第101回~第120回 直木賞受賞作

直木賞はご承知の通り、菊池寛が1935年に芥川賞とともに創設した文学賞です。正しくは直木三十五賞と言いますが、通称の直木賞の方が一般的な言い方ですね。
純文学の芥川賞と大衆文学の直木賞で、どちらも当初は「無名若しくは新進作家」が対象だったはずですが、直木賞はいつのまにやら大衆文学のもっとも権威ある賞になってしまいました。
権威を疑う癖のある管理人は、大衆文学と言いつつSF・ファンタジィには与えられない傾向を見て、本当に面白い作品は選ばれない文学賞という印象を持っていましたが、実際には流石にという作品も多いです。
以下は第101回から第120回の直木賞受賞作です。

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年度 作品名 内容

第120回
平成10年/1998年下半期

理由

宮部みゆき

荒川の高層マンションで起きた一家四人殺し。しかしそこに住んでいるはずの家族はほかの場所で暮らしていた。殺されたのは誰か、殺人者は誰なのか。事件はなぜ起こったのか。家が、家族が、そして人が徐々に壊れていく。

(「BOOK」データベースより)

第119回
平成10年/1998年上半期

赤目四十八瀧心中未遂

車谷長吉

「私」はアパートの一室でモツを串に刺し続けた。向いの部屋に住む女の背中一面には、迦陵頻伽の刺青があった。ある日、女は私の部屋の戸を開けた。「うちを連れて逃げてッ」―。圧倒的な小説作りの巧みさと見事な文章で、底辺に住む人々の情念を描き切る。直木賞受賞で文壇を騒然とさせた話題作。

(「BOOK」データベースより)

第118回
平成9年/1997年下半期

受賞作なし

第117回
平成9年/1997年上半期

女たちのジハード

篠田節子

中堅保険会社に勤める5人のOL。条件のよい結婚に策略を巡らす美人のリサ。家事能力ゼロで結婚に失敗する紀子。有能なOLでありながら会社を辞めざるをえなくなったみどり。自分の城を持つことに邁進するいきおくれの康子。そして得意の英語で自立をめざす紗織。男性優位社会の中で、踏まれても虐げられても逞しく人生を切り開いていこうとする女たち。それぞれの選択と闘いを描く痛快長編。直木賞受賞作品。

(「BOOK」データベースより)

第117回
平成9年/1997年上半期

鉄道員

浅田次郎

娘を亡くした日も、妻を亡くした日も、男は駅に立ち続けた…。映画化され大ヒットした表題作「鉄道員」はじめ「ラブ・レター」「角筈にて」「うらぼんえ」「オリヲン座からの招待状」など、珠玉の短篇8作品を収録。日本中、150万人を感涙の渦に巻き込んだ空前のベストセラー作品集にあらたな「あとがき」を加えた。第117回直木賞を受賞。

(「BOOK」データベースより)

第116回
平成8年/1996年下半期

山妣

坂東眞砂子

明治末期、文明開化の波も遠い越後の山里。小正月と山神への奉納芝居の準備で活気づく村に、芝居指南のため、東京から旅芸人が招かれる。不毛の肉体を持て余す美貌の役者・涼之助と、雪に閉ざされた村の暮らしに倦いている地主の家の嫁・てる。二人の密通が序曲となり、悲劇の幕が開いた―人間の業が生みだす壮絶な運命を未曾有の濃密さで描き、伝奇小説の枠を破った直木賞受賞作。

(「BOOK」データベースより)

第115回
平成8年/1996年上半期

凍える牙

乃南アサ

深夜のファミリーレストランで突如、男の身体が炎上した!遺体には獣の咬傷が残されており、警視庁機動捜査隊の音道貴子は相棒の中年デカ・滝沢と捜査にあたる。やがて、同じ獣による咬殺事件が続発。この異常な事件を引き起こしている怨念は何なのか?野獣との対決の時が次第に近づいていた―。女性刑事の孤独な闘いが読者の圧倒的共感を集めた直木賞受賞の超ベストセラー。

(「BOOK」データベースより)

第114回
平成7年/1995年下半期

小池真理子

1972年冬。全国を震撼させた浅間山荘事件の蔭で、一人の女が引き起こした発砲事件。当時学生だった布美子は、大学助教授・片瀬と妻の雛子との奔放な結びつきに惹かれ、倒錯した関係に陥っていく。が、一人の青年の出現によって生じた軋みが三人の微妙な均衡に悲劇をもたらした…。全編を覆う官能と虚無感。その奥底に漂う静謐な熱情を綴り、小池文学の頂点を極めた直木賞受賞作。

(「BOOK」データベースより)

第114回
平成7年/1995年下半期

テロリストのパラソル

藤原伊織

アル中バーテンダーの島村は、過去を隠し二十年以上もひっそり暮らしてきたが、新宿中央公園の爆弾テロに遭遇してから生活が急転する。ヤクザの浅井、爆発で死んだ昔の恋人の娘・塔子らが次々と店を訪れた。知らぬ間に巻き込まれ犯人を捜すことになった男が見た真実とは…。史上初の第41回江戸川乱歩賞・第114回直木賞受賞作。

(「BOOK」データベースより)

第113回
平成7年/1995年上半期

白球残映

赤瀬川 隼

四国の球場で目撃したのは突如、球界を去った名投手。元記者は謎を追って……。野球と女性への限りない憧憬を描く直木賞受賞作

(「内容紹介」より)

第112回
平成6年/1994年下半期

受賞作なし

第111回
平成6年/1994年上半期

二つの山河

中村彰彦

かれらも祖国のために戦ったのだから―。大正初め、徳島のドイツ人俘虜収容所では例のない寛容な処遇がなされた。日本人将兵・市民と俘虜との交歓を実現し、真のサムライと讃えられた会津人・松江豊寿。なぜ彼は陸軍の上層部に逆らっても信念を貫いたのか。国境を越える友愛を描いた直木賞受賞作。ほか二篇。

(「BOOK」データベースより)

第111回
平成6年/1994年上半期

帰郷

海老沢泰久

故郷の町の自動車エンジン工場からF1チームのエンジン組み立てメンバーに選ばれた男の日常は輝かしい栄光の日々の連続だった。そして3年間の出向が終わって故郷に戻った男を待っていたのは味気ない、退屈な生活だった―喜びのあとに訪れる悲しさ、“成熟と喪失”を描いた第111回直木賞受賞作。

(「BOOK」データベースより)

第110回
平成5年/1993年下半期

恵比寿屋喜兵衛手控え

佐藤雅美

争いは世の常、人の常。江戸の世で、その争いの相談所が恵比寿屋のような公事宿だ。ある日、若者が恵比寿屋を訪れ、兄が知らぬ男に金を返せと訴えられたと相談した。喜兵衛は怪しい臭いを感じとる。事件の真相は如何に?江戸の街に生きる市井の人々を、愛情込めて描く長編歴史小説。第110回直木賞受賞作。

(「BOOK」データベースより)

第110回
平成5年/1993年下半期

新宿鮫 無間人形

大沢在昌

新宿の若者たちの間で、舐めるだけで効く新型覚せい剤が流行り出した。薬を激しく憎む新宿署刑事・鮫島は、執拗に密売ルートを追う。財閥・香川家の昇・進兄弟の野望、薬の独占を狙う藤野組・角の策略、麻薬取締官の露骨な妨害、そして、恋人・晶は昇の手に…。現代を代表する超人気シリーズ第4弾、直木賞受賞の感動巨編、待望の文庫版で登場。

(「BOOK」データベースより)

第109回
平成5年/1993年上半期

マークスの山

高村 薫

昭和51年南アルプスで播かれた犯罪の種は16年後、東京で連続殺人として開花した―精神に〈暗い山〉を抱える殺人者マークスが跳ぶ。元組員、高級官僚、そしてまた…。謎の凶器で惨殺される被害者。バラバラの被害者を結ぶ糸は?マークスが握る秘密とは?捜査妨害の圧力に抗しながら、冷血の殺人者を追いつめる警視庁捜査第一課七係合田刑事らの活躍を圧倒的にリアルに描き切る本格的警察小説の誕生。

(「BOOK」データベースより)

第109回
平成5年/1993年上半期

恋忘れ草

北原亞以子

新進気鋭の女流絵師・歌川芳花ことおいちは、出世作『竹林七美人図』で彫師をつとめた才次郎と恋におちる。一途に才次郎を求めるおいちだが、才次郎には女房と子供が待つ家があった…。表題作ほか、江戸の町で恋と仕事に生きた“キャリアウーマン”たちの哀歓を描いて直木賞に輝いた珠玉の連作集。

(「BOOK」データベースより)

第108回
平成4年/1992年下半期

佃島ふたり書房

出久根達郎

佃の渡しが消えた東京五輪の年、男は佃島の古書店「ふたり書房」を立ち去った―大逆事件の明治末から高度成長で大変貌をとげる昭和39年まで移ろいゆく東京の下町を背景に庶民の哀歓を描く感動長篇。生年月日がまったく同じ二人の少年が奉公先で知り合い、男の友情を育んでいく。第108回直木賞受賞作品。

第107回
平成4年/1992年上半期

受け月

伊集院静

人が他人のために祈る時、どうすれば通じるのだろうか…。鉄拳制裁も辞さない老監督は、引退試合を終えた日の明け方、糸のようなその月に向かって両手を合わせていた。表題作ほか、選考委員の激賞を受けた「切子皿」など、野球に関わる人びとを通じて人生の機微を描いた連作短篇集。感動の直木賞受賞作。

(「BOOK」データベースより)

第106回
平成3年/1991年下半期

狼奉行

高橋義夫

羽州上山藩の若き武士・祝靱負はお家騒動の余波で山代官の下役に配される。家格に合わぬ役目に力を尽す寡黙な若者に襲いかかる自然の脅威。狼の来襲、かせぎ病(狂犬病)の流行…。風雪は人を磨き、いつしか青年は大きく成長を遂げていた―直木賞受賞作品ほか充実の中篇「厦門心中」「小姓町の噂」を収める。

(「BOOK」データベースより)

第106回
平成3年/1991年下半期

緋い記憶

高橋克彦

古い住宅地図に閉じ込められた思い出の町、あの少女の家は空き地とだけ記されていた…。凍りついた時のゆるやかな復讐が始まる―。表題作ほか7篇。

(「BOOK」データベースより)

第105回
平成3年/1991年上半期

夏姫春秋

宮城谷昌光

中原の小国鄭は、超大国晋と楚の間で、絶えず翻弄されていた。鄭宮室の絶世の美少女夏姫は、兄の妖艶な恋人であったが、孤立を恐れた鄭公によって、陳の公族に嫁がされた。「力」が全てを制した争乱の世、妖しい美女夏姫を渇望した男たちは次々と…。壮大なスケールの中国歴史ロマン、直木賞受賞作。

(「BOOK」データベースより)

第105回
平成3年/1991年上半期

青春デンデケデケデケ

芦原すなお

1965年の春休み、ラジオから流れるベンチャーズのギターがぼくを変えた。“やーっぱりロックでなけらいかん”―。四国の田舎町の高校生たちがくりひろげる抱腹絶倒、元気印の、ロックと友情と恋の物語。青春バンド小説決定版。直木賞、文芸賞受賞作。

(「BOOK」データベースより)

第104回
平成2年/1990年下半期

漂泊者のアリア

古川 薫

下関の琵琶芸者とスコットランド人貿易商の混血児としての愛と真実。“歌に生き恋に生き”た世界的なオペラ歌手藤原義江の波瀾の生涯。

(「BOOK」データベースより)

第103回
平成2年/1990年上半期

蔭桔梗

泡坂妻夫

紋章上絵師の章次のもとに、かつて心を寄せあっていた女性から、二十年前と同じ蔭桔梗の紋入れの依頼があった。その時は事情があって下職に回してしまったのだが、それは彼女が密かな願いをかけて託した紋入れだった…。微妙な愛のすれ違いを描き直木賞受賞作となった表題作「蔭桔梗」。下町の職人世界と大人の男女の機微をしっとりと描いた11編の作品を収録した珠玉の短編集。

(「BOOK」データベースより)

第102回
平成元年/1989年下半期

小伝抄

星川清司

おとこ狂いの美しい浄瑠璃語りにおもいを寄せる醜い船頭。男の心情の滑稽ないたましさを、多彩な語りでえがく直木賞受賞の話題作

(「内容紹介」より)

第102回
平成元年/1989年下半期

私が殺した少女

原 尞

まるで拾った宝くじが当たったように不運な一日は、一本の電話ではじまった。私立探偵沢崎の事務所に電話をしてきた依頼人は、面会場所に目白の自宅を指定していた。沢崎はブルーバードを走らせ、依頼人の邸宅へ向かう。だが、そこで彼は、自分が思いもかけぬ誘拐事件に巻き込まれていることを知る…緻密なストーリー展開と強烈なサスペンスで独自のハードボイルド世界を確立し、日本の読書界を瞠目させた直木賞・ファルコン賞受賞作。

(「BOOK」データベースより)

第101回
平成元年/1989年上半期

遠い国からの殺人者

笹倉 明

「男の人が倒れている」110番通報の女の声には妙ななまりがあった―。逃走した外国人ストリッパーの身に一体何が起こったのか。彼女はなぜ真の素性を偽らなければならなかったのか。法廷での関係者の供述から次第に明らかにされていく、経済大国ニッポンの底辺に生きる女性たちの姿。感道の直木賞受賞作品。

(「BOOK」データベースより)

第101回
平成元年/1989年上半期

高円寺純情商店街

ねじめ正一

高円寺駅北口「純情商店街」。魚屋や呉服屋、金物店などが軒を並べる賑やかな通りである。正一少年は商店街の中でも「削りがつをと言えば江州屋」と評判をとる乾物屋の一人息子だった―。感受性豊かな一人の少年の瞳に映った父や母、商店街に暮らす人々のあり様を丹念に描き「かつてあったかもしれない東京」の佇まいを浮かび上がらせたハートウォーミングな物語。直木賞受賞作。

(「BOOK」データベースより)

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