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五十嵐貴久「可愛いベイビー」の感想です。

五十嵐貴久「可愛いベイビー」☆☆☆

可愛いベイビー

大企業銘和乳業の宣伝課長をしている「わたし」川村晶子は、売れっ子モデルを起用した新商品のTVコマーシャルの件などで超多忙な日々をおくっている。

14歳年下の彼氏・児島くんとの仲は順調だけど、二人の家族の中ではそれぞれ反対する声が強く、家族の反対を押し切ってまで結婚する気がない二人はなんとなくその件に触れないでいる。

しかしある日、契約社員の児島くんが突然リストラされ、生活費を節約するという事で「わたし」の家で一緒に暮らすことに・・・。

一人暮らしの気楽さに慣れていた「わたし」には少し不安もあったけど、一緒に暮らしてみると児島くんとは本当に相性が良いらしく、変に気遣いする事もなく安心出来る。

そうした中で児島くんの再就職問題と「わたし」の体調不良が相次いで・・・。


14歳年齢差のあるカップルの恋愛物語「年下の男の子」「ウエディングベル」の続編になります。

大企業の中間管理職のキャリア女性と14歳年下の男の子との恋愛ストーリーですが、短くも激しく燃え的な話ではなく、派手さはないけど身近な問題を中心にした、地に足がついた印象の作品です。

登場する人たちが基本は好人物ですし、「わたし」の仕事の話と「わたし」と児島くん、「わたし」と家族の話が描かれていて、それぞれの話が興味深い。

一応この作品でシリーズはめでたく完結します。

ハーレクイン風のロマンス小説と違って劇的な展開などはありませんけど、こういう作品も楽しいですね。

ただ晶子さんは自己評価と違って相当出来る人みたいだし、児島くんは若い割には出来すぎていますけどね。