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江戸川乱歩賞を受賞した作品の一覧です。

江戸川乱歩賞受賞作

江戸川乱歩賞は日本推理作家協会が主催する、公募したミステリィ長編小説の中から選ばれた最優秀作品に与えられる文学賞です。
但し第1回と第2回は日本のミステリィ界への多大なる貢献ということで評論家の中島河太郎氏と早川書房がそれぞれ受賞していますので、今のような形で始まったのは実質的には第3回からとなります。
管理人の経験では江戸川乱歩賞受賞作に外れなしというくらいに、優れたミステリィ作品が選ばれているように思います。

第69回(2023年)

三上幸四郎 : 蒼天の鳥

( 受賞時 / 蒼天の鳥たち )

    大正十三(1924)年七月、鳥取県鳥取市──。主人公の田中古代子は、女性の地位向上を目指し「新しい女」の潮流を訴える女流作家である。本格的に作家として活動するため、娘の千鳥と内縁の夫・涌島義博の三人で、鳥取から東京に引っ越しをする予定を立てていた。移住直前のある日、古代子は千鳥と共に、活動写真「兇賊ジゴマ」を観るために鳥取市内の劇場「鳥取座」に向かう。ところが観劇中、場内で火事が発生。取り残された古代子と千鳥が目にしたのは、煙につつまれる舞台上に立つ「本物」の「兇賊ジゴマ」であった。逃げようとする二人の目の前で、ジゴマはひとりの男を刺殺し、逃亡する。命からがら鳥取県気高郡浜村の自宅に逃げ帰った古代子と千鳥であったが、一息つく暇もなく、再び謎の人物に襲われるのだった。果たしてこの世の中に、本物のジゴマなどいるものだろうか……? 謎は思いがけない事態へと発展していく。鳥取出身の実在の作家・田中古代子をモデルに、友人の女流作家・尾崎翠や鳥取に流れてきた過激アナキスト集団「露亜党」、関東大震災など、大正期を鮮やかに描く歴史活劇ミステリー!
    (「内容紹介」より)

    第68回(2022年)

    荒木あかね : 此の世の果ての殺人
    • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆☆

    2022年9月7日、小惑星2021NQ2・通称「テロス」が熊本県阿蘇郡に衝突することが発表された。衝突まであと半年。日本はおろか、全世界の人類の滅亡が確実視されるなか、人々は衝突予測地点から少しでも離れるべく地球上で大移動を始めた。ほとんどの日本人が海外へと脱出するなか、小春はひとり福岡の地で自動車の教習を受け続けていた。ある小さな夢を叶えるために――。小惑星の衝突まであと2ヵ月と迫り、福岡の町からほとんどの人が消えた年末、教習車のトランクを開けた小春は、めった刺しされた女性の死体を発見する。教習所の教官であり元警察官のイサガワとともに、太宰府署に通報へむかった小春は、同様の手口の殺人事件が福岡各地で起きているという驚くべき事実を知らされる。終末が迫るいま、わざわざ殺人を犯すような危険人物がこの地には潜んでいるのだろうか? 滅亡へのカウントダウンが始まる世界で、二人は地球最後の謎解きを始める。
    (「内容紹介」より)

    第67回(2021年)

    伏尾美紀 : 北緯43度のコールドケース

    ( 受賞時 / センパーファイ -常に忠誠を- )

      博士号を持つ異色の警察官・沢村依理子。北海道警察で現場経験を積む沢村は凍てつく一月、少女死体遺棄事件の捜査に加わる。発見された少女は五年前に誘拐され行方不明となっていた島崎陽菜だった。容疑者死亡で未解決だった事件は沢村を呑み込むように意外な展開を見せる。
      (「内容紹介」より)

      第67回(2021年)

      桃野雑派 : 老虎残夢

      ( 受賞時 / 桃ノ雑派 )

        湖に浮かぶ孤島で、武術の達人・泰隆が遺体となって発見された。三人の武侠を招き、うち一人に「奥義」を授けるとしていた矢先のことだった。孤絶した楼閣は、特殊な武芸を身につけた彼らをもってしても侵入は不可能にみえる。泰隆の愛弟子・紫苑は、姉妹以上の絆で結ばれた恋華とともに、その謎に挑む!
        (「内容紹介」より)

        第66回(2020年)

        佐野広実 : わたしが消える

          元刑事の藤巻は、交通事故に遭い、自分に軽度認知障碍の症状が出ていたことを知り、愕然とする。離婚した妻はすでに亡くなっており、大学生の娘にも迷惑はかけられない。途方に暮れていると、当の娘が藤巻を訪ね、相談を持ちかけてくる。介護実習で通っている施設に、身元不明の老人がいる、というのだ。その老人は、施設の門の前で放置されていたことから、「門前さん」と呼ばれており、認知症の疑いがあり意思の疎通ができなくなっていた。これは、自分に課せられた最後の使命なのではないか。そう考えた藤巻は娘の依頼を引き受け、老人の正体を突き止めるためにたった一人で調査に乗り出す。刻一刻と現れる認知障碍の症状と闘いながら調査を続ける藤巻は、「門前さん」の過去に隠された恐るべき真実に近づいていくーー。残された時間で、自分に何ができるのか。
          (「内容紹介」より)

          第65回(2019年)

          神護かずみ : ノワールをまとう女

          ( 受賞時 / NOIRを纏った彼女 )

            企業の炎上鎮火を請け負う裏仕事人の西澤奈美は、筋力トレーニングを日課とし、冷蔵庫にはビールと栄養ゼリー。音楽はオールディーズをこよなく愛し、話し相手はAIのユキエ。そして、ファッションはいつも黒ずくめ。大手医薬品メーカーに仕掛けられたデモを鎮めるべく、市民団体に潜入した奈美。だが、そこでリーダーから紹介された同士とは、リアルな恋人の雪江だった。
            (「内容紹介」より)

            第64回(2018年)

            斉藤詠一 : 到達不能極

              南極遊覧中のチャーター機がシステムダウンを起こし不時着。添乗員の望月拓海は、乗客のランディ・ベイカーと物資を探しに「到達不能極」基地へ向かう。そこは大戦中、ナチスが極秘実験を行なっていた基地だった――。過去と現代が大胆に交錯する、圧倒的スケールの第64回江戸川乱歩賞受賞作。
              (「内容紹介」より)

              第63回(2017年)

              該当作なし

                第62回(2016年)

                佐藤究 : QJKJQ

                  女子高生の市野亜李亜は、猟奇殺人鬼の一家で生まれ育った。父は血を抜いて人を殺し、母は撲殺、兄は噛みついて失血させ、亜李亜はスタッグナイフで刺し殺す。それでも、猟奇殺人の秘密をお互いに共有しながら、郊外の家でひっそりと暮らしていた。ところがある日、兄が部屋で殺されているのを亜李亜は発見する。もちろん警察は呼べない。そして翌日には母がいなくなった。亜李亜は残った父親に疑いの目を向けるが……。
                  (「内容紹介」より)

                  第61回(2015年)

                  呉勝浩 : 道徳の時間

                    連続イタズラ事件が起きている、ビデオジャーナリストの伏見が住む町で、陶芸家が死亡。現場には、『道徳の時間を始めます。殺したのはだれ?』という落書きがあり、イタズラ事件との類似から同一犯という疑いが深まる。同じ頃、伏見にかつて町で起きた殺人事件のドキュメンタリー映画のカメラの仕事が舞い込む。証言者の撮影を続けるうちに、過去と現在の事件との奇妙なリンクに絡め取られていく。
                    (「内容紹介」より)

                    第60回(2014年)

                    下村敦史 : 闇に香る嘘

                    ( 受賞時 / 無縁の常闇に嘘は香る )

                      村上和久は孫に腎臓を移植しようとするが、検査の結果、適さないことが分かる。和久は兄の竜彦に移植を頼むが、検査さえも頑なに拒絶する兄の態度に違和感を覚える。中国残留孤児の兄が永住帰国をした際、既に失明していた和久は兄の顔を確認していない。27年間、兄だと信じていた男は偽者なのではないか――。全盲の和久が、兄の正体に迫るべく真相を追う。
                      (「内容紹介」より)

                      第59回(2013年)

                      竹吉優輔 : 襲名犯

                      ( 受賞時 / ブージャム狩り )

                        関東の地方都市で起きた連続猟奇殺人事件。ルイス・キャロルの詩に関連して、ネットの住人から「ブージャム」と英雄視された犯人は、6人を殺害した後、死刑が執行された。事件から14年後。突如として同じ手口の犯行が始まった。小指を切り取られた女性の惨殺体。「ブージャム」を名乗る血塗られた落書き。かつての被害者、南條信の双子の弟、南條仁のもとへ「襲名犯」からのメッセージが届けられる…。
                        (「内容紹介」より)

                        第58回(2012年)

                        高野史緒 : カラマーゾフの妹

                          カラマーゾフ事件から十三年後。モスクワで内務省未解決事件課の特別捜査官として活躍するカラマーゾフ家の次男、イワンが、事件以来はじめて帰郷した。兄ドミートリーの無罪を証明し、事件の真相を確かめたい――再捜査を開始するイワンの前に新たな事件が起こる。十三年前の真犯人は誰なのか。新たな事件は誰が、何のために起こしているのか、そして、謎解きの向こうに見えてくるものとは。息詰まる展開、そして驚愕の結末!
                          (「内容紹介」より)

                          第57回(2011年)

                          玖村まゆみ : 完盗オンサイト

                          ( 受賞時 / クライミングハイ )

                            皇居に侵入して、“お宝”を盗み出せ! ターゲットは、徳川家光が愛でたという名盆栽「三代将軍」。樹齢550年!? 報酬は1億円!! 天才フリークライマー水沢浹(みずさわとおる)は、多額の損害賠償を求められ窮地にある元恋人を救うため、この前代未聞の依頼を引き受ける。果たして勝算はあるのか?
                            (「内容紹介」より)

                            第57回(2011年)

                            川瀬七緒 : よろずのことに気をつけよ

                              呪いで人が殺せるか。変死体のそばで見つかった「呪術符」を手がかりに、呪術の研究を専門にする文化人類学者・仲澤大輔が殺人事件の真相に迫る長編ミステリー 。
                              (「内容紹介」より)

                              第56回(2010年)

                              横関大 : 再会

                              ( 受賞時 / 再会のタイムカプセル )

                                幼なじみの四人が埋めた拳銃が時を経て再び現れた。全てはタイムカプセルにとじ込めた、はずだった。第56回江戸川乱歩賞受賞作。
                                (「内容紹介」より)

                                第55回(2009年)

                                遠藤武文 : プリズン・トリック

                                ( 受賞時 / 三十九条の過失 )

                                • 再読度 ☆:読後感 ☆☆

                                市原の交通刑務所内で、受刑者石塚が殺され、同所内の宮崎が逃亡。遺体は奇妙にも“前へ倣え”の姿勢をとっていた。完全な密室で起きた事件は、安曇野を舞台にした政治汚職にまで波及していく。
                                (「内容紹介」より)

                                第54回(2008年)

                                末浦広海 : 訣別の森

                                ( 受賞時 / 猛き咆哮の果て )

                                  戦闘ヘリを無尽に駆った陸自の元エース・槇村は、ドクターヘリ機長として北海道の空を飛び回る日々を送っている。槇村は墜落した取材ヘリを救出、怪我人は自衛隊時代の部下・一恵だった。陸自を罷免された過去が槇村に鮮明に甦る。そして一恵は入院先から姿を消した。圧倒的スケールで謳いあげる男たちの叙事詩。
                                  (「内容紹介」より)

                                  第54回(2008年)

                                  翔田寛 : 誘拐児

                                    終戦翌年の夏、5歳の男の子が誘拐された。≪使い古しの新圓(しんえん)で百萬圓を用意しろ。場所は有楽町カストリ横丁≫という脅迫状に従い、屈強な刑事たちが張り込むなか、誘拐犯は子どもを連れて逃げてしまう。そして15年後、とある殺人事件をきっかけに、再びこの誘拐事件が動き出す。第54回江戸川乱歩賞受賞作。
                                    (「内容紹介」より)

                                    第53回(2007年)

                                    曽根圭介 : 沈底魚

                                      現職国会議員に中国のスパイがいるという情報によって、極秘に警視庁外事課に捜査本部が設置された。指揮官として警察庁から女性キャリア理事官が送り込まれるが、百戦錬磨の捜査員たちは独自に捜査を進める。その線上に浮かんだのは、次期総理の呼び声高い芥川健太郎だった。
                                      (「内容紹介」より)

                                      第52回(2006年)

                                      早瀬乱 : 三年坂 火の夢

                                        「三年坂で転んでね」――帝大生の兄が怪死する直前に残した言葉を手掛かりに、東京の坂を巡る実之。その東京では、大火の度に放火魔とおぼしき人力俥夫の姿が目撃されていた。“転ぶと3年以内に死ぬ”という禍々しい言い伝えと、近代東京の命運を揺るがす謎に、高嶋鍍金が挑む!
                                        (「内容紹介」より)

                                        第52回(2006年)

                                        鏑木蓮 : 東京ダモイ

                                          舞鶴でロシア人女性の遺体が発見された。時を同じくして抑留体験者の高津も姿を消す。2つの事件に関わりはあるのか。当時のことを綴った高津の句集が事件をつなぐ手がかりとなる。60年前極寒の地で何が起こったのか? 風化しても消せない歴史の記憶が、日本人の魂を揺さぶる。
                                          (「内容紹介」より)

                                          第51回(2005年)

                                          薬丸岳 : 天使のナイフ

                                            娘の目の前で、桧山貴志の妻は殺された。犯人が13歳の少年3人だったため、罪に問われることはなかった。4年後、犯人の1人が殺され、桧山が疑われる。「殺してやりたかった。でも俺は殺していない」。法とは、正義とは。デビュー作にして、少年犯罪小説・唯一無二の金字塔。
                                            (「内容紹介」より)

                                            第50回(2004年)

                                            神山裕右 : カタコンベ

                                              あの事件から5年、ひとつの決意が闇に眠った殺人事件を呼び覚ます! ーー水没するまでのタイムリミットは、約5時間。それまでに、洞窟に閉じこめられた調査隊を助け出さなければ……。「もう同じ過ちは繰り返さない」。強い決意を秘めたケイブダイバー・東馬亮は、単身救助に向かう。大きな闇に包まれた洞窟には、5年前の事件の真相と、殺人犯が潜んでいた。第50回江戸川乱歩賞受賞作。
                                              (「内容紹介」より)

                                              第49回(2003年)

                                              赤井三尋 : 翳りゆく夏

                                              ( 受賞時 / 二十年目の恩讐 )

                                                「誘拐犯の娘が新聞社の記者に内定」。週刊誌のスクープ記事をきっかけに、大手新聞社が、20年前の新生児誘拐事件の再調査を開始する。社命を受けた窓際社員の梶は、犯人の周辺、被害者、当時の担当刑事や病院関係者への取材を重ね、ついに"封印されていた真実"をつきとめる。第49回江戸川乱歩賞受賞作。
                                                (「内容紹介」より)

                                                第49回(2003年)

                                                不知火京介 : マッチメイク

                                                  プロレス団体の総帥ダリウス佐々木が対戦直後に急死した。額の傷からは蛇毒が。大観衆の見つめる中、何が起こったのか?新人レスラー山田聡は同期の本庄と謎を追い始めるが、それが第2の悲劇を生む。プロレスに全てを懸けた者が決して許せなかったこととは?感涙がとまらない第49回江戸川乱歩賞受賞作。
                                                  (「内容紹介」より)

                                                  第48回(2002年)

                                                  三浦明博 : 滅びのモノクローム

                                                  ( 受賞時 / 亡兆のモノクローム )

                                                    CM制作者・日下(くさか)が骨董市で偶然手に入れた、古いフライフィッシング用のリールとスチール缶。その中から発見した16ミリフィルムの映像をCMに利用しようと考えた日下だったが、そのことが戦時中の封印された犯罪を暴き出し、新たな殺人を引き起こす結果に!?
                                                    (「内容紹介」より)

                                                    第47回(2001年)

                                                    高野和明 : 13階段
                                                    • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆

                                                    犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶のみ。処刑までに残された時間はわずかしかない。2人は、無実の男の命を救うことができるのか。江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く傑作長編。
                                                    (「内容紹介」より)

                                                    第46回(2000年)

                                                    首藤瓜於 : 脳男
                                                    • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆

                                                    猟奇的な連続爆弾犯のアジトで発見された、心を持たない男・鈴木一郎。逮捕後、新たな爆弾の在処を警察に告げた、この男は共犯者なのか。男の精神鑑定を担当する医師・鷲谷真梨子は、彼の本性を探ろうとするが……。そして、男が入院する病院に爆弾が仕掛けられた。あらゆる感情が欠落した男。男の正体の解明に挑む精神科医と共に事件の核心にたどりついた刑事が見たものとは。全選考委員が絶賛した超絶の江戸川乱歩賞受賞作。
                                                    (「内容紹介」より)

                                                    第45回(1999年)

                                                    新野剛志 : 八月のマルクス

                                                      レイプ・スキャンダルで引退したお笑い芸人・笠原雄二。今は孤独に生きる彼を、元相方の立川誠が5年ぶりに訪ねてくる。だが直後、立川は失踪、かつてスキャンダルを書き立てた記者が殺された。いわれなき殺人容疑を晴らすため、笠原は自分の過去に立ち向かう。TV・芸能界を舞台に描く、第45回江戸川乱歩賞受賞作。
                                                      (「内容紹介」より)

                                                      第44回(1998年)

                                                      福井晴敏 : Twelve Y. O.

                                                        沖縄から米海兵隊が撤退した。それは米国防総省(ペンタゴン)が、たった1人のテロリストに屈服した瞬間だった。テロリストの名は「12」。最強のコンピュータウィルス「アポトーシス2」と謎の兵器「ウルマ」を使い、米国防総省を脅迫しつづける「12」の正体は? 真の目的は? 圧倒的スケールの江戸川乱歩賞受賞作。
                                                        (「内容紹介」より)

                                                        第44回(1998年)

                                                        池井戸潤 : 果つる底なき
                                                        • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆☆

                                                        二都銀行融資課の伊木は、蜂によるアレルギー性ショックで死んだ同期入行の坂本が、顧客の口座から横領していた事を聞かされる。しかし坂本が横領などするはずがないと、彼の生前の行動を調べ始めた伊木は、坂本が残した書類の中に不正融資に関する資料を見つける。その中には伊木が融資担当だった企業の倒産の原因にも言及があった。死ぬ直前に伊木とすれ違った坂本が残した「なあ、伊木、これは貸しだからな」という言葉の真意はなんだったのか?第44回江戸川乱歩賞受賞の企業ミステリィ。

                                                        第43回(1997年)

                                                        野沢尚 : 破線のマリス

                                                          首都テレビ報道局のニュース番組で映像編集を担う遠藤瑶子は、虚実の狭間を縫うモンタージュを駆使し、刺激的な画面を創りだす。彼女を待ち受けていたのは、自ら仕掛けた視覚の罠だった!?事故か、他殺か、1本のビデオから始まる、超一級の「フー&ホワイダニット」。第43回江戸川乱歩賞受賞の傑作ミステリ。
                                                          (「内容紹介」より)

                                                          第42回(1996年)

                                                          渡辺容子 : 左手に告げるなかれ

                                                            「右手を見せてくれ」。スーパーで万引犯を捕捉する女性保安士・八木薔子(しょうこ)のもとを訪れた刑事が尋ねる。3年前に別れた不倫相手の妻が殺されたのだ。夫の不貞相手として多額の慰謝料をむしり取られた彼女にかかった殺人容疑。彼女の腕にある傷痕は何を意味するのか!?第42回江戸川乱歩賞受賞の本格長編推理。
                                                            (「内容紹介」より)

                                                            第41回(1995年)

                                                            藤原伊織 : テロリストのパラソル

                                                              アル中バーテンダーの島村は、過去を隠し20年以上もひっそりと暮らしてきたが、新宿中央公園の爆弾テロに遭遇してから生活が急転する。ヤクザの浅井、爆発で死んだ昔の恋人の娘・塔子らが次々と店を訪れた。知らぬ間に巻き込まれ犯人を捜すことになった男が見た事実とは……。史上初の乱歩賞&直木賞W受賞作。
                                                              (「内容紹介」より)

                                                              第40回(1994年)

                                                              中嶋博行 : 検察捜査
                                                              • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆

                                                              横浜地検の検察官、岩崎紀美子の最初の事件。日弁連の大物弁護士西垣文雄が横浜の自宅で惨殺された。西垣が恨みを買いそうな案件を調べる岩崎は、背後の闇の深さに直面する。検察庁と日弁連の確執、組織の軋轢……そして東京地検が日弁連に強制捜査に入る事態に発展。孤軍奮戦の若い岩崎にも、脅迫者の影が迫る。
                                                              (「内容紹介」より)

                                                              第39回(1993年)

                                                              桐野夏生 : 顔に降りかかる雨

                                                                親友のノンフィクションライター宇佐川耀子が、1億円を持って消えた。大金を預けた成瀬時男は、暴力団上層部につながる暗い過去を持っている。あらぬ疑いを受けた私(村野ミロ)は、成瀬と協力して解明に乗り出す。二転三転する事件の真相は?女流ハードボイルド作家誕生の’93年度江戸川乱歩賞受賞作!
                                                                (「内容紹介」より)

                                                                第38回(1992年)

                                                                川田弥一郎 : 白く長い廊下

                                                                  十二指腸潰瘍手術後の患者が、長い廊下を病室に運ばれる途中に容体が急変、死亡した。医療事故か? 巧妙に仕組まれた殺人事件か? 責任を問われた麻酔担当医・窪島は、独自に調査を開始し、意外な真相に辿り着く……。しかし、その時、彼はすでに大学の医局間の複雑な対立の中に、足を踏み入れてしまっていた。’92年度江戸川乱歩賞受賞作。現役の外科医が挑戦した、乱歩賞初の医学ミステリー。
                                                                  (「内容紹介」より)

                                                                  第37回(1991年)

                                                                  真保裕一 : 連鎖

                                                                    チェルノブイリ原発事故による放射能汚染食品がヨーロッパから検査対象外の別の国経由で輸入されていた!厚生省の元食品衛生監視員として、汚染食品の横流しの真相突明に乗りだした羽川にやがて死の脅迫が……。重量感にあふれた、意外性豊かな、第37回江戸川乱歩賞受賞のハードボイルド・ミステリー。
                                                                    (「内容紹介」より)

                                                                    第37回(1991年)

                                                                    鳴海章 : ナイト・ダンサー
                                                                    • 再読度 ☆:読後感 ☆☆

                                                                    M航ジャンボ機の貨物室から、アルミ合金をとかす特殊細菌があふれだし、飛行困難に。その菌をめぐる国際陰謀の渦のなか、米海軍戦闘機はM航機撃墜にむかい、航空自衛隊機が緊急発進。謎のジェット機ナイト・ダンサーをまじえ、息づまる空中戦が展開される。
                                                                    (「内容紹介」より)

                                                                    第36回(1990年)

                                                                    阿部陽一 : フェニックスの弔鐘

                                                                      ニューヨークでVIPを乗せた旅客機が墜落。現場からはソ連製の毒ガスが発見された。モスクワではパイプラインが爆発…。デタントのうねりが世界を覆い、米ソ日で軍縮条約が結ばれようとしたとき、平和に挑戦し、冷戦の復活を目ざす巨大な陰媒が進行しつつあった。圧倒的迫力の第36回江戸川乱歩賞受賞作。
                                                                      (「BOOK」データベースより)

                                                                      第36回(1990年)

                                                                      鳥羽亮 : 剣の道殺人事件

                                                                        衆人環視の中での殺人事件は、両国N大講堂で開催された全日本学生剣道大会の決勝戦で発生した。殺されたのは武南大の副将石川洋。京都体育大の岸本三段と対戦中のハプニングであった。岸本犯人説が有力となるが、捜査は難航する…。
                                                                        (「内容紹介」より)

                                                                        第35回(1989年)

                                                                        長坂秀佳 : 浅草エノケン一座の嵐

                                                                          エノケンがエノケンを殺した!?昭和12年、浅草の人気役者が殺され容疑者に上がったのが、人気絶頂のエノケンだった。親友ロッパらとともに自ら三重トリックの謎に挑む。ミステリーファンを席巻した怪作、復刊!
                                                                          (「内容紹介」より)

                                                                          第34回(1988年)

                                                                          坂本光一 : 白色の残像

                                                                            夏の甲子園大会。千葉代表と茨城代表の両監督は、かつて大阪代表の名門・信光学園でバッテリーを組んで優勝した実績をもつが、不幸な事故が二人を遺恨対決に変えてしまう。東都スポーツの中山記者が二人を取材したが、そんなとき甲子園ハンデ師殺人事件が起きる。高校野球への熱い思いを込めた、江戸川乱歩賞受賞の傑作長編。名門校の強打線にひそむ秘密、大会の日程に合わせて謎解きが進む!
                                                                            (「内容紹介」より)

                                                                            第33回(1987年)

                                                                            石井敏弘 : 風のターンロード

                                                                              み…美恵ちゃん…娘たちの喉を突き破って金切声がほとばしった。ふくよかな女の胸には1本のナイフが突きささっていた。Z2を駆って芹沢顕二は単身、犯人を捜しに走る。そこへ現われた“青い仔猫”という美貌のライダー。そして盲目のピアニスト怜子。疾走する青春群像を生き生きと描く江戸川乱歩賞受賞作。
                                                                              (「BOOK」データベースより)

                                                                              第32回(1986年)

                                                                              山崎洋子 : 花園の迷宮

                                                                                横浜の遊郭に2人の少女が売られて来た。飢えと不景気の昭和初期、歓楽の町に投げこまれた2人を、死と、恐るべき秘密が待っていた。娼家を次々と襲う殺人事件、人間の欲望の凄まじさ、少女のけなげさが、巧みな展開と伏線、意表をつく結末で余すところなく描かれる、江戸川乱歩賞受賞の傑作推理長編
                                                                                (「内容紹介」より)

                                                                                第31回(1985年)

                                                                                森雅裕 : モーツァルトは子守唄を歌わない

                                                                                  モーツァルトの子守唄が世に出た時、“魔笛”作家が幽閉され、楽譜屋は奇怪な死に様をさらす―。その陰に策動するウィーン宮廷、フリーメーソンの脅しにもめげず、ベートーヴェン、チェルニー師弟は子守唄が秘めたメッセージを解読。1791年の楽聖の死にまつわる陰謀は明らかとなるか。乱歩賞受賞作。
                                                                                  (「BOOK」データベースより)

                                                                                  第31回(1985年)

                                                                                  東野圭吾 : 放課後

                                                                                    校内の更衣室で生徒指導の教師が青酸中毒で死んでいた。先生を2人だけの旅行に誘う問題児、頭脳明晰の美少女・剣道部の主将、先生をナンパするアーチェリー部の主将――犯人候補は続々登場する。そして、運動会の仮装行列で第2の殺人が……。乱歩賞受賞の青春推理。
                                                                                    (「内容紹介」より)

                                                                                    第30回(1984年)

                                                                                    鳥井加南子 : 天女の末裔

                                                                                      岐阜県王御滝郡神守地区、禁男の山中で巫女が生んだ女の子は、民俗学研究の学生が連れていったという。そのとき、村の男が殺され、巫女は殺人犯として服役する。そして村人たちは、「イチミコサマの呪い」と呟くのみであった。23年後、再び山中で謎の殺人事件が起きた! 宿命の娘・巫女の出産が秘めた殺人の謎。二人の男女が、窮地に追い込まれながらも真相に迫る! 江戸川乱歩賞受賞の話題作。
                                                                                      (「内容紹介」より)

                                                                                      第29回(1983年)

                                                                                      高橋克彦 : 写楽殺人事件
                                                                                      • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆☆

                                                                                      謎の絵師といわれた東洲斎写楽は、一体何者だったか。後世の美術史家はこの謎に没頭する。大学助手の津田も、ふとしたことからヒントを得て写楽の実体に肉迫する。そして或る結論にたどりつくのだが、現実の世界では彼の周辺に連続殺人が起きていて――。第29回江戸川乱歩賞受賞の本格推理作。
                                                                                      (「内容紹介」より)

                                                                                      第28回(1982年)

                                                                                      中津文彦 : 黄金流砂

                                                                                        義経は、平泉で討たれたのではない。頼朝の追捕の手を逃れ、ひそかに北へと脱出していた……。高名な歴史学者が盛岡のホテルで殺され、事件の鍵は意外や、義経北行説にからむ謎の古文書に! 駆け出し記者・法願総一郎の行く手を、解読不能の古代和文字がはばむ。暗号推理の興奮も満喫させる、江戸川乱歩賞受賞作。名作ミステリー長編。
                                                                                        (「内容紹介」より)

                                                                                        第28回(1982年)

                                                                                        岡嶋二人 : 焦茶色のパステル

                                                                                          ミステリー界の至宝はここから誕生した。二人で一人の作家、岡嶋二人のデビュー作にして江戸川乱歩賞受賞作。東北の牧場で牧場長と競馬評論家・大友隆一が殺され、サラブレッドの母子、モンパレットとパステルが銃撃された。隆一の妻である香苗は競馬の知識は一切持っていなかったが、夫の死に疑問を抱き、次々と怪事件に襲われる。一連の事件の裏には、競馬界を揺るがす恐るべき秘密が隠されていた。
                                                                                          (「内容紹介」より)

                                                                                          第27回(1981年)

                                                                                          長井彬 : 原子炉の蟹

                                                                                            関東電力九十九里浜原発の建屋内で、一晩中多量被曝した死体がドラム缶詰めで処分されたという。失踪した下請け会社の社長か!? だが中央新聞の大スクープは一転、捏造記事に。事実は隠蔽され、原子炉という幾重にも包囲された密室が記者らの前に立ちはだかる。乱歩賞受賞の社会派の傑作!
                                                                                            (「内容紹介」より)

                                                                                            第26回(1980年)

                                                                                            井沢元彦 : 猿丸幻視行
                                                                                            • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆☆

                                                                                            奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋は悲しき――百人一首にも登場する伝説の歌人、猿丸大夫が詠んだ歌に秘められた謎。そして“いろは歌”に隠された1000年の暗号とは? 友人の不可解な死に遭遇した、後の民俗学の巨人・折口信夫の若き日の推理が、歴史の深い闇をあぶりだす。江戸川乱歩賞受賞の永遠の傑作!
                                                                                            (「内容紹介」より)

                                                                                            第25回(1979年)

                                                                                            高柳芳夫 : プラハからの道化たち

                                                                                              第24回(1978年)

                                                                                              栗本薫 : ぼくらの時代
                                                                                              • 再読度 ☆:読後感 ☆☆

                                                                                              第23回(1977年)

                                                                                              梶龍雄 : 透明な季節

                                                                                                ぼくは夜明けまで犯人を追っていた……――ポケゴリが死んだ。しかも、殺されたのだ。あの憎い配属将校の死は、とても喜ばしい。殺した奴は、ほんとうに偉い、と思う。でも、あの美しい薫さんが、あいつの奥さんだったなんて、ぼくの胸は、張り裂けそうだ。……戦時下の学園生活を舞台に、年上の女性に淡い思慕を抱く一中学生の体験を描く、青春推理長編。
                                                                                                (「内容紹介」より)

                                                                                                第23回(1977年)

                                                                                                藤本泉 : 時をきざむ潮

                                                                                                  三陸の辺鄙(へんぴ)な海岸で、双生児を思われる学生の遺体が車の中から発見された。地元警察署には、別の学生の捜査依頼が出されていたが、高館刑事は二つの事件のつながりを直感し、接点を求めて捜査を開始する。事件の舞台となった白蟹村は古い伝承と習俗をもつ閉ざされた社会であった。刑事の執念の捜査が、まさに核心に迫ったとき、古代伝承は不気味に甦る。
                                                                                                  (「内容紹介」より)

                                                                                                  第22回(1976年)

                                                                                                  伴野朗 : 五十万年の死角

                                                                                                    太平洋戦争開戦の日、日本軍は、北京の医大研究施設を急襲した。貴重な文化財である、北京原人の化石骨を接収するためだった。ところが、めざすものはすでに、金庫から消えていた。何者が持ち出したのか? 化石骨を追い、日本軍、中国共産党、国民党などの激しい暗闘が始まる。壮大なサスペンス横溢の、第22回江戸川乱歩賞作受賞作品。
                                                                                                    (「内容紹介」より)

                                                                                                    第21回(1975年)

                                                                                                    日下圭介 : 蝶たちは今…

                                                                                                      旅先で間違えた他人のバッグから出てきた一通の手紙。それは女から男にあてたものだった。バッグを返すべく、手紙の差出人を訪ねてみると、意外にもその女性は三年前に死んでいた。しかも受取人まで故人! 死者同士で交わされた手紙の謎の背後には、忌まわしい出来事が…。
                                                                                                      (「内容紹介」より)

                                                                                                      第20回(1974年)

                                                                                                      小林久三 : 暗黒告知

                                                                                                        明治40年の栃木県谷中村。足尾銅山鉱毒事件をめぐり、官憲と立ち退き反対の農民側とが激しく対立するさなか、反対派の巨頭・田中正造の側近で谷中村土地収用反対派の残留農民の勝野が殺された。凶器は、鉱毒事件の告発者・田中正造の杖。はたして正造が犯人なのか、それとも巧妙なデッチあげによる官権の策謀か、はたまた反対派の内部抗争か……。歴史推理に社会問題を鮮やかに導入した傑作長篇。第20回江戸川乱歩賞受賞作。
                                                                                                        (「内容紹介」より)

                                                                                                        第19回(1973年)

                                                                                                        小峰元 : アルキメデスは手を汚さない

                                                                                                          「アルキメデス」という不可解な言葉だけを残して、女子高生・美雪は絶命。さらに、クラスメートが教室で毒殺未遂に倒れ、行方不明者も出て、学内は騒然! 大人たちも巻き込んだ、ミステリアスな事件の真相は? 1970年代の学園を舞台に、若者の友情と反抗を描く、伝説の青春ミステリー。江戸川乱歩賞受賞作。
                                                                                                          (「内容紹介」より)

                                                                                                          第18回(1972年)

                                                                                                          和久峻三 : 仮面法廷
                                                                                                          • 再読度 ☆:読後感 ☆☆

                                                                                                          琵琶湖をのぞむ時価10億円の高台の土地売買をめぐるトラブルで、仲介の弁護士と不動産屋が殺害される。事件の蔭に暗躍する謎の女。法律を盾に、虚々実々の駆け引きに辣腕を揮いながら、甘い利権に群がる地面師。専門知識を活かして、民事裁判の実態をえぐる、法廷ミステリの傑作。
                                                                                                          (「内容紹介」より)

                                                                                                          第17回(1971年)

                                                                                                          該当作なし

                                                                                                            第16回(1970年)

                                                                                                            大谷羊太郎 : 殺意の演奏
                                                                                                            • 再読度 ☆:読後感 ☆☆

                                                                                                            第15回(1969年)

                                                                                                            森村誠一 : 高層の死角

                                                                                                              大ホテルの社長が、外扉・内扉ともに施錠された二重の密室で殺害された。捜査陣は、美人社長秘書を容疑者と見なすが、彼女には事件の捜査員・平賀刑事と一夜を過ごしていたという完璧なアリバイがあり!?
                                                                                                              (「内容紹介」より)

                                                                                                              第14回(1968年)

                                                                                                              該当作なし

                                                                                                                第13回(1967年)

                                                                                                                海渡英祐 : 伯林-一八八八年

                                                                                                                  ドイツ娘との恋に煩悶する留学中の医学生・森鴎外が伯爵殺害事件に遭遇、究明に乗り出す。事件の背後には鉄血宰相ビスマルクが!?
                                                                                                                  (「BOOK」データベースより)

                                                                                                                  第12回(1966年)

                                                                                                                  斎藤栄 : 殺人の棋譜

                                                                                                                    将棋界の俊鋭・河辺真吾八段の愛娘が誘拐された。「身代金1000万円を軽飛行機から投下せよ」というのが、犯人の要求であった。折りしも河辺八段は、将棋最高位を賭けて不敗の名人と対局しなければならなかった。犯人追求の行方と勝敗の帰趨が絡み、異常なスリルを醸す、第12回江戸川乱歩賞受賞作。
                                                                                                                    (「内容紹介」より)

                                                                                                                    第11回(1965年)

                                                                                                                    西村京太郎 : 天使の傷痕

                                                                                                                      武蔵野の雑木林でデート中の男女が殺人事件に遭遇。瀕死の被害者は「テン」と呟いて息を引き取った。意味不明の「テン」とは何を指すのか。デート中、事件を直接目撃した田島は、新聞記者らしい関心から周辺を洗う。「テン」は天使と分かったが、事件の背後には予想もしない暗闇が広がっていた。第11回江戸川乱歩賞受賞作。
                                                                                                                      (「内容紹介」より)

                                                                                                                      第10回(1964年)

                                                                                                                      西東登 : 蟻の木の下で

                                                                                                                        井之頭公園内にある羆(ひぐま)の檻の前で、羆の爪痕を遺す男の死体が発見された。死体の傍には、新興宗教・正聖会のバッジが落ちていた。死者の戦友だった町工場の社長・池見は、週刊誌記者・鹿子の協力を得て、事件の核心に迫る。が、事件は第二、第三の殺人事件へと発展、謎は深まる。本格謎解きに、戦争犯罪を絡ませた異色ミステリー。江戸川乱歩賞受賞作。
                                                                                                                        (「内容紹介」より)

                                                                                                                        第9回(1963年)

                                                                                                                        藤村正太 : 孤独なアスファルト

                                                                                                                          玉川上水で、日東グラスウールの常務・郷司が殺害された。転職のことが原因で郷司と対立していた、東北出身の田代少年が疑われる。田代は内気で言葉の訛をからかわれるのがいやで、職場でも孤立している青年だった。後日発見された凶器の紙バンドも田代の工場の物とわかり、彼への容疑は深まる。寄る辺ない青年の孤独を描く傑作推理。第9回江戸川乱歩賞受賞作。
                                                                                                                          (「内容紹介」より)

                                                                                                                          第8回(1962年)

                                                                                                                          佐賀潜 : 華やかな死体

                                                                                                                            真夜中の散歩道、背後(せなか)に視線――白菊と曼珠沙華に飾られた、大手食品会社社長の死体が発見された。巨額の遺産めあてか、会社の権力争いの果てか……。美貌の未亡人と元社長秘書の間に、情事の匂いをかぎとった少壮検事・城戸。老獪な弁護士との、知力の限りを尽す熾烈な闘いが始まった。検事出身の弁護士であった著者ならではの迫力で描く、江戸川乱歩賞受賞作。
                                                                                                                            (「内容紹介」より)

                                                                                                                            第8回(1962年)

                                                                                                                            戸川昌子 : 大いなる幻影

                                                                                                                              孤独な老嬢たちが住む女子アパート。突如始まったアパート移動工事と同時に奇怪な事件が続発。老嬢たちの過去も次第に暴かれていく。
                                                                                                                              (「BOOK」データベースより)

                                                                                                                              第7回(1961年)

                                                                                                                              陳舜臣 : 枯草の根

                                                                                                                                華僑の大富豪が神戸を訪ねた直後に、中国人高利貸しが殺された! 陶展文が見事な推理で解決する「枯草の根」。ほかに短編「王者の財宝」、単行本未収録の3短編からなる名探偵シリーズ傑作集。
                                                                                                                                (「内容紹介」より)

                                                                                                                                第6回(1960年)

                                                                                                                                該当作なし

                                                                                                                                  第5回(1959年)

                                                                                                                                  新章文子 : 危険な関係

                                                                                                                                    大学生・世良高行のまわりに、奇怪な出来事が続いた。常用する薬のなかに毒薬、出生の秘密と暗い末路を予言する手紙、父の突然の死と、全財産を彼だけに譲るという父の遺言状。謎の中、再び伸びた魔手を脱した高行は、関係者をそろえ、犯人糾明のため偽装自殺を試みたのだが……。殺人者の心理、青春のおごりをきめこまかい文章でみごとに描いた、江戸川乱歩賞受賞作。
                                                                                                                                    (「内容紹介」より)

                                                                                                                                    第4回(1958年)

                                                                                                                                    多岐川恭 : 濡れた心

                                                                                                                                      女子高生の純粋な同性愛を阻む悪意、そして少女らをあざ笑うかのように重くのしかかる殺人事件。その裏には、いかなる悪魔的意思がひそんでいるのか…? 日記や手記を取り入れた斬新な構成が人間関係や動機を際立たせる文学的探偵小説。澄明な美文で清らかな同性愛をうたいあげ、江戸川乱歩賞に輝いた名作が電子書籍で復刊。
                                                                                                                                      (「内容紹介」より)

                                                                                                                                      第3回(1957年)

                                                                                                                                      仁木悦子 : 猫は知っていた

                                                                                                                                        時は昭和、植物学専攻の兄・雄太郎と、音大生の妹・悦子が引っ越した下宿先の医院で起こる連続殺人事件。現場に出没するかわいい黒猫は、何を見た?ひとクセある住人たちを相手に、推理マニアの凸凹兄妹探偵が、事件の真相に迫ることに―。鮮やかな謎解きとユーモラスな語り口で一大ミステリブームを巻き起こし、ベストセラーになった江戸川乱歩賞受賞作が、装いも新たに登場。
                                                                                                                                        (「内容紹介」より)

                                                                                                                                        第2回(1956年)

                                                                                                                                        早川書房 : 「ポケット・ミステリ」の出版

                                                                                                                                          第1回(1955年)

                                                                                                                                          中島河太郎 : 探偵小説辞典

                                                                                                                                            江戸川乱歩、横溝正史、クイーン、クリスティらの内外作家の紹介や、『心理試験』『緋色の研究』『オランダ靴の秘密』などの名作案内など、探偵小説に関する、作家、作品、著書、術語等の用語解説をした項目別辞典。配列は50音順。
                                                                                                                                            (「BOOK」データベースより)