テリー・ブルックス「シャナラの剣」☆☆
失われた力を取り戻しつつある闇の帝王に立ち向かえる唯一のものが「シャナラの剣」。
しかしそれを使えるのは、古のエルフ族の王の血を引く者だけだった。
ある日、片田舎で平穏な生活をおくる旅館の養子シェイの前に旅の賢者アラノンが現れ、シェイこそがエルフ王の末裔で闇の帝王を倒せる者だと告げる。
とても信じられないと思い悩みながらも、運命に導かれたシェイは仲間とともに旅に出る。
ユーモア・ファンタジィの人気シリーズ「ランド・オーヴァー」の作者のデビュー作で「指輪物語」風正統派冒険ファンタジィのこの作品は、幻の名作的な扱いを受けていたように記憶しています。
管理人も長い間読みたいと思っていた作品ですが、実際に読んでみるといささか拍子抜けという感じでした。
正直、前半はつらかったというか今ひとつでしたね。
ありふれた冒険ファンタジィ・・・というよりも充分に書き込んでいない作品といった感じがしました。
全体的に登場人物がのっぺりとした印象で、そんなにすごいファンタジィかなぁと思ってしまいます。
ただこれが後半になると、物語は佳境に入って俄然面白くなります。
全体的にはなかなか良く出来たファンタジィだとは思いますけど、「指輪物語」を継ぐ最大最高のファンタジーとまで言うのはどうでしょうかね?
普通に面白い冒険ファンタジィですけど、世界観や重厚さが「指輪物語」とはずいぶんと差があるように思いました。