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カレン・ローズ「木の葉のように震えて」の感想です。

カレン・ローズ「木の葉のように震えて」☆☆

木の葉のように震えて

誰にも聞こえない」「闇に消える叫び」に続くロマンチック・サスペンス・シリーズの続編ですが、異常者によるサイコ・サスペンス風味の強かった「誰にも聞こえない」からすると、同じサスペンスでも随分と雰囲気が変わってしまいました。


連続殺人事件の捜査指揮を取る事になったルーク・パパドプロスは、この事件を追い続け銃弾を受けて入院治療中となったダニエル・ヴァータニアン捜査官の親友だった。

初めは殺人事件の捜査だったはずが、未成年誘拐と大規模な強制売春事件も絡んだ複雑な事件の様相を見せ始め、大掛かりな犯罪組織が関係しているかの様な展開になってきた。

全ての始まりはダットンで起こった13年前の殺人事件と、その事件の元となった少女たちの暴行事件だったが、町の裕福な少年グループが面白半分に行った事件と思われたものが、事件の背後には謎の黒幕が存在していた事が明らかになってくる。

そんな中でダニエルの妹で暴行事件の被害者の一人だったスザンナ・ヴァータニアンが、NYの検事補という地位を危険に晒しながら証人としてダットンを訪れる。

ルークはスザンナの協力を得て事件の解明に迫るが、全ての事件の真の黒幕はスザンナを密かに狙っていた。


3部作の最後の作品になりますが、徐々にロマンス色が薄れて、サスペンス色が強くなっています。

サスペンスとロマンスのバランスが取れているところがカレン・ローズ作品の良い所ですが、この作品はちょっとバランスが悪かったですね。

かと言ってNWA賞を取るような内容のミステリィでもなく、全体的に少し無理を感じます。

読んでいる時には素直に楽しめましたが、まぁもう少しロマンス小説らしい方が良かったとは思いました。