ベリンダ・バウアー「ダークサイド」☆☆☆

ダークサイド

イギリスの寒村で、乗馬事故で寝たきりとなり、口も効けなくなった老女が殺された。

ロンドンから捜査に来た殺人課の刑事は田舎嫌いで、村の駐在で事件の発見者ジョーナスにつらく当たるが、事件解明の糸口さえ掴めない。

ジョーナスはスワット配属を希望していた若く優秀な警察官だったが、妻ルーシーが不治の病に侵された事から生まれ故郷に戻り、妻の看病をしながら巡査として平和な村の小さな揉め事に当たっていた。

捜査を指揮する刑事の指示により被害者宅の警護という意味のない任務を命じられたジョーナスだったが、彼のクルマに「それでも警察か?」というメモが挟まれていた事から一念発起し、村民の平和を守ろうと一人で夜間パトロールを始める。

しかし捜査が進展しない警察を嘲笑うかのように第二の殺人事件が発生する。


この作品には正直言って驚かされました。

読み終えた感想は少々つらいものがあります。

謎の殺人犯を追うミステリィですけど、謎解き云々よりも登場人物の背景や考えなどの描写が、どことなく皮肉っぽいユーモアまじりで書かれています。

悲惨な事件が発生する割には全体的な雰囲気は暗くない感じですが、それだけにこういう結末かと思いました。

いかにもイギリスのミステリィという気がします。


このページの先頭へ