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アマンダ・クイック「虹色のランプの伝説」の感想です。

アマンダ・クイック「虹色のランプの伝説」☆☆

虹色のランプの伝説

故あって15歳の時にアメリカに渡り成功を収めた女性アデレイド・パインは、13年後にイギリスに戻って、社会改革者として貧しい女性のための救貧院を運営しながら、身寄りのない少女を食い物にしている娼館を襲撃して女性の社会復帰を助ける活動をしていた。

しかし彼女が襲っているのはロンドンの暗黒街を二分する大物ラットレルが経営している娼館。

このままでは早晩彼女の死体が川に浮かぶだろうと危惧した暗黒街のもう一人の顔役グリフィン・ウィンターズはアデレイドに面会を申し込む。

しかしグリフィンがアデレイドに近づいたのには、ドリームライトを使って超能力を制御する能力の持ち主アデレイドの協力を得るという別の目的があった。

古い錬金術士の家系に生まれたグリフィンは超能力を持っていたが、今新たに2つ目の超能力が目覚め始めていた。

しかし複数の超能力を持つ人間は超能力を制御することが出来なくなり、いつか狂気に侵されて死ぬと言う。

新しい超能力が目覚め始めたグリフィンは、それをコントロール出来る力を持つ女性アデレイドの助けを必要としていた。

このままでは狂気に侵され廃人になってしまうと言うグリフィンに協力することを約束したアデレイドだったが、アデレイドの能力を必要とする影が秘かに彼女を狙っていた。


超能力者の秘密組織アーケイン・ソサエティを舞台にしたヒストリカル・ロマンス・シリーズの4作目になります。

このシリーズはアーケイン・ソサエティの創始者の子孫ジョーンズ一族やその関係者が主人公になっている場合が多いのですが、この作品は創始者のライバルだったウィンターズ家の子孫が主人公です。

グリフィンはジェイン・アン・クレンツ名義で現代を舞台にして書かれたアーケイン・ソサエティ・シリーズ「夢を焦がす炎」の主人公ジャックの祖先にあたります。

シリーズとは言っても1作毎に読み切りになっていますので、この作品だけ読んでも問題ありませんが、「運命のオーラに包まれて」「オーロラ・ストーンに誘われて」「禁じられた秘薬を求めて」を先に読んでおくと話が早いかも・・・。

ある意味似たような登場人物が繰り広げるハッピー・エンドのワン・パターンですけど、どこか微妙にとぼけた味わいがあって、私はこの作家のこのシリーズは結構好きです。