第100回 昭和63年/1988年下半期 熟れてゆく夏 藤堂志津子 | | 夏。北海道。瀟洒なリゾート・ホテル。共通の“女主人”を、それぞれの思いで待ち受ける、美しく不安な若い男女。ときに反発しあい、ときには狎れあいながら、たゆたゆと待つ日々が過ぎてゆく。女主人の望みはいったい何なのか?愛と性のかかわりの背後にうごめくエゴイズムや孤独感、焦躁感、そして混沌とした愛欲の世界をあざやかに描いた表題作は、第100回直木賞受賞作。藤堂作品の原型がここにある。他に「鳥、とんだ」「三月の兎」の二篇を収録する。 (「内容紹介」より)
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第100回 昭和63年/1988年下半期 東京新大橋雨中図 杉本章子 | | 雨の大川端を蛇の目をさして去って行く嫂佐江の後ろ姿を描いた光線画「東京新大橋雨中図」で好評を博した最後の木版浮世絵師小林清親は、もと御蔵屋敷の御勘定掛であった。彼の波瀾に充ちた半生と江戸から明治に移り変わる時代の流れ、風俗、そして庶民の生きざまをあざやかに描いた第100回直木賞受賞作。 (「BOOK」データベースより)
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第99回 昭和63年/1988年上半期 凍れる瞳 端島の女 西木正明 | | 捕虜虐待の罪でBC級裁判で処刑された男と甲子園をめざして投げ合った不世出の元巨人軍投手スタルヒンの宿命の人生のかかわりあいを描いた表題作、廃鉱となった九州の端島とダム建設で東北の過疎となった山里を舞台に一人の女の転変の人生を描いた「端島の女」の直木賞受賞作を含む情感ただよう会心の作品集。 (「BOOK」データベースより)
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第99回 昭和63年/1988年上半期 遠い海から来たCOO 景山民夫 | | 小畑洋介、12歳。海洋生物学者の父、徹郎とフィジー諸島のパゴパゴ島に移り住んで3年になる。洋助はある朝、通学の途中、珊瑚礁の潮だまりにひとつの生命を発見した。“奇跡”との出会いだった。それは6000万年以上も昔に死に絶えたはずのプレシオザウルスの生まれたばかりの姿だったのである。しなやかな肢体と愛らしい黒い瞳を持ったその奇跡の生命は、洋助を見つめ、「COO」と歓喜の産声をあげた。こうして少年と幼い恐竜クーとのきらめく至福の日々がはじまった。だが平和は長くは続かなかった。第99回直木賞にかがやく、感動の冒険ファンタジー、待望の文庫化。 (「BOOK」データベースより)
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第98回 昭和62年/1987年下半期 それぞれの終楽章 阿部牧郎 | | 自殺した同級生の葬儀に故郷秋田を訪れた作家がふりかえる自らの生の軌跡。友と聴いたクラシック、仲間と励んだ雪の中の野球…。万引事件や生家の破産を越えて胸に迫るのは懐しい思い出の数々。人生の終楽章を迎えて、自分を支えてくれた友人、父の愛、妻の献身に気づく。胸を打つ感動的な直木賞受賞作。 (「BOOK」データベースより)
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第97回 昭和62年/1987年上半期 海狼伝 白石一郎 | | 対馬で育った少年が史上名高い村上水軍の海賊集団に参加、"海のウルフ"に成長していく青春を描く。海洋冒険時代小説の最高傑作。 (「内容紹介」より)
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第97回 昭和62年/1987年上半期 ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー 山田詠美 | | ある時、街ですれ違った男の上着の中の匂いを嗅いで、私は昔の男を思い出して道の真ん中で泣きたくなる。ある時、バーで流れる黒人音楽は特定の男を思い出させて私を泣かせる。嗅覚があって良かった。5感が正常で良かったと、神様に感謝するのはこんな時。そして、恋物語を泣かずに書ける自分の理性にも感謝する。 (「BOOK」データベースより)
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第96回 昭和61年/1986年下半期 カディスの赤い星 逢坂剛 | | フリーのPRマン・漆田亮は、得意先の日野楽器から、ある男を探してくれと頼まれる。男の名はサントス、二十年前スペインの有名なギター製作家ホセ・ラモスを訪ねた日本人ギタリストだという。サントス探しに奔走する漆田は、やがて大きな事件に巻き込まれてゆく。直木賞を受賞した、著者の代表傑作長編。第96回直木賞、第40回日本推理作家協会賞、第5回冒険小説協会大賞受賞作。 (「BOOK」データベースより)
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第96回 昭和61年/1986年下半期 遠いアメリカ 常盤新平 | | 世の中が、ずっと貧しかった頃。クリーネックス・ティシューもまだ日本に入ってきていなかった、そんな時代にひたすらアメリカに焦がれ続けた青年重吉と、演劇に熱中した娘椙枝。愛と希望だけが頼りの、そのふたりのひたむきな生、揺れ動く心の襞を、鮮やかに浮かびあがらせた、直木賞受賞の名品集。 (「BOOK」データベースより)
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第95回 昭和61年/1986年上半期 恋紅 皆川博子 | | 遊女屋の愛娘ゆうは大勢の花魁や男衆の中で、華やかな郭の裏も表も見て育った。ある日、芝居見物に出かけたゆうは升席にいる男を見て衝撃を受ける。5年前、雑踏で途方にくれていたゆうを救い、優しさで包み込んでくれた旅役者だった。一緒になれるなら滅びでもいい―そう心に刻んだ幼い日の記憶を頼りに、無名の役者に縋りついていく女の情念の世界を描く直木賞受賞作。 (「BOOK」データベースより)
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第94回 昭和60年/1985年下半期 魚河岸ものがたり 森田誠吾 | | だれもがかしと呼ぶ隅田河口のまちに、ひとつの秘密を抱いた青年が住みついた。そこに住む人にとって、「どこの誰」より「どんな誰か」が大切なまち。そんなまちの心優しい人々とともに彼は暮らし、〈秘密〉から解放される日の来るのを待っていた。心ならずも魚河岸の町に身をひそめた青年と、まちの人々との人間模様を感情こまやかに描き出した長編小説。直木賞受賞作。 (「BOOK」データベースより)
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第94回 昭和60年/1985年下半期 最終便に間に合えば 林真理子 京都まで | | OLから造花クリエーターに転進した美登里は、旅行先の札幌で7年前に別れた男と再会する。空港へ向うタクシーの中、男は昔のように美登里を誘惑してくるが…。大人の情事を冷めた目で捉えた表題作に、古都を舞台に齢下の男との甘美な恋愛を描いた「京都まで」の直木賞受賞2作品他を収録する充実の短篇集。
(「BOOK」データベースより)
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第93回 昭和60年/1985年上半期 演歌の虫 山口洋子 | | 演歌に情熱を燃やすレコード会社のディレクターの夢と挫折を、女性作詞家の眼で描く表題作、旦那が来るのをひたすら待ち続ける老芸妓の心情を淡々と描く「老梅」の直木賞受賞作のほか、良質のジゴロ小説「貢ぐ女」、プロ野球選手とポルノ女優のしがらみをヴィヴィッドに描く「弥次郎兵衛」を収録した会心作。 (「BOOK」データベースより)
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第92回 昭和59年/1984年下半期 | 受賞作なし | |
第91回 昭和59年/1984年上半期 てんのじ村 難波利三 | | 大阪は通天閣の下、しがない芸人の集り住む一郭があった。時代の波にとり残され、二度と陽の目を見ることのあろうとも思われなかった82歳と55歳の漫才コンビに、一度だけ華やかなテレビのスポットが当てられる。身を寄せあって生きていく善意の人々の哀歓をしみじみと描いた第91回直木賞受賞作。 (「BOOK」データベースより)
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第91回 昭和59年/1984年上半期 恋文 連城三紀彦 | | マニキュアで窓ガラスに描いた花吹雪を残し、夜明けに下駄音を響かせアイツは部屋を出ていった。結婚10年目にして夫に家出された歳上でしっかり者の妻の戸惑い。しかしそれを機会に、彼女には初めて心を許せる女友達が出来たが…。表題作をはじめ、都会に暮す男女の人生の機微を様々な風景のなかに描く『紅き唇』『十三年目の子守歌』『ピエロ』『私の叔父さん』の5編。直木賞受賞。 (「BOOK」データベースより)
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第90回 昭和58年/1983年下半期 私生活 神吉拓郎 | | 「都会生活の哀愁を、巧みに切りとってみせた」と高く評価された第90回直木賞受賞の短篇集である。この世の中、どこの誰にも一枚めくれば、あやしげな私生活があるものだ。人それぞれにおなじ悩みも濃くまた淡く…いささか暗い人生の哀歓と心理の機微を、洗練の筆でさりげなくしかし奥深く捉えた名人芸17作。 (「BOOK」データベースより)
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第90回 昭和58年/1983年下半期 秘伝 高橋治 | | 巨魚に挑む男たちを描いた直木賞受賞の大ロマン。長崎県西彼杵半島の西海岸を舞台に、二人の釣り名人と怪魚イシナギの死闘劇の幕は切って落とされた。まるで潜水艦のような黒い影が潜む海中に、特殊な工夫を施した必殺の仕掛けが送り込まれていった…。他に中編「赤い海」を収録。 (「BOOK」データベースより)
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第89回 昭和58年/1983年上半期 黒パン俘虜記 胡桃沢耕史 | | 軍律の崩壊した集団に君臨する大ボス、小ボス。襲いくる飢餓、寒冷、暴力に耐えてひたすら帰国を待ち侘びる日々の支えは、小説と映画と流行歌への熱い思いだった (「内容紹介」より)
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第88回 昭和和57年/1982年下半期 | 受賞作なし | |
第87回 昭和57年/1982年上半期 炎熱商人 深田祐介 | | 炎熱のフィリピンを舞台に理想に燃える日本人商社マン達が直面する様々な現実。その苦悩と喜び、親愛感と怨念、劇的な愛と死を壮大なスケールで描く直木賞受賞作 (「内容紹介」より)
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第87回 昭和57年/1982年上半期 時代屋の女房 村松友視 | | |
第86回 昭和56年/1981年下半期 機雷 光岡 明 | | |
第86回 昭和56年/1981年下半期 蒲田行進曲 つかこうへい | | はじめて主役を演じることになった銀四郎。かつてのスター女優小夏。大部屋のヤス。奇妙な三角関係は、よじれによじれて…。衝撃的な話題をよんだ作品。第八十六回直木賞受賞。 (「内容紹介」より)
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第85回 昭和56年/1981年上半期 人間万事塞翁が丙午 青島幸男 | | 呉服問屋が軒をつらねる東京・日本橋堀留町の仕出し弁当屋“弁菊”。人情味豊かであけっぴろげ、良くも悪くもにぎやかな下町に、21歳で嫁いできたハナは、さまざまな事件に出遭いながらも、持前のヴァイタリティで乗り切ってゆく。―戦中から戦後へ、激動の時代をたくましく生きた庶民たちの哀歓を、自らの生家をモデルにいきいきと描き出した、笑いと感動の下町物語。直木賞受賞。 (「BOOK」データベースより)
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第84回 昭和55年/1980年下半期 元首の謀叛 中村正軌 | | 世界大戦を起さずにヨーロッパの地図を塗りかえる─この狡智極まるソ連の野望に西側諸国は?東西ドイツ国境線での大爆発から始まる直木賞受賞の国際謀略小説 (「内容紹介」より)
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第83回 昭和55年/1980年上半期 花の名前 その他2篇 向田邦子 | | 浮気の相手であった部下の結婚式に、妻と出席する男。おきゃんで、かわうそのような残忍さを持つ人妻。毒牙を心に抱くエリートサラリーマン。やむを得ない事故で、子どもの指を切ってしまった母親など―日常生活の中で、誰もがひとつやふたつは持っている弱さや、狡さ、後ろめたさを、人間の愛しさとして捉えた13編。直木賞受賞作「花の名前」「犬小屋」「かわうそ」を収録。 (「BOOK」データベースより)
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第83回 昭和55年/1980年上半期 黄色い牙 志茂田景樹 | | 近代化の波に洗われるマタギ社会のゆるやかな崩壊を、そのリーダーである主人公の波乱の人生を通して冷徹に描く。直木賞受賞作。96年刊の改訂版。 (「MARC」データベースより)
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第82回 昭和54年/1979年下半期 | 受賞作なし | |
第81回 昭和54年/1979年上半期 浪曲師朝日丸の話 ミミのこと 田中小実昌 | | 東大に入りながら、駐留軍やストリップ小屋で仕事をしたり、テキヤになって北陸を旅するコミさん。その独特の語り口で世の中からはぐれてしまう人びとの生き方を描き出す傑作短篇集。直木賞受賞作収録。 (「内容紹介」より)
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第81回 昭和54年/1979年上半期ナポレオン狂 阿刀田高 | | 自らナポレオンの生まれ変りと信じ切っている男、はたまたナポレオンの遺品を完璧にそろえたいコレクター。その両者を引き合わせた結果とは?ダール、スレッサーに匹敵する短篇小説の名手が、卓抜の切れ味を発揮した直木賞受賞の傑作集。第32回日本推理作家協会賞受賞の「来訪者」も収録する。 (「内容紹介」より)
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