東川篤哉「謎解きはディナーのあとで」☆
第8回(2011年)本屋大賞を受賞したユーモア・ミステリィです。
国立警察署に勤務する平凡な女性刑事だが、実は日本を代表するような企業グループのお嬢様だという宝生麗子と、宝生家の執事影山というコンビが、麗子が出会う事件の謎を解決するという連作ミステリィ。
影山は麗子の前で辛らつな本音をポロリと吐きながらも、麗子の話を聞いただけで安楽椅子探偵のように事件の謎をあっさりと解き明かしたりします。
それでも身分は宝生家の執事なので、麗子に対して辛辣なキャラを貫き通さずに、時折皮肉めいたことをつぶやいたりする、このあたりの麗子と影山のやり取りがユーモラスという事になるのでしょう。
全体的に軽いお話ですから本格的な謎解きを楽しみたい人にはあまり向いていないような気がしますけど、ともかくサクサク話が進んで暇つぶしになればと言う方にはピッタリかな。
まぁ個人的な好みとしては軽すぎて今ひとつでしたけど、本屋さんの店員の方がこれを選んだという事は、ファンが多いということなんでしょうね。