第21回~第40回 直木賞受賞作

直木賞はご承知の通り、菊池寛が1935年に芥川賞とともに創設した文学賞です。正しくは直木三十五賞と言いますが、通称の直木賞の方が一般的な言い方ですね。
純文学の芥川賞と大衆文学の直木賞で、どちらも当初は「無名若しくは新進作家」が対象だったはずですが、直木賞はいつのまにやら大衆文学のもっとも権威ある賞になってしまいました。
権威を疑う癖のある管理人は、大衆文学と言いつつSF・ファンタジィには与えられない傾向を見て、本当に面白い作品は選ばれない文学賞という印象を持っていましたが、実際には流石にという作品も多いです。
以下は第21回から第40回の直木賞受賞作です。

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年度 作品名 内容

第40回
昭和33年/1958年下半期

総会屋錦城

城山三郎

直木賞受賞の表題作は、株主総会の席上やその裏面で、命がけで暗躍する、財界の影武者ともいえる総会屋の老ボスを描く評判作。ほかに交通事故の時だけタクシー会社の重役の身代りで見舞いや弔問にゆく五十男の悲しみを描いた『事故専務』をはじめ、資本主義社会のからくり、陰謀などを、入念な考証に基づき、迫力あるスピード感と構成力で描く本格的な社会小説7編を収める。

(「内容紹介」より)

第40回
昭和33年/1958年下半期

落ちる

多岐川恭

過度な自己破壊衝動を持つ男は最愛の妻を得ることで生きる意味を見出したかに思えたが、主治医の男と妻の関係に疑念を抱く(「落ちる」)。うだつの上がらない万年平行員の宿直当番中に銃を持った強盗が現れた。その意外な顛末とは?(「ある脅迫」)。サスペンスからユーモア、本格推理、叙情豊かな青春までバラエティに富む昭和ミステリの傑作短篇集。単行本未収録作「砂丘にて」収録。

(「BOOK」データベースより)

第39回
昭和33年/1958年上半期

花のれん

山崎豊子

船場に嫁いだ多加は頼りない夫を立ててよく働くが、夫は寄席道楽に耽って店を潰す。いっそ道楽を本業にという多加の勧めで場末の寄席を買った夫は、借財を残したまま妾宅で死亡する。多加のなりふりかまわぬ金儲けが始まった。金貸しの老婆に取入り、師匠たちの背中まで拭い、ライバルの寄席のお茶子頭を引抜く──。大阪商人のど根性に徹した女興業師の生涯を描く直木賞受賞作。

(「内容紹介」より)

第39回
昭和33年/1958年上半期

赤い雪

榛葉英治

第38回
昭和32年/1957年下半期

受賞作なし

第37回
昭和32年/1957年上半期

ルソンの谷間

江崎誠致

兵士が書きつづった、けだかく、うつくしく、心あらわれる日本語の魅力。フィリピンの戦場で無数の戦友の死体を目撃した著者は、ふたたび生命をもつことのない死体が、今なお「私の中に生きている事実を、書きしるしておきたかった」と述懐し「打ち棄てられた死体にも、死者の生涯はある」と死者への万感の思いを一本の筆に託する感動のロングセラー。直木賞受賞作。

(「内容紹介」より)

第36回
昭和31年/1956年下半期

お吟さま

今東光

千利休の娘・お吟の胸には、堺の豪商・万代屋(もずや)宗安に嫁いだ後も、初恋のキリシタン大名・高山右近の俤(おもかげ)がひそかに生きつづけていた。やがて離婚したお吟の美貌は、最高権力者・秀吉の関心をひき、その軋轢(あつれき)が、お吟と利休を苛酷な運命の袋小路に引きずりこむ……。戦国の世を生きた薄幸の美女を描き直木賞を受けた名作に、平家滅亡に生涯を賭した僧の生きざまを綴る『弱法師(よろほうし)』を加えた本格歴史小説集。

(「内容紹介」より)

第36回
昭和31年/1956年下半期

勝烏

穂積驚

第35回
昭和31年/1956年上半期

壁の花

今官一

第35回
昭和31年/1956年上半期

燈台鬼

南條範夫

遣唐副使として唐に渡ったまま行方不明となった父・石根を求め、道麻呂はかの地へ赴いた。20数年の歳月を経て、ようやく出会った父は、あまりにもおぞましい姿に変わり果て…。直木賞受賞の表題作のほか、オール新人杯第1回受賞作「子守りの殿」、異色作「水妖記」など初期の作品6編を収録。直木賞受賞までの歴史小説をすべて網羅した、巨匠の原点。

(「BOOK」データベースより)

第34回
昭和30年/1955年下半期

強力伝

新田次郎

五十貫もの巨石を背負って白馬岳山頂に挑む山男を描いた処女作「強力伝」。富士山頂観測所の建設に生涯を捧げた一技師の物語「凍傷」。太平洋上の離島で孤独に耐えながら気象観測に励む人びとを描く「孤島」。明治35年1月、青森歩兵第五連隊の210名の兵が遭難した悲劇的雪中行軍を描く「八甲田山」。ほかに「おとし穴」「山犬物語」。“山"を知り“雪"を“風"を知っている著者の傑作短編集。

(「内容紹介」より)

第34回
昭和30年/1955年下半期

香港

邱永漢

「香港」では、生きのびるためには考えることよりも逃げ足の速いことがまず第一、というヤミ屋や密輸人たちの明日を怖れぬしたたかな生き方をきざみつける人生を、――「濁水渓」では、けわしい戦後台湾の動乱渦中に帰国した学生の生き方を問う。 永遠に流浪する青春の二記念碑。

(「内容紹介」より)

第33回
昭和30年/1955年上半期

受賞作なし

第32回
昭和29年/1954年下半期

ボロ家の春秋

梅崎春生

桜島」「日の果て」などの戦争小説の秀作をのこした梅崎春生のもう1つの作品系列、市井の日常を扱った作品群の中から、「蜆」「庭の眺め」「黄色い日日」「Sの背中」「ボロ家の春秋」「記憶」「凡人凡語」の計7篇を収録。諷刺、戯画、ユーモアをまじえた筆致で日常の根本をゆさぶる独特の作品世界。

(「内容紹介」より)

第32回
昭和29年/1954年下半期

高安犬物語

戸川幸夫

熊を追って幾日でも雪山を歩く耐久力と一度喰いついたら獲物が倒れるまで放さない闘魂を持つ高安犬。その最後の一頭、チンの壮絶な生を、愛を込めて描く直木賞受賞作『高安犬物語』はじめ、失われし日本の美しい自然を切り取った『爪王』『悲しき絶叫』『羆が出たア』など9編を収録。

(「内容紹介」より)

第31回
昭和29年/1954年上半期

終身未決囚

有馬頼義

第30回
昭和28年/1953年下半期

受賞作なし

第29回
昭和28年/1953年上半期

受賞作なし

第28回
昭和27年/1952年下半期

叛乱

立野信之

昭和十一年二月二十六日朝まだき、降りしきる雪の中、首相はじめ政府要人が次々に襲撃・殺害された。憂国の陸軍青年将校らが「尊皇討奸」を掲げ、ついに行動したのだ。しかし、正義の決起は徐々に逆賊・叛乱の名を被せられ、主要メンバーは極刑に処される。皮肉な運命を克明に追い、維新に身を投ぜんとする若者たちの情熱や不安、困惑を鮮やかに浮き彫りにした、二・二六事件のドキュメント・ノベル。第二十八回(昭和二十七年)直木賞受賞作。

(「BOOK」データベースより)

第27回
昭和27年/1952年上半期

罪な女

その他

藤原審爾

夫と子供の不在の一夜、強盗に踏みこまれた、一人の平凡な主婦と強盗との接点を、誰にでも日常的に起こり得る恐怖と描く心理サスペンス「赤い殺意」。貧しく不幸に生まれ、ただ一筋に男に尽くすしかない可愛い女を浮き彫りにする直木賞受賞「罪な女」。精細な心理描写の丹念な積み重ねと、定評のある女の情感描写の双方が響き合って、人間の哀しさと人間愛へと収斂されていく長短編の代表作を収録。

(「内容紹介」より)

第26回
昭和26年/1951年下半期

鈴木主水

久生十蘭

第26回
昭和26年/1951年下半期

イエスの裔

柴田錬三郎

第25回
昭和26年/1951年上半期

英語屋さん

その他

源氏鶏太

入社10年の風間京太は、気難しい社長の出張に随行を命じられた。お眼鏡に適えば、大出世。機嫌を損ねたら、お先真っ暗。社長は現地にいる元愛人との逢瀬を企んでいるが、夫人からは二人の密会を阻止せよ、と厳命されており…。風間の選択は!?(「随行さん」)ほか、サラリーマンの哀歓を描く全10編。不条理な職場や理不尽な上司に喘ぐ、若い読者こそ必読。働き方のヒントは、昭和の名作にあった!

(「BOOK」データベースより)

第24回
昭和25年/1950年下半期

真説石川五右衛門

長恨歌

檀一雄

世は戦国も末。怪童の名は五郎市五右衛門。顔の造作、手足のすべてが世間並の倍、眸は世にも稀な双瞳・車輪眼。ひとり、天狗のように野を駆けて獣を追い、河童のように水を潜って魚を獲る。経文を諳んじ、老荘に親しむ。だが身裡に滾る激情の正体はいったい何か!?鎮める術を知らず。「富も権勢も、神の名を借りた“愛”も、人の世の虚飾を剥ぎ盗ってみせる!」大盗五右衛門の生涯を活写する時代長篇。

(「BOOK」データベースより)

第23回
昭和25年/1950年上半期

天皇の帽子

今日出海

第23回
昭和25年/1950年上半期

執行猶予

小山いと子

第22回
昭和24年/1949年下半期

海の廃園

山田克郎

第21回
昭和24年/1949年上半期

面、刺青、その他

富田常雄

巨匠・海音寺潮五郎「天正女合戦」や、単行本未収録の富田常雄「刺青」「面」など、小説の最高栄誉に輝きながら世に出ていない直木賞9作品を収録。

(「内容紹介」より)

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