第41回~第60回 直木賞受賞作

直木賞はご承知の通り、菊池寛が1935年に芥川賞とともに創設した文学賞です。正しくは直木三十五賞と言いますが、通称の直木賞の方が一般的な言い方ですね。
純文学の芥川賞と大衆文学の直木賞で、どちらも当初は「無名若しくは新進作家」が対象だったはずですが、直木賞はいつのまにやら大衆文学のもっとも権威ある賞になってしまいました。
権威を疑う癖のある管理人は、大衆文学と言いつつSF・ファンタジィには与えられない傾向を見て、本当に面白い作品は選ばれない文学賞という印象を持っていましたが、実際には流石にという作品も多いです。
以下は第41回から第60回の直木賞受賞作です。

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年度 作品名 内容

第60回
昭和43年/1968年下半期

青玉獅子香炉

陳 舜臣

動乱の世には眼もくれず、佳人の面影をひたすら託した自作の玉器を、ひとすじに追い求める工芸師の三十余年にわたる執念を描いた直木賞受賞作はじめ秀作五篇収録。

(「内容紹介」より)

第60回
昭和43年/1968年下半期

僑人の檻

早乙女貢

第59回
昭和43年/1968年上半期

受賞作なし

第58回
昭和42年/1967年下半期

アメリカひじき

火垂るの墓

野坂昭如

昭和二十年、戦争のなか親も家も失い、二人きりになってしまった兄妹。十四歳の清太と、四歳の節子が、つたなくもけんめいに生きようとする姿をえがいた名作。一九六八年、直木賞受賞作。―表題作のほか、読みついでいきたい戦争の童話五編を収録。中学生向け。

(「BOOK」データベースより)

第58回
昭和42年/1967年下半期

聖少女

三好徹

聖少女でもあり、聖少年でもある無道徳な明るさと空しさを持つ少年少女を生き生きと描いて、直木賞を受賞した「聖少女」と、「背後の影」「汚れた天使」「鋳匠」の四短篇

(「内容紹介」より)

第57回
昭和42年/1967年上半期

追いつめる

生島治郎

極秘裏に広域暴力団を潰滅すべく動いていた志田司郎は、同僚を誤射。職を辞し妻子とも別れた志田は、孤高の狼と化して巨大組織に牙を剥いた! ハードボイルドの金字塔。直木賞受賞作品。

(「内容紹介」より)

第56回
昭和41年/1966年下半期

蒼ざめた馬を見よ

五木寛之

ソ連の老作家が書いた痛烈な体制批判の小説。その入手を命じられた元新聞記者・鷹野は、本人に会い原稿を運び出すことに成功する。出版された作品は、全世界でベストセラーとなり、ソ連は窮地に立った。ところが、その裏には驚くべき陰謀が…。直木賞受賞の表題作など全5篇を収めた、初期の代表的傑作集。

(「BOOK」データベースより)

第55回
昭和41年/1966年上半期

白い罌粟

立原正秋

日本と朝鮮の血を引く家系に生まれた兄弟が、戦争という得体の知れないものに翻弄されながらも、自分たちの存在を確かめようと、”血”とは何かを追求した「剣ケ崎」。金貸業者を踏み倒す事を仕事にしている奇妙な男にひかれて、その不可解な魅力と付き合っているうちに、自らも破滅してゆく中年の教師を描いた「白い罌粟」。没落寸前の旧家・壬生家。その終焉を闇夜に輝く篝火に象徴させ、従弟との愛を”死”で締め括った人妻を描いた「薪能」。義弟との束の間の愛に燃えた若妻を描く「流鏑馬」、麻薬窟に出入りし、女と薬に溺れる男を描く「薔薇屋敷」。直木賞受賞作、芥川賞候補作など立原正秋の代表短編5編を納めている。

(「内容紹介」より)

第54回
昭和40年/1965年下半期

八百長

新橋遊吉

少年・戸上永伍は、淀の競馬場で一頭のサラブレッドに出合い、衝撃を受ける。家族の反対を押し切り騎手を志願。免許試験に合格する。そしてあのサラブレッド、ハヤテオーで初勝利、人気騎手になっていく。やがて紀宮恭子と知り合う。それは、彼の一人八百長への道のスタートであった。(表題作「八百長」から。)

(「BOOK」データベースより)

第54回
昭和40年/1965年下半期

虜愁記

千葉治平

第53回
昭和40年/1965年上半期

藤井重夫

1950年敗戦直後の大阪。四国の田舎町から、広島から、名古屋から、丹波から天王寺駅界隈にすみついた戦災孤児たちはたくましく生きる。そのひとり、虹を見るといつも泣き出すカズヒコと交番の巡査との暖かい心の交流を、独特の大阪の匂いにのせて描いた第53回直木賞受賞作。表題作ほか「風土」「善界」「牧歌」「世染-私版・夫婦善哉」を含む珠玉短編集。

(「内容紹介」より)

第52回
昭和39年/1964年下半期

炎環

永井路子

それまでにない形で、鎌倉に成立した武士たちの政権。そのまわりに燃えさかる情熱と野望の葛藤を見事に描き出した連作小説。来季NHK大河ドラマ「草燃える」原作。

(「内容紹介」より)

第52回
昭和39年/1964年下半期

張少子の話

安西篤子

第51回
昭和39年/1964年上半期

受賞作なし

第50回
昭和38年/1963年下半期

巷談本牧亭

安藤鶴夫

昭和三十七年、日々移り変わる大都会・東京。その片隅で、人の世の喜怒哀楽を芸に注ぎ込み、ひたむきに生きた講談師、落語家たちの姿を、上野本牧亭に集う人々の人情を交えて見事に活写。世の有り様を芸の世界に凝縮し、第50回直木賞受賞。芸能評論家あんつるの名を小説家として世に知らしめた傑作小説。

(「BOOK」データベースより)

第50回
昭和38年/1963年下半期

塵の中

和田芳恵

第49回
昭和38年/1963年上半期

女のいくさ

佐藤得二

第48回
昭和37年/1962年下半期

江分利満氏の優雅な生活

山口 瞳

描かれているのは、昭和の年号とともに生きてきたサラリーマンのごく普通の日常に過ぎない。しかし、エッセイとも日記とも思えるスタイルと軽妙洒脱な文章を通して、それが大変な出来事の積み重ねであることが分かってくる。卓抜な人物描写と世態風俗の鋭い観察によって、昭和一桁世代の哀歓と悲喜劇を鮮やかに描き、高度経済成長期前後の一時代をくっきりと刻む。

(「BOOK」データベースより)

第48回
昭和37年/1962年下半期

孤愁の岸

杉本苑子

財政難に喘ぐ薩摩藩に突如濃尾三川治水の幕命が下る。露骨な外様潰しの策謀と知りつつ、平田靭負ら薩摩藩士は遥か濃尾の地に赴いた。利に走る商人、自村のエゴに狂奔する百姓、腐敗しきった公儀役人らを相手に、お手伝い方の勝算なき戦いが始まった……。史上名高い宝暦大治水をグルーバルに描く傑作長編。

(「内容紹介」より)

第47回
昭和37年/1962年上半期

天才と狂人の間

杉森久英

少年時代から自分を天才と信じた島田清次郎が、弱冠20歳で世に問うた長編小説『地上』は記録破りの売行きを示し、彼は天才作家ともてはやされ、いちやく文壇の流行児となった。しかし、身を処する道を誤まり、またたく間に人気を失い、没落した。本書は、島田清次郎の狂気にも似た足跡を克明にたどり、没落のよってきたるところを究めようとした、直木賞受賞の傑作伝記小説。

(「BOOK」データベースより)

第46回
昭和36年/1961年下半期

螢の河

伊藤桂一

兵士の日常を丹念に描き、温かく深い感動を伝える戦記文学の傑作短篇/第46回直木賞受賞作品。

(「BOOK」データベースより)

第45回
昭和36年/1961年上半期

雁の寺

水上 勉

“軍艦頭”と罵倒され、乞食女の捨て子として惨めな日々を送ってきた少年僧・慈念の、殺人にいたる鬱積した孤独な怨念の凝集を見詰める、直木賞受賞作『雁の寺』。竹の精のように美しい妻・玉枝と、彼女の上に亡き母の面影を見出し、母親としての愛情を求める竹細工師・喜助との、余りにもはかない愛の姿を、越前の竹林を背景に描く『越前竹人形』。水上文学の代表的名作2編。

(「内容紹介」より)

第44回
昭和35年/1960年下半期

はぐれ念仏

寺内大吉

北条三来和尚は肌身離さず数珠をもち、朝夕に念仏を欠かさない。それが突然、袈裟を脱ぎ捨てて宗会議員に立候補した。かつて生き仏とまで讃えられた大老僧が、湯水のごとくゼニをまきちらし、仏戒を破り、票をかき集めるべく大奮闘する。宗門をあげての大騒動の果て、最後に和尚が口にしたのは…。聖俗のはざまに揺曳する人間模様を活写した第44回直木賞受賞作。

(「BOOK」データベースより)

第44回
昭和35年/1960年下半期

背徳のメス

黒岩重吾

夜の非人間的な女誑しと昼間の正義の医師、植秀人。大阪の阿倍野を舞台に、デカダンス、ニヒリズム、無気力、情欲、犯罪が百鬼夜行する異常空間を描いた、ハードボイルド的長編推理の傑作。第44回直木賞受賞作品。

(「BOOK」データベースより)

第43回
昭和35年/1960年上半期

錯乱

池波正太郎

信州松代十万石の藩士堀平五郎は、武骨だが諸事円満な性情で、将棋の駒づくりを唯一の趣味にする、妻女久仁との間には息子がひとりという平凡な人好きのする人物であった。藩祖真田信之にも好かれていたが、一大事が出来した。現藩主の信政が卒倒し、城下は騒然となった。卒倒三日後、信政は没した。死の床にあって信政を悩ましたのは、暴君型の甥、分家の信利の存在であった。はたして愛児への家督は無事に許されるのか…。堀平五郎の目は異様な鋭い光を放っていた。(「錯乱」)―第四十三回直木賞受賞作「錯乱」の他、百姓娘に欲情した信州上田藩士を描く「碁盤の首」、松代藩内抗争事件を描く「刺客」、夜ごと男女交合秘図描きに没頭する火付盗賊改めを描く「秘図」、そして薩摩藩の暴れ者中村半次郎を描く「賊将」の四編を収めた傑作短編集。

(「BOOK」データベースより)

第42回
昭和34年/1959年下半期

團十郎切腹事件 その他

戸板康二

江戸川乱歩に見いだされた「車引殺人事件」にはじまる、老歌舞伎俳優・中村雅楽の推理譚。美しい立女形の行方を突きとめる「立女形失踪事件」、八代目市川團十郎自刃の謎を読み解く、第42回直木賞受賞作「團十郎切腹事件」など全18編。旧「宝石」掲載時の各編解説をはじめ豊富な資料も併録。ミステリ史に燦然と輝く名推理の数々を完全収録。

(「BOOK」データベースより)

第42回
昭和34年/1959年下半期

梟の城

司馬遼太郎

織田信長によって一族を惨殺された怨念と、忍者としての生きがいをかけて豊臣秀吉暗殺をねらう伊賀者、葛籠重蔵。その相弟子で、忍者の道を捨てて仕官をし、伊賀を売り、重蔵を捕えることに出世の方途を求める風間五平。戦国末期の権力争いを背景に、二人の伊賀者の対照的な生きざまを通して、かげろうのごとき忍者の実像を活写し、歴史小説に新しい時代を画した直木賞受賞作品。

(「内容紹介」より)

第41回
昭和34年/1959年上半期

馬淵川

渡辺喜恵子

第41回
昭和34年/1959年上半期

鏨師

平岩弓枝

無銘の古刀に名匠の偽銘を切って高価な刀剣にみせかける鏨師。その並々ならぬ技術を見破る刀剣鑑定家。火花を散らす名人同士の対決に恩愛のきずながからむ厳しい世界をしっとりと描いた第41回直木賞受賞作「鏨師」のほか、「神楽師」「狂言師」「狂言宗家」など、著者が得意とする芸の世界に材を得た初期短編集。

(「BOOK」データベースより)

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