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垣根涼介「借金取りの王子」の感想です。

垣根涼介「借金取りの王子」☆☆☆

借金取りの王子

リストラ請負会社日本ヒューマンリアクト社員の村上真介が面接する様々な企業のリストラ対象者それぞれの人生模様を描くヒューマン・コメディ「君たちに明日はない」シリーズの第2作目になります。

「二億円の女」「女難の相」「借金取りの王子」「山里の娘」「人にやさしく」の5編を収録しています。

「二億円の女」は老舗デパートの外商営業部の稼ぎ頭の女性が、希望退職に応募して周囲を慌てさせる話。

「女難の相」は生保レディの使い方がヘタな生命保険会社社員の話。

「借金取りの王子」はサラ金業界で働く男性と元上司の女性との純愛が描かれた少しホロリと来る作品で、管理人はこのシリーズの中でも特に印象に残りました。

「山里の娘」は地方の温泉旅館の仕事が出来る人の転職話になっています。

「人にやさしく」は主人公・真介と8才年上の恋人・陽子の話になります。

全体的にリストラ、首切り、転職などにまつわる物語ですけど、全体的なトーンが暗くなくどことなく暖かい雰囲気があって、人生なんとかなるさと思わせてくれるようなシリーズになっています。

「借金取りの王子」シリーズ。

  1. 君たちに明日はない
  2. 「借金取りの王子」(本書)
  3. 張り込み姫
  4. 勝ち逃げの女王
  5. 迷子の王様