藤子不二雄A「まんが道」☆☆☆
マンガ好きな少年二人が富山県高岡市の小学校で知り合い、お互いに切磋琢磨し協力してマンガ家として成功していく姿を描いた青春ストーリーです。
モデルとなっているのは作者の藤子不二雄A(安孫子素雄)と藤子・F・不二雄(藤本弘)の二人で、主人公の二人は満賀道雄(安孫子)と才野茂(藤本)と別名になっていますが、それ以外のマンガ家は手塚治虫大先生を始め皆さん本名で登場します。
マンガ家を目指して上京するまでも興味深いですけど、何と言っても上京してマンガ界の梁山泊のような伝説のトキワ荘に入ってからの日々が素晴らしく、こういう青春をおくった彼らが本当に羨ましく思えます。
リアルタイムでオバQやシルバークロスや忍者ハットリくんを読んでいた管理人には、作中に登場するマンガの中にも懐かしい作品が多々あり、当時の二人の生活も3丁目の夕日的な懐かしさがあり、しみじみと良いなぁと思います。
日本の少年マンガの黎明期にあって、マンガに全てをかけた若者たちの情熱、連帯感、明るさなどが伝わってきて感動を覚えます。
素晴らしい作品です。
もっともこの作品に思い入れがあるのは、管理人が同じ時代を生きてきたからなんでしょう。
今の時代でも例えば「バクマン。(大場つぐみ、小畑健)」なんか読むと、同じように一つのことに熱中する青春群像があって、時代が違ってもマンガに対する若者たちの熱い思いは変わらないんだなと思います。