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吉川英治文学新人賞を受賞した作品の一覧です。

吉川英治文学新人賞受賞作

吉川英治文学新人賞は財団法人吉川英治国民文化振興会が主催する文学賞です。新人賞となっていますが、実際には殆ど中堅作家が受賞しています。ベテラン作家中心の吉川英治文学賞との違い(選考基準)が今ひとつ分かりづらい気がします。

以下は受賞作です。

第45回(2024年)

藤岡陽子 : リラの花咲くけものみち

    動物たちが、「生きること」を教えてくれた。 家庭環境に悩み心に傷を負った聡里は、祖母とペットに支えられて獣医師を目指し、北海道の獣医学大学へ進学し、自らの「居場所」を見つけていくことに――北海道の地で、自らの人生を変えてゆく少女の姿を描いた感動作。

    第44回(2023年)

    蝉谷めぐ実 : おんなの女房

      ときは文政、ところは江戸。武家の娘・志乃は、歌舞伎を知らないままに役者のもとへ嫁ぐ。夫となった喜多村燕弥は、江戸三座のひとつ、森田座で評判の女形。家でも女としてふるまう、女よりも美しい燕弥を前に、志乃は尻を落ち着ける場所がわからない。私はなぜこの人に求められたのか――。芝居にすべてを注ぐ燕弥の隣で、志乃はわが身の、そして燕弥との生き方に思いをめぐらす。女房とは、女とは、己とはいったい何なのか。いびつな夫婦の、唯一無二の恋物語が幕を開ける。
      (「内容紹介」より)

      第43回(2022年)

      小田雅久仁 : 残月記
      • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆☆

      近未来の日本、悪名高き独裁政治下。世を震撼させている感染症「月昂」に冒された男の宿命と、その傍らでひっそりと生きる女との一途な愛を描ききった表題作ほか、二作収録。 「月」をモチーフに、著者の底知れぬ想像力が構築した異世界。足を踏み入れたら最後、イメージの渦に呑み込まれ、もう現実には戻れない――。最も新刊が待たれた作家、飛躍の一作!
      (「内容紹介」より)

      第43回(2022年)

      一穂ミチ : スモールワールズ

        夫婦円満を装う主婦と、家庭に恵まれない少年。「秘密」を抱えて出戻ってきた姉とふたたび暮らす高校生の弟。初孫の誕生に喜ぶ祖母と娘家族。人知れず手紙を交わしつづける男と女。向き合うことができなかった父と子。大切なことを言えないまま別れてしまった先輩と後輩。誰かの悲しみに寄り添いながら、愛おしい喜怒哀楽を描き尽くす連作集。
        (「内容紹介」より)

        第42回(2021年)

        武田綾乃 : 愛されなくても別に

          遊ぶ時間? そんなのない。遊ぶ金? そんなの、もっとない。学費のため、家に月八万を入れるため、日夜バイトに明け暮れる大学生・宮田陽彩。浪費家の母を抱え、友達もおらず、ただひたすら精神をすり減らす――そんな宮田の日常は、傍若無人な同級生・江永雅と出会ったことで一変する!愛情は、すべてを帳消しにできる魔法なんかじゃない――。息詰まる「現代」に風穴を開ける、「響け! ユーフォニアム」シリーズ著者の会心作!
          (「内容紹介」より)

          第42回(2021年)

          加藤シゲアキ : オルタネート

            高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」が必須となった現代。東京のとある高校を舞台に、若者たちの運命が、鮮やかに加速していく。全国配信の料理コンテストで巻き起こった〈悲劇〉の後遺症に思い悩む蓉(いるる)。母との軋轢により、〈絶対真実の愛〉を求め続ける「オルタネート」信奉者の凪津(なづ)。高校を中退し、〈亡霊の街〉から逃れるように、音楽家の集うシェアハウスへと潜り込んだ尚志(なおし)。恋とは、友情とは、家族とは。そして、人と“繋がる"とは何か。デジタルな世界と未分化な感情が織りなす物語の果てに、三人を待ち受ける未来とは一体――。“あの頃"の煌めき、そして新たな旅立ちを端正かつエモーショナルな筆致で紡ぐ、新時代の青春小説。
            (「内容紹介」より)

            第41回(2020年)

            呉勝浩 : スワン

              ショッピングモール「スワン」で無差別銃撃事件が発生した。死傷者40名に迫る大惨事を生き延びた高校生のいずみは、同じ事件の被害者で同級生の小梢から、保身のために人質を見捨てたことを暴露される。被害者から一転して非難の的になったいずみのもとに、ある日一通の招待状が届いた。5人の事件関係者が集められた「お茶会」の目的は、残された謎の解明だというが……。文学賞2冠を果たした、慟哭必至のミステリ。
              (「内容紹介」より)

              第41回(2020年)

              今村翔吾 : 八本目の槍

                秀吉の配下となった八人の若者。武勲を上げた七人は「賎ケ岳の七本槍」とよばれるようになる。「出世」だけを願う者、「愛」だけを欲する者、「裏切り」だけを求められる者―。己の望みに正直な男たちは、迷いながらも、別々の道を進んだ。残りのひとりは、時代に抗い、関ケ原で散る。この小説を読み終えたとき、その男、石田三成のことを、あなたは好きになるだろう。共に生き、戦った「賎ケ岳の七本槍」だけが知る石田三成の本当の姿。そこに「戦国」の答えがある!
                (「BOOK」データベースより)

                第40回(2019年)

                塩田武士 : 歪んだ波紋

                  地方紙記者の沢村は、調査報道チームのデスクから一枚の写真を見せられる。同僚記者が、ひき逃げ事件の犯行車両とスクープしたものだ。「この車、遺族宅にあるらしい」。沢村は取材へ急行する。犯人は家族なのか――(「黒い依頼」)。「誤報」を通じて現代社会の虚と実に迫る、著者会心の傑作。
                  (「内容紹介」より)

                  第39回(2018年)

                  佐藤究 : Ank: a mirroring ape

                    2026年、京都で大暴動が起きる。「京都暴動=キョート・ライオット」だ。人々は自分の目の前にいる人間を殺し合い、未曽有の大惨劇が繰り広げられた。事件の発端になったのは、「鏡=アンク」という名のたった1頭のチンパンジーだった。霊長類研究施設に勤める研究者・鈴木望は、世界に広がらんとする災厄にたった1人で立ち向かった……。
                    (「内容紹介」より)

                    第38回(2017年)

                    宮内悠介 : 彼女がエスパーだったころ

                      百匹目の猿、エスパー、オーギトミー、代替医療…人類の叡智=科学では捉えきれない「超常現象」を通して、人間は「再発見」される―。202X年の世界的人気作家、最新作!
                      (「BOOK」データベースより)

                      第38回(2017年)

                      本城雅人 : ミッドナイト・ジャーナル

                        「被害者女児死亡」―世紀の大誤報を打ち、飛ばされた3人の記者。7年後、児童連続誘拐事件が発生する。さいたま支局の関口豪太郎はかつての事件との関連性を疑い、本社の遊軍記者・藤瀬祐里は豪太郎の応援に合流し、整理部員となった松本博史は冷めた目で静観する。警察も、目撃者も、記者も上司も嘘をつく。しかし豪太郎は、絶対に諦めない。記者歴20年の著者が書き下ろす感動の社会派エンタメ!!
                        (「BOOK」データベースより)

                        第37回(2016年)

                        薬丸岳 : Aではない君と
                        • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆☆

                        同級生の殺人容疑で逮捕された14歳の息子。だが弁護士に何も話さない。真相は。親子は少年審判の日を迎える。吉川文学新人賞受賞作
                        (「内容紹介」より)

                        第36回(2015年)

                        西條奈加 : まるまるの毬
                        • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆☆

                        親子三代で菓子を商う「南星屋」は、 売り切れご免の繁盛店。武家の身分を捨て、職人となった治兵衛を主に、出戻り娘のお永と一粒種の看板娘、お君が切り盛りするこの店には、他人に言えぬ秘密があった。愛嬌があふれ、揺るぎない人の心の温かさを描いた、読み味絶品の時代小説。
                        (「内容紹介」より)

                        第35回(2014年)

                        和田竜 : 村上海賊の娘

                          和睦が崩れ、信長に攻められる大坂本願寺。毛利は海路からの支援を乞われるが、成否は「海賊王」と呼ばれた村上武吉の帰趨にかかっていた。折しも、娘の景は上乗りで難波へむかう。家の存続を占って寝返りも辞さない緊張の続くなか、度肝を抜く戦いの幕が切って落とされる! 第一次木津川合戦の史実に基づく一大巨篇。
                          (「内容紹介」より)

                          第34回(2013年)

                          伊東潤 : 國を蹴った男

                            信玄や信長、秀吉は天下に手を伸ばした名将でありながら、ときに義を忘れ欲から逃れられずに生涯を閉じた。一方で、彼らに翻弄されつつも恩を重んじ、自らの信念を貫き通した者たちがいた。明日なき乱世で、誇り高き牢人、茶人、職人らが命を賭して挑む、それぞれの戦いを活写する。吉川英治文学新人賞受賞作。
                            (「BOOK」データベースより)

                            第34回(2013年)

                            月村了衛 : 機龍警察 暗黒市場
                            • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆☆

                            警視庁との契約を解除されたユーリ・オズノフ元警部は、旧知のロシアン・マフィアと組んで武器密売に手を染める。一方、市場に流出した新型機甲兵装が〈龍機兵〉の同型機ではとの疑念を抱く沖津特捜部長は、ブラックマーケット壊滅作戦に着手した。ロシアの歴史と腐敗が生んだ最悪の犯罪社会に特捜部はどう立ち向かうのか。吉川英治文学新人賞に輝く世界標準の大河警察小説。警察官の魂の遍歴を描く、白熱と興奮の第3弾。
                            (「内容紹介」より)

                            第33回(2012年)

                            西村健 : 地の底のヤマ

                              昭和三十八年。福岡県の三池炭鉱で大規模な爆発事故が起きた夜に、一人の警察官が殺された。その息子・猿渡鉄男は、やがて父と同じく地元の警察官となり、事件の行方を追い始める。労働争議や炭塵爆発事故の下、懸命に生きる三池の人々と、「戦後の昭和」ならではの事件を描いた、社会派大河ミステリー。
                              (「内容紹介」より)

                              第32回(2011年)

                              辻村深月 : ツナグ
                              • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆

                              一度だけ、逝った人との再会を叶えてくれるとしたら、何を伝えますか――。死者と生者の邂逅がもたらす奇跡。心に染み入る感動の連作長編小説。
                              (「内容紹介」より)

                              第31回(2010年)

                              池井戸潤 : 鉄の骨
                              • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆

                              談合。謎の日本的システムを問う感動大作! 建設現場から“花の談合課”へ。若きゼネコンマン富島平太は、会社倒産の危機に役立てるか。大物フィクサーとの出会いの真相は――この一番札だけは、譲れない。
                              (「BOOK」データベースより)

                              第31回(2010年)

                              冲方丁 : 天地明察
                              • 再読度 ☆:読後感 ☆☆

                              江戸、四代将軍家綱の御代。ある「プロジェクト」が立ちあがった。即ち、日本独自の太陰暦を作り上げること--日本文化を変えた大いなる計画を、個の成長物語としてみずみずしくも重厚に描く傑作時代小説!!
                              (「内容紹介」より)

                              第30回(2009年)

                              朝倉かすみ : 田村はまだか

                                深夜のバー。小学校のクラス会三次会。男女五人が、大雪で列車が遅れてクラス会に間に合わなかった同級生「田村」を待つ。各人の脳裏に浮かぶのは、過去に触れ合った印象深き人物たちのこと。それにつけても田村はまだか。来いよ、田村。そしてラストには怒涛の感動が待ち受ける。’09年、第30回吉川英治文学新人賞受賞作。傑作短編「おまえ、井上鏡子だろう」を特別収録。
                                (「BOOK」データベースより)

                                第30回(2009年)

                                柳広司 : ジョーカー・ゲーム
                                • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆

                                結城中佐の発案で陸軍内に極秘裏に設立されたスパイ養成学校“D機関"。「死ぬな、殺すな、とらわれるな」。この戒律を若き精鋭達に叩き込み、軍隊組織の信条を真っ向から否定する“D機関"の存在は、当然、猛反発を招いた。だが、頭脳明晰、実行力でも群を抜く結城は、魔術師の如き手さばきで諜報戦の成果を上げてゆく......。東京、横浜、上海、ロンドンで繰り広げられる、究極のスパイ・ミステリー。
                                (「内容紹介」より)

                                第29回(2008年)

                                佐藤亜紀 : ミノタウロス

                                  帝政ロシア崩壊直後の、ウクライナ地方、ミハイロフカ。成り上がり地主の小倅(こせがれ)、ヴァシリ・ペトローヴィチは、人を殺して故郷を蹴り出て、同じような流れ者たちと悪の限りを尽くしながら狂奔する。発表されるやいなや嵐のような賞賛を巻き起こしたピカレスクロマンの傑作。第29回吉川英治文学新人賞受賞。
                                  (「BOOK」データベースより)

                                  第28回(2007年)

                                  佐藤多佳子 : 一瞬の風になれ
                                  • 再読度 ☆☆☆:読後感 ☆☆☆

                                  春野台高校陸上部、1年、神谷新二。スポーツ・テストで感じたあの疾走感……ただ、走りたい。天才的なスプリンター、幼なじみの連と入ったこの部活。すげえ走りを俺にもいつか。デビュー戦はもうすぐだ。「おまえらが競うようになったら、ウチはすげえチームになるよ」。青春陸上小説、第一部、スタート!
                                  (「内容紹介」より)

                                  第27回(2006年)

                                  今野敏 : 隠蔽捜査
                                  • 再読度 ☆☆☆:読後感 ☆☆☆

                                  警察庁長官官房総務課長の竜崎伸也は東大法学部卒のエリート・キャリアで、警察のマスコミ対策を一手に担っている。ある日、過去に重大な殺人事件を起こしながら、犯行当時未成年だったために重罰とされなかった暴力団員とその共犯者が殺害された。司法の代わりに刑を執行したような事件にマスコミは沸き立ち、竜崎もコメントを求められる。しかし事件の犯人として現職警察官が浮かび上がると、警察上層部はその事実をもみ消そうと工作を始め、情報を公開すべきだと主張する竜崎と対立する。そんな中、竜崎は息子・邦彦が薬物を使用していることを知って自分の進退に悩む。果たして竜崎はこの事態をどう収めていくのか・・・。第27回吉川英治文学新人賞受賞の警察小説の傑作。

                                  第26回(2005年)

                                  恩田陸 : 夜のピクニック
                                  • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆☆

                                  朝8時から翌朝8時まで24時間かけて行われる「歩行祭」は北高の年に一度の伝統行事だった。全校生徒が80キロのコースをひたすら歩くという地味なイベントだが、自分を見つめ直し友人たちとの絆を深める良い機会になる。そんなイベントを前に3年生の甲田貴子は最後の歩行祭である事をしようか迷っていた。高校生たちの友情や恋、悩みなどを素直なタッチで描いた、吉川英治文学新人賞と本屋大賞を受賞した青春小説。

                                  第26回(2005年)

                                  瀬尾まいこ : 幸福な食卓

                                    切なさの分だけ家族は確かにつながっていく佐和子の家族はちょっとヘン。父をやめると宣言した父、家出中の母、秀才の兄。この家族と佐和子の恋を切なく温かい筆致で描き、映画化でも話題となった感動作。
                                    (「BOOK」データベースより)

                                    第25回(2004年)

                                    伊坂幸太郎 : アヒルと鴨のコインロッカー

                                      引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は――たった1冊の広辞苑!? そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ! 清冽な余韻を残す傑作ミステリ。
                                      (「内容紹介」より)

                                      第25回(2004年)

                                      垣根涼介 : ワイルド・ソウル

                                        その地に着いた時から、地獄が始まった――。1961年、日本政府の募集でブラジルに渡った衛藤。だが入植地は密林で、移民らは病で次々と命を落とした。絶望と貧困の長い放浪生活の末、身を立てた衛藤はかつての入植地に戻る。そこには仲間の幼い息子、ケイが一人残されていた。そして現代の東京。ケイと仲間たちは、政府の裏切りへの復讐計画を実行に移す! 歴史の闇を暴く傑作小説。
                                        (「内容紹介」より)

                                        第24回(2003年)

                                        福井晴敏 : 終戦のローレライ

                                          昭和20年、日本が滅亡に瀕していた夏。崩壊したナチスドイツからもたらされた戦利潜水艦・伊507が、男たちの、国家の運命をねじ曲げてゆく。五島列島沖に沈む特殊兵器・ローレライとはなにか。終戦という歴史の分岐点を駆け抜けた魂の記録が、この国の現在を問い直す。
                                          (「内容紹介」より)

                                          第24回(2003年)

                                          諸田玲子 : 其の一日

                                            安政七年三月三日、井伊家の密偵・可寿江は水戸浪士の不穏な動きを察知し、主君でかつて恋人でもあった直弼に通報しようとするが。「桜田門外の変」「箕輪心中」などの事件を題材に、江戸市中で懸命に生きる人々の、運命を変えた一日を描いた時代小説短編集。全四編を収録。第二十四回吉川英治文学新人賞受賞作。
                                            (「BOOK」データベースより)

                                            第23回(2002年)

                                            大崎善生 : パイロットフィッシュ

                                              人は、一度巡りあった人と二度と別れることはできない―。午前二時、アダルト雑誌の編集部に勤める山崎のもとにかかってきた一本の電話。受話器の向こうから聞こえてきたのは、十九年ぶりに聞く由希子の声だった…。記憶の湖の底から浮かび上がる彼女との日々、世話になったバーのマスターやかつての上司だった編集長の沢井、同僚らの印象的な姿、言葉。現在と過去を交錯させながら、出会いと別れのせつなさと、人間が生み出す感情の永遠を、透明感あふれる文体で繊細に綴った、至高のロングセラー青春小説。吉川英治文学新人賞受賞作。
                                              (「BOOK」データベースより)

                                              第22回(2001年)

                                              野沢尚 : 深紅

                                                父と母、幼い二人の弟の遺体は顔を砕かれていた。秋葉家を襲った一家惨殺事件。修学旅行でひとり生き残った奏子は、癒しがたい傷を負ったまま大学生に成長する。父に恨みを抱きハンマーを振るった加害者にも同じ年の娘がいたことを知る。正体を隠し、奏子は彼女に会うが!?吉川英治文学新人賞受賞の衝撃作。
                                                (「BOOK」データベースより)

                                                第21回(2000年)

                                                宇江佐真理 : 深川恋物語

                                                  大店のお嬢さんが、お仕着せの人生を捨て、真に愛する人と共に生きようとする姿が清清しい「下駄屋おけい」。互いを想う気持ちがすれ違っていく夫婦の、やりきれなさが胸に迫る「さびしい水音」。交錯する恋心に翻弄されていく男女四人の哀しみが描かれる「仙台堀」など、江戸・深川を舞台に繰りひろげられる、六つの切ない恋物語。第21回吉川英治文学新人賞受賞作。
                                                  (「BOOK」データベースより)

                                                  第20回(1999年)

                                                  山本文緒 : 恋愛中毒

                                                    もう神様にお願いするのはやめよう。―どうか、どうか、私。これから先の人生、他人を愛しすぎないように。他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛するように。哀しい祈りを貫きとおそうとする水無月。彼女の堅く閉ざされた心に、小説家創路は強引に踏み込んできた。人を愛することがなければこれほど苦しむ事もなかったのに。世界の一部にすぎないはずの恋が私のすべてをしばりつけるのはどうしてなんだろう。吉川英治文学新人賞を受賞した恋愛小説の最高傑作。
                                                    (「BOOK」データベースより)

                                                    第19回(1998年)

                                                    花村萬月 : 皆月

                                                      諏訪徳雄は、コンピュータおたくの四十男。ある日突然、妻の沙夜子がコツコツ貯めた一千万円の貯金とともに蒸発してしまった。人生に躓き挫折した夫、妻も仕事も金も希望も、すべて失った中年男を救うのは、ヤクザ者の義弟とソープ嬢!?胸を打ち、魂を震わせる「再生」の物語。吉川英治文学新人賞受賞作品。
                                                      (「BOOK」データベースより)

                                                      第18回(1997年)

                                                      服部真澄 : 鷲の驕り

                                                        「発明家クレイソンを調査してほしい」在米のコンピュータ・セキュリティの専門家笹生勁史に、通産省から極秘依頼があった。クレイソンは日本企業に訴訟を起こし、巨万の富を得ているという。問題は、米国の「特許法」の特異性にあった。先端技術の特許を牛耳る米国に、日本、そして正体不明の産業スパイ、マフィア、ハッカーが暗躍、手に汗握る国際サスペンス巨編。
                                                        (「BOOK」データベースより)

                                                        第18回(1997年)

                                                        馳星周 : 不夜城

                                                          アジア屈指の歓楽街・新宿歌舞伎町の中国人黒社会を器用に生き抜く劉健一。だが、上海マフィアのボスの片腕を殺し逃亡していたかつての相棒・呉富春が町に戻り、事態は変わった――。
                                                          (「内容紹介」より)

                                                          第17回(1996年)

                                                          真保裕一 : ホワイトアウト

                                                            日本最大の貯水量を誇るダムが、武装グループに占拠された。職員、ふもとの住民を人質に、要求は50億円。残された時間は24時間! 荒れ狂う吹雪をついて、ひとりの男が敢然と立ち上がる。同僚と、かつて自分の過失で亡くした友の婚約者を救うために――。圧倒的な描写力、緊迫感あふれるストーリー展開で話題をさらった、アクション・サスペンスの最高峰。吉川英治文学新人賞受賞。
                                                            (「内容紹介」より)

                                                            第17回(1996年)

                                                            鈴木光司 : らせん

                                                              幼い息子を海で亡くした監察医の安藤は、謎の死を遂げた友人・高山竜司の解剖を担当した。冠動脈から正体不明の肉腫が発見され、遺体からはみ出た新聞紙に書かれた数字は、ある言葉を暗示していた。…「リング」とは?死因を追う安藤が、ついに到達する真理。それは人類進化の扉か、破滅への階段なのか。史上かつてないストーリーと圧倒的リアリティで、今世紀最高のカルトホラーとしてセンセーションを巻き起こしたベストセラー、待望の文庫化。
                                                              (「BOOK」データベースより)

                                                              第16回(1995年)

                                                              浅田次郎 : 地下鉄に乗って
                                                              • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆

                                                              永田町の地下鉄駅の階段を上がると、そこは30年前の風景。ワンマンな父に反発し自殺した兄が現れた。さらに満州に出征する父を目撃し、また戦後闇市で精力的に商いに励む父に出会う。だが封印された“過去”に行ったため……。思わず涙がこぼれ落ちる感動の浅田ワールド。吉川英治文学新人賞に輝く名作。
                                                              (「BOOK」データベースより)

                                                              第16回(1995年)

                                                              小嵐九八郎 : 刑務所ものがたり

                                                                懲罰にも負けず、一日一合のドブロクを呑み、いつもニコニコ笑っている。私はこんな囚人になりたい。笑いと涙のレジスタンス小説。
                                                                (「BOOK」データベースより)

                                                                第15回(1994年)

                                                                東郷隆 : 大砲松

                                                                  神田和泉橋の五兵衛店(だな)に住む締出し松こと松三は、故あっての長屋暮らしだが贅沢三昧。実は大名家お出入りを許された槍屋「槍丹」の息子である。時は幕末、慶応4年、背中の傷(いれずみ)を見こまれて上野彰義隊へ入隊、大砲掛を仰せつけられたまではよかったが……。吉川英治文学新人賞受賞の破天荒な痛快時代小説。
                                                                  (「内容紹介」より)

                                                                  第15回(1994年)

                                                                  薄井ゆうじ : 樹の上の草魚

                                                                    ペニスのことなんて、いったい誰に相談すればいいんだ。僕は、男なのか女なのか。いや、そもそも僕はなんなのだろうか。アンドロジナスな主人公、そして登場人物の温かく細やかな心のゆらぎは、読む者の内面にやさしく触れ、本当の自分を気付かせてくれる。温かい感動をよぶ、吉川英治文学新人賞受賞作。
                                                                    (「BOOK」データベースより)

                                                                    第14回(1993年)

                                                                    帚木蓬生 : 三たびの海峡

                                                                      「一度目」は戦時下の強制連行だった。朝鮮から九州の炭鉱に送られた私は、口では言えぬ暴力と辱めを受け続けた。「二度目」は愛する日本女性との祖国への旅。地獄を後にした二人はささやかな幸福を噛みしめたのだが…。戦後半世紀を経た今、私は「三度目の海峡」を越えねばならなかった。“海峡”を渡り、強く成長する男の姿と、日韓史の深部を誠実に重ねて描く山本賞作家の本格長編。吉川英治文学新人賞受賞作品。
                                                                      (「BOOK」データベースより)

                                                                      第13回(1992年)

                                                                      中島らも : 今夜、すべてのバーで

                                                                        薄紫の香腺液の結晶を、澄んだ水に落とす。甘酸っぱく、すがすがしい香りがひろがり、それを一口ふくむと、口の中で冷たい玉がはじけるような……。アルコールにとりつかれた男・小島容(いるる)が往き来する、幻覚の世界と妙に覚めた日常そして周囲の個性的な人々を描いた傑作長篇小説。吉川英治文学新人賞受賞作。
                                                                        (「内容紹介」より)

                                                                        第13回(1992年)

                                                                        宮部みゆき : 本所深川ふしぎ草紙
                                                                        • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆

                                                                        近江屋藤兵衛が殺された。下手人は藤兵衛と折り合いの悪かった娘のお美津だという噂が流れたが…。幼い頃お美津に受けた恩義を忘れず、ほのかな思いを抱き続けた職人がことの真相を探る「片葉の芦」。お嬢さんの恋愛成就の願掛けに丑三つ参りを命ぜられた奉公人の娘おりんの出会った怪異の顛末「送り提灯」など深川七不思議を題材に下町人情の世界を描く7編。宮部ワールド時代小説篇。
                                                                        (「BOOK」データベースより)

                                                                        第12回(1991年)

                                                                        大沢在昌 : 新宿鮫
                                                                        • 再読度 ☆☆☆:読後感 ☆☆☆

                                                                        ただ独りで音もなく犯罪者に食らいつく――。「新宿鮫」と怖れられる新宿署刑事・鮫島(さめじま)。歌舞伎町を中心に、警官が連続して射殺された。犯人逮捕に躍起になる署員たちをよそに、鮫島は銃密造の天才・木津(きづ)を執拗に追う。突き止めた工房には、巧妙な罠が鮫島を待ち受けていた! 絶体絶命の危機を救うのは……。超人気シリーズの輝ける第1作!!
                                                                        (「内容紹介」より)

                                                                        第12回(1991年)

                                                                        伊集院静 : 乳房

                                                                          妻と病室の窓から眺めた満月、行方不明の弟を探しに漕ぎ出た海で見た無数のくらげ、高校生に成長した娘と再会して観た学生野球……せつなく心に残る光景と時間が清冽な文章で刻み込まれた小説集。表題作の他「くらげ」「残塁」「桃の宵橋」「クレープ」と名篇を収録し、話題を呼んだ直木賞作家の、魂の記念碑。
                                                                          (「内容紹介」より)

                                                                          第11回(1990年)

                                                                          小杉健治 : 土俵を走る殺意

                                                                            昭和42年夏場所で準優勝した大関・大龍は、横綱審議会の推挙の報を尻目に失踪する。次いで発表された横綱昇進辞退宣言。困惑する角界をよそに、大龍は死んだはずの父親の行方を必死に追っていた―。東京がまだ至るところ工事中だった20年前、濃好な下町情緒のなかで起った殺人事件にからめとられた大龍は、はたして再起できるのか…。東京オリンピック前後のレトロな風俗を織り込みつつ描く、人間味溢れる相撲ミステリー。
                                                                            (「BOOK」データベースより)

                                                                            第10回(1989年)

                                                                            椎名誠 : 犬の系譜

                                                                              私といっしょに世田谷から千葉の海べりの町に引っ越して来た初代パチ。2代目ジョンがいなくなり、父が死に、兄が結婚して母は陽気になった。モップみたいな3代目チヨが死んで、我が家の犬の系譜もとだえてしまった。家族の転変を3代の犬を軸にいきいきと描いた自伝的長編。吉川英治文学新人賞受賞。
                                                                              (「内容紹介」より)

                                                                              第10回(1989年)

                                                                              岡嶋二人 : 99%の誘拐

                                                                                末期ガンに冒された男が、病床で綴った手記を遺して生涯を終えた。そこには8年前、息子をさらわれた時の記憶が書かれていた。そして12年後、かつての事件に端を発する新たな誘拐が行われる。その犯行はコンピュータによって制御され、前代未聞の完全犯罪が幕を開ける。第10回吉川英治文学新人賞受賞作!
                                                                                (「内容紹介」より)

                                                                                第9回(1988年)

                                                                                清水義範 : 国語入試問題必勝法

                                                                                  ピントが外れている文章こそ正解! 問題を読まないでも答はわかる!? 国語が苦手な受験生に家庭教師が伝授する解答術は意表を突く秘技。国語教育と受験技術に対する鋭い諷刺を優しい心で包み、知的な爆笑を引き起こすアイデアにあふれたとてつもない小説集。吉川英治文学新人賞受賞作。
                                                                                  (「内容紹介」より)

                                                                                  第8回(1987年)

                                                                                  景山民夫 : 虎口からの脱出

                                                                                    時の昭和3年、所は奉天。一瞬の爆風とともに、張作霖暗殺さる。唯一の目撃者である少女、麗華を追って、関東軍が立ち上がる。奉天軍、そして国民党軍も動きはじめた…。上海まで1600キロ、期限は3日。日中全軍を敵にまわして、デューセンバーグが中国の大地をひた走る。脱出なるか?日本冒険小説の金字塔、ついに文庫化。日本冒険小説協会新人賞、吉川英治文学新人賞受賞作。
                                                                                    (「BOOK」データベースより)

                                                                                    第7回(1986年)

                                                                                    高橋克彦 : 総門谷

                                                                                      岩手県で1年間にわたり、UFOの目撃者が続出、そして奇怪な焼死体さえも! だが、このUFO騒動の裏は? 疑惑を抱く超能力者霧神顕たちは、怖るべきパワーの魔手と闘い、傷つきながらも、ついに魔の本拠・総門谷に潜入した。そこで目にした驚愕の光景とは? 構想15年を費したSF伝奇超大作。
                                                                                      (「内容紹介」より)

                                                                                      第6回(1985年)

                                                                                      船戸与一 : 山猫の夏

                                                                                        舞台は、ブラジル東北部の町エクルウ。アンドラーデ家とピーステルフェルト家が、互いに反目し合い、抗争が繰り返される血なまぐさい町に、山猫(オスロット)と呼ばれる一人の日本人・弓削一徳が現れる。ピーステルフェルト家から、ある依頼を受けた山猫。その依頼とは、敵対するアンドラーデ家の息子・フェルナンと駆け落ちした娘・カロリーナを捜し出し、生娘のまま連れ戻してほしいというものだった。ブラジル版ロミオとジュリエットに端を発した血塗られた追跡劇。両家の抗争の裏で動く莫大な金と大きな野望、捜索の中で出会う旧知の男と山猫との因縁の対決、そして最後に明かされる山猫の思惑と正体・・・手に汗握る怒濤の展開、読み出したら止まらない究極のエンターテイメント小説。
                                                                                        (「内容紹介」より)

                                                                                        第5回(1984年)

                                                                                        連城三紀彦 : 宵待草夜情

                                                                                          「さっき、棄てるっていったのは命のこと?―命の棄て場所を探してるってこと?」。友人を裏切り、人生を自堕落に過ごしている古宮の前に現れた女性・鈴子。彼女もまた、悲しい宿命を持った者だった。大正の東京を舞台とした、はかない男女の交歓を軸に描かれる表題作をはじめ、「能師の妻」「野辺の露」「花虐の賦」「未完の盛装」の全五篇を収録した傑作ミステリー集。
                                                                                          (「BOOK」データベースより)

                                                                                          第5回(1984年)

                                                                                          山口洋子 : プライベート・ライブ

                                                                                            奇矯な行動で知られるスターと結婚した女優の平晶子は、新婚早々から夫の奔放なふるまいに悩まされる。不貞、暴力、麻薬……。失望し、愛想づかしをはじめるのだが、一方で、世間に対して、妻の姿を演技してみせる自分自身に、いつしか酔ってゆく―。特異な男女関係のあやを濃厚に描く文芸秀作集。
                                                                                            (「BOOK」データベースより)

                                                                                            第4回(1983年)

                                                                                            赤瀬川隼 : 球は転々宇宙間

                                                                                              1980年代終わり、日本のプロ野球は3リーグ18チームの時代を迎えていた。原は横浜、江川は浦和、掛布は千葉へとそれぞれにトレードされていく。大都市集中ではない地元密着のチーム、それは日本の真の地方の時代の幕開きでもあった……。根っからの野球好きである著者が、自らの夢を託し、プロ野球の将来の発展を願って書いたこの処女作は、吉川英治文学新人賞を受賞し、野球ファンからも熱烈に歓迎された。いわば走者一掃の三塁打的後味さわやか近未来野球小説である。
                                                                                              (「内容紹介」より)

                                                                                              第4回(1983年)

                                                                                              北方謙三 : 眠りなき夜

                                                                                                やられたまま引きさがる男だとは思われたくない!同僚が殺人容疑の罠にハメられ、死んだ。大臣候補の黒い影。弁護士・谷の熱い血が目覚める。
                                                                                                (「内容紹介」より)

                                                                                                第3回(1982年)

                                                                                                澤田ふじ子 : 陸奥甲冑記 寂野

                                                                                                  桓武王朝期、統一国家への道を急ぐ天皇は、蝦夷征伐の勅を坂上田村麻呂に下した。部族の独立を守るために迎え撃つのは陸奥国の盟主・阿弖流為。知勇を尽くした長い戦いが始まったが、田村麻呂の慈悲深い同化政策の前に、戦いはしだいにその様相を変えてゆく…。歴史の闇に葬られた民に光をあてた長編小説。
                                                                                                  (「BOOK」データベースより)

                                                                                                  第2回(1981年)

                                                                                                  栗本薫 : 絃の聖域

                                                                                                    長唄の人間国宝の家元、安東家の邸内で女弟子が殺された。芸事に生きる親子、妾、師弟らが、三弦が響き愛憎渦巻くなかで同居している閉ざされた旧家。家庭教師に通っている青年、伊集院大介の前で繰り広げられる陰謀そして惨劇。その真相とは!?名探偵の誕生を高らかに告げた、栗本薫ミステリーの代表作。
                                                                                                    (「BOOK」データベースより)

                                                                                                    第2回(1981年)

                                                                                                    南原幹雄 : 闇と影の百年戦争

                                                                                                      天保期、薩摩藩士・志布志平太は、藩主・島津斉興から「豪商・大丸屋呉服店を探索せよ」との密命を受けた。大丸屋に関わりのある者が藩内に潜入を試みているらしい。八代将軍吉宗の庇護を受けて京に本拠をもち、江戸、大坂は勿論、全国に商圏を広げた大丸屋は、その勢力を薩摩藩まで伸ばそうとしていた。江戸へ上り、探索を開始した平太だが、貯木場に忍び込んだところを襲われる。敵は大丸屋の私兵組織だ…。
                                                                                                      (「BOOK」データベースより)

                                                                                                      第1回(1980年)

                                                                                                      加堂秀三 : 涸滝

                                                                                                        林義信は大阪府の山村生まれ。父・義次郎は、農業に失敗し、厄介者扱い同様で養鶏場に住み込んでいる。母の君江は若い男と出奔したまま行方不明。義信は、土地での生活を嫌い、役者・俳優への夢を抱いて、上京する。俳優養成所で知り合った平泉基子と同棲、愛欲に束の間の安らぎを求めるが、やがて俳優への道を失う。義信は地道な暮らしをめざし、父親を呼び寄せて、基子との三人暮らしを始めたのだが―。吉川英治文学新人賞受賞作品。
                                                                                                        (「BOOK」データベースより)

                                                                                                        第1回(1980年)

                                                                                                        田中光二 : 黄金の罠

                                                                                                          ソウル・漢江付近にあるホテルで郷一人はKCIAの巧妙な罠に陥った。ベッドの下に仕掛けられた古美術品の密輸容疑だったが、釈放条件として、奇妙な提案を受ける。北朝鮮に眠る新羅王朝の宝冠を奪取しろというのだ。やがて郷を含む特務工作隊四人は三十八度線を突破し、宝冠のある軍事要塞付近の洞穴をめざすが…。極限状況下における凄絶な決死行を活写する長編ハードアクション。
                                                                                                          (「BOOK」データベースより)