記憶に残る短編小説 Myベスト20
管理人が今まで読んだ短編小説の中で記憶に残るベスト20の作品です。短編小説で20作を選ぶのは厳しく、思いつくまま無理矢理に選んでしまいました。冷静に考え込んで選りすぐったわけではありませんので、また意見が変わるかもしれません。
しかし記憶に残る作品のかなりが暗かったり悲惨だったりするのは何故なんでしょうね。短い中に凝縮すると平穏な心温まる作品ではインパクトが弱いのかもしれません。
好きとか嫌いとか言うよりも、若い頃に読んで記憶に残っている短編小説が多くなっています。
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おーい でてこーい : 星新一
「ボッコちゃん」に収録。数多ある星新一のショート・ショートの中で何を選ぶかと言えば、管理人はこれです。高度成長期の日本をからかい、オチがまた良いですね。 -
笑うな : 筒井康隆
短編集「笑うな」に収録。ショート・ショートですので、直ぐに読み終えます。管理人は駅前の書店で何を買おうか迷って、たまたま手に取ったこの作品を立ち読みして、体を震わせて笑ってしまいました。 -
ひやめし物語 : 山本周五郎
「大炊介始末」に収録。武家の四男坊のおおらかな青年を主人公にした、どこかゆったりとした気分の作品で気持ちが明るくなります。山本周五郎の短編は甲乙つけがたいのですが、管理人が一番読み返しているのはこの作品だと思います。 -
幸福通信 : 阿刀田高
「冷蔵庫より愛をこめて」に収録されています。ブラックユーモアの効いた奇妙な味の短編が多い中で、この作品はよく練られています。事件の真相にどことなく暖か味があって好きです。 -
大鎌 : レイ・ブラッドベリ
「十月はたそがれの国」に収録。道に迷った貧しい農家の主人が、辿り着いた無人の農家で体験する事を描くホラーの傑作で詩情に溢れています。 -
体形 : ロバート・シェクリィ
「人間の手がまだ触れない」に収録。地球侵略を企む抑圧された惑星から送られてきた宇宙人が出会う驚異を描いた、斬新なアイディアの傑作SF。 -
サンドキングス : ジョージ・R・R・マーティン
短編集「サンドキングス」に収録。飼い主を神と崇める昆虫型の異星生物サンドキングズを飼育する男を描いたホラー。納得する不気味さです。 -
黎明 : ディーン・R・クーンツ
短編集「ストレンジ・ハイウェイズ〈3〉嵐の夜」に収録されている、無神論者の男を主人公にして描かれた名作。クーンツらしからぬ宗教的なものを感じます。 -
レミング : リチャード・マシスン
「13のショック (異色作家短篇集)」に収録されています。分類すればホラーなんでしょうけど、全体的に落ち着いた雰囲気で進む物語です。こういう内容をこういう文体で描いた作品は、当時中学生の管理人には少しショッキングでした。 -
芋虫 : 江戸川乱歩
角川ホラー文庫の「芋虫」に収録されています。戦争批判?、人間の業?、夫婦愛?、ヒューマニズム?、色々と考えてしまいました。江戸川乱歩の世界なんですけど、普通の乱歩とは一味違う印象です。 -
死骸に乗る者 : ラフカディオ・ハーン
短編集「怪談・奇談」に収録されています。外国人が書いたというのが信じられないくらいに日本的で美しくて儚げな作品集の中で、特に怖いけど、どこか滑稽な感じもする物語。 -
紙の動物園 : ケン・リュウ
「紙の動物園」に収録。ヒューゴー賞/ネビュラ賞/世界幻想文学大賞受賞の短編で、この素晴らしい情感はなんとも言えません。 -
孤立剣残月 : 藤沢周平
藤沢周平の作品は長編も短編も傑作揃いで選ぶのも大変ですが、「隠し剣秋風抄」に収録されているこの作品は、隠し剣シリーズを最初に読んだ時は然程思いませんでしたが、読み返してみると、理不尽な状況に会いながら最後は自らの力で立ち向かう中年剣客の悲哀と救いに独特のペーソスを感じて味があります。 -
ここが青山 : 奥田英朗
「家日和」に収録。主人公の夫婦が自然体で良いなぁ。気持ちが明るくなります。 -
紅だすき無頼 : 山手樹一郎
講談社のロマンブックス「紅だすき無頼」に収録されています。昔の東映時代劇を思わせる明るい時代小説、山手樹一郎ワールドのラブコメが平和で良いですね。 -
鉄道員(ぽっぽや) : 浅田次郎
直木賞受賞作「鉄道員(ぽっぽや)」に収録。泣ける・・・。通勤電車の中で読んで実に困った作品です。 -
少年と犬 : ハーラン・エリスン
「世界の中心で愛を叫んだけもの」に収録。愛の無い時代に育った少年と犬と少女の物語。キツイですねぇ・・・。 -
渡り廊下 : 豊田有恒
筒井康隆編集の「60年代日本SFベスト集成」に収録されています。日本的な私小説風なSFで実に趣がある作品で、なかなかこういう作品にお目にかかれない気がします。管理人はSFマガジンに掲載された作品を読んだと記憶しています。 -
中山峠に地獄をみた : 笹沢左保
「見かえり峠の落日」に収録されています。江戸時代のアウトローを描いた時代小説で管理人が高校生の頃に読みました。木枯し紋次郎のシリーズに繋がるようなスタイルの作品で、今では珍しく感じませんが、当時の管理人には衝撃的だった印象があります。