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大谷羊太郎 「殺意の演奏」の感想です。

大谷羊太郎「殺意の演奏」☆☆

殺意の演奏

芸能ショーの人気司会者・杉山重一が大阪の自室で死体となって発見された。

内側から鍵が掛けられた密室の中で、死因はガス中毒、机の上にはウイスキーと睡眠薬があり、更に部屋には遺書とも思われる暗号で書かれた日記が残されていた。

暗号を解読した警察は杉山の死を自殺と断定し、捜査は打ち切られた。

それから10年の後、兄の死に不信感を抱く重一の弟・真二は、恋人で推理小説マニアの高岡妙子と、兄の死体を発見した重一の高校時代の同級生・村田の協力を得て、重一の死の真相を探ろうと調査を始めるが・・・。


昭和45年度(第16回)の江戸川乱歩賞受賞作です。

色々な解釈ができる作品ですが、管理人としてはもっとハッキリとした形で結末を書いて欲しかった。

ミステリィを読む時に流されるように物語を追う管理人には、自分自身で結論を出すような作品は今ひとつ乗り切れない。

色々な事が次々と展開されていく運びは良いけど、最後の最後でアッと驚くような仕掛けがあればもっと良かったと思います。

平均的な面白さはあっても、江戸川乱歩賞受賞作に期待する程ではなかったかな、というのが正直な気持ちです。