感じない作品でした。