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オースン・スコット・カード 「エンダーのゲーム」の感想です。

オースン・スコット・カード「エンダーのゲーム」☆☆☆

エンダーのゲーム

同名の短編小説(「無伴奏ソナタ」に所収)を長編化したヒューゴー賞受賞のSFです。

同じ世界観でSFシリーズ化され、続編となる「死者の代弁者」もヒューゴー賞を受賞していますが、徐々に思索的になる続編よりも「エンダーのゲーム」の方が比較的シンプルなSF小説という印象があります。


意地悪な兄ピーター、優しい姉バレンタインの弟で、兄と姉が天才だったために通常は認められない3人目の子どもとして誕生したアンドリュー(エンダー)・ウィッギンは兄姉と同様に天才児だった。

エンダーは6歳にして地球衛星軌道上に設置されたバトル・スクールに送られ、宇宙軍士官としての訓練を受けることになる。

今、人類はバガーという昆虫型のエイリアンと交戦の真っ只中にあったが、戦況は思わしくない。

バガーは人類と交渉する素振りもなく、出会うと直ぐに戦闘態勢に入る好戦的な種族で、この宿敵に対峙した人類は存亡の危機に瀕していた。


優秀な子供たちを集めて訓練を施すバトル・スクールでの少年エンダーの成長を描いた作品です。

一番の天才児でありながら、年下で有るが故に微妙ないじめに遭ったりしながらも、無重力での戦いやリーダーシップの取り方、バトルゲームを通じてのバガーとの戦闘などを、エンダーは他の年長の生徒たちに混じって学び、新しく斬新な発想でチームを率いていくようになります。

そして大人では対処が出来なかったバガーとの戦闘に赴く。

幾多のプレッシャーに遭いながらもそれに立ち向かい、大きく成長する少年を描いた名作SFです。