スーザン・エリザベス・フィリップス「まだ見ぬ恋人」☆☆
昔から何をやっても思った通りにならず、自分に自信が持てない女性アナベル・グレンジャーは、亡き祖母が経営していた小さな結婚相談所を引き継いだ。
祖母は老人相手の結婚仲介をしていたが、アナベルは対象をVIP専門に変えてみたが、顧客は集まらない。
今度こそ成功して見せると意気込むアナベルが、友人モリーに紹介してもらった最初の顧客はアメフト界の大物エージェントで仕事中毒人間のヒース・チャンピオン。
貧しい家庭に生まれながらも、持って生まれた才覚を生かして今や超一流のエージェントとなったヒースは、優しく安らぎをもたらしてくれる上流階級出身の優雅な妻を求めていた。
大切なフットボールチーム関係者からの紹介で、仕方なくアナベルに会うことにしたヒースは、実は相手探しは実績のある結婚仲介業者に依頼済みで、仲介業を始めたばかりのアナベルの事は信用していない。
それでもアナベルはヒースに似合いそうな女性を次々と紹介していくが、ヒースの基準は厳しくアナベルの思った通りには運ばない。
しかしアナベルの人を見る目が確かなことに気がついたヒースは、アナベルに見合いの現場に同席してアドバイスをして欲しいと頼み込む。
初めはギクシャクしていた二人だったが、一緒に結婚相手を探しているうちにお互いが気になりだして・・・。
頭は切れるし人も良いけど、どこか天然ボケ風のアナベルが、ヒースの見合いの世話をしているうちに魅力的な女性に変貌していくのが楽しい。
それにしてもアナベルのような魅力的な女性がヒースに出会うまで埋もれていたと言うのが不思議ですね。
うわべだけの理想の妻探しを続ける仕事中毒人間の男が、いつしか真実の愛に目覚めていく姿を描いたユーモラスなロマンス小説です。
「シカゴ・スターズ」シリーズ。
- 「あなただけ見つめて」
- 「ロマンティック・ヘヴン」
- 「あなたがいたから」
- 「あの夢の果てに」
- 「湖に映る影」
- 「まだ見ぬ恋人」(本書)
- 「いつか見た夢を」