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ジェイン・オースティン「マンスフィールド・パーク」の感想です。

ジェイン・オースティン「マンスフィールド・パーク」☆☆☆

マンスフィールド・パーク

子沢山で貧しい生家から、准男爵サー・トーマス・バートラムの夫人である伯母の住むマンスフィールド・パークに引き取られて育った女性ファニー・プライス。

極めて内気な性格で初めは泣いてばかりいたが、優しい従兄のエドマンド・バートラムのはげましや助言を受けてマンスフィールド・パークにもなじみ、目立たないながらも純粋で立派な考え方をする美しい女性に成長する。


物語は、ファニーとバートラム家の4人の兄弟姉妹、そして隣人として登場するクロフォード兄妹を主軸にして展開されていきます。

それほど大きな事件や展開がある訳ではありませんが、登場人物たちを細やかに描く事で主題を展開するいつものオースティンの手法が相変わらず素晴らしいです。

確かに主人公はあまりにも控えめで地味と言えば言えます。

19世紀に書かれた小説なのだから当たり前ですけど、考え方も相当に古風です。

今の価値観からすれば、作者が非難している倫理観こそ現代の一般的な考え方に他ならないと思います。

でもきっと高潔と言う事はこんな感じなんだろうなぁと思いますし、また階級社会で上位にある人々は、こういった考え方であって欲しい気もします。

内気な少女だった主人公がキチンとした性格の女性に育ち、愛する男性を支え結ばれていく物語にはオースティンらしい味わいがあります。

管理人はこの作品がオースティン作品の中では「自負と偏見」の次に好きです。