マカヴィティ賞最優秀長編賞受賞作
マカヴィティ賞(Macavity Award)は国際ミステリー愛好会クラブ(Mystery Readers International)が主催し、クラブメンバーの投票により受賞作が決められる推理小説の文学賞です。
マカヴィティ賞の名称は、T・S・エリオットの作品「キャッツ - ポッサムおじさんの猫とつき合う法」に登場する猫の名前が由来となっています。
最優秀長編賞(Best Mystery Novel)、新人賞(Best First Mystery)、ノンフィクション賞(Best Mystery Critical/Biographical)、短編賞(Best Mystery Short Story)、スー・フェダー歴史ミステリ賞(Sue Feder Memorial Award for Best Historical Mystery)の5部門がありますが、以下は最優秀長編賞の受賞作です。
2024年
S・A・コスビー(S.A. Cosby)
すべての罪は血を流す(All the Sinners Bleed)
ヴァージニア州の高校で教師が銃撃され、容疑者の黒人青年が白人保安官補に射殺された。人種対立の残る町に衝撃が走るなか、元FBI捜査官の黒人保安官タイタスは捜査を開始する。容疑者は銃を捨てるよう説得するタイタスに奇妙な言葉を残していたのだ。「先生の携帯を見て」と。被害者の携帯電話を探ると、そこには彼と“狼”のマスクを被った男たちによる残忍な殺人が記録されていた――。
(「内容紹介」より)
2023年
ルイーズ・ペニー(Louise Penny)
(A World of Curiosities)
2022年
S・A・コスビー(S.A. Cosby)
頬に哀しみを刻め(Razorblade Tears)
殺人罪で服役した黒人のアイク。出所後庭師として地道に働き、小さな会社を経営する彼は、ある日警察から息子が殺害されたと告げられる。白人の夫とともに顔を撃ち抜かれたのだ。一向に捜査が進まぬなか、息子たちの墓が差別主義者によって破壊され、アイクは息子の夫の父親で酒浸りのバディ・リーと犯人捜しに乗り出す。息子を拒絶してきた父親2人が真相に近づくにつれ、血と暴力が増してゆき――。
(「内容紹介」より)
2021年
S・A・コスビー(S.A. Cosby)
黒き荒野の果て(Blacktop Wasteland)
米国南部の町で自動車修理工場を営むボーレガード。裏社会で語り継がれる伝説のドライバーだった彼は、足を洗い家族とまっとうに暮らしていた。だが工場の経営が傾きだしたことで運命の歯車は再び狂い始める。金策に奔走するボーレガードに昔の仲間が持ちかけてきたのは宝石店強盗の運転役。それは家族を守るための最後の仕事になるはずだった。ギャングの抗争に巻き込まれるまでは――。
(「内容紹介」より)
2020年
エイドリアン・マッキンティ(Adrian McKinty)
ザ・チェーン 連鎖誘拐(The Chain)
シングルマザーのレイチェルの娘が誘拐された。何者かから、身代金をビットコインで送金し、他人の子どもを誘拐しろと指示されるレイチェル。レイチェルが誘拐した子供の家族がまた身代金を払い、その家族がさらに別の子供を誘拐すれば、娘は生きて解放される。失敗すれば殺されてしまうというのだ。謎の人物が仕組んだこの連鎖誘拐システム〈チェーン〉に組み込まれてしまったレイチェルは、無関係の子供の誘拐計画を試みることに……被害者から加害者へと変わってしまった彼女の運命は!?
(「内容紹介」より)
2019年
ルー・バーニー(Lou Berney)
11月に去りし者(November Road)
1963年11月、ニューオーリンズ。暗黒街で生きる男ギドリーは、ケネディ大統領暗殺の報に嫌な予感を覚える。数日前に依頼された仕事はこの暗殺絡みに違いない。ならば次に死ぬのは自分だ、と。仇敵を頼って西へ向かう道中、夫から逃れてきた訳ありの母娘と出会ったギドリーは家族連れを装いともに旅するようになる。だが組織が放った殺し屋はすぐそこに迫っていた――MWA賞受賞作家の話題作。
(「内容紹介」より)
2018年
アンソニー・ホロヴィッツ(Anthony Horowitz)
カササギ殺人事件(Magpie Murders)
- 再読度 ☆☆☆:読後感 ☆☆☆
1955年7月、サマセット州にあるパイ屋敷の家政婦の葬儀が、しめやかに執りおこなわれた。鍵のかかった屋敷の階段の下で倒れていた彼女は、掃除機のコードに足を引っかけたのか、あるいは…。その死は、小さな村の人間関係に少しずつひびを入れていく。余命わずかな名探偵アティカス・ピュントの推理は―。アガサ・クリスティへの愛に満ちた完璧なるオマージュ・ミステリ!
(「内容紹介」より)
2017年
ルイーズ・ペニー(Louise Penny)
(A Great Reckoning)
2016年
ルー・バーニー(Lou Berney)
(The Long and Faraway Gone)
2015年
アレックス・マーウッド(Alex Marwood)
(The Killer Next Door)
2014年
ウィリアム・K・クルーガー(William Kent Krueger)
ありふれた祈り(Ordinary Grace)
1961年、ミネソタ州の田舎町。13歳のフランクは、牧師の父と芸術家肌の母、音楽の才能がある姉や聡明な弟とともに暮らしていた。ある夏の日、思いがけない悲劇が家族を襲い穏やかだった日々は一転する。悲しみに打ちひしがれるフランクは、平凡な日常の裏に秘められていた事実を知ることになり……
(「内容紹介」より)
2013年
ルイーズ・ペニー(Louise Penny)
(The Beautiful Mystery)
2012年
サラ・グラン(Sara Gran)
探偵は壊れた街で(Claire DeWitt and the City of the Dead)
クレア・デウィットはただの女探偵ではない。独特の探偵術を駆使し、巧みに銃を扱い、困難な調査でも決して諦めない。2007年、ハリケーンの傷痕が残るニューオーリンズで、クレアは失踪した地方検事補の捜索を依頼される。洪水で死んだと思われる一方で、嵐のあとに姿を見た者もおり経緯がわからない。真実によって誰かが傷つくこともある。しかし探偵にできるのは、謎を解決し先に進むことだけだ。傷ついた街と人々に寄り添う女探偵の活躍を描く、マカヴィティ賞最優秀長篇賞受賞作。
(「内容紹介」より)
2011年
ルイーズ・ペニー(Louise Penny)
(Bury Your Dead)
2010年
ケン・ブルーウン&リード・ファレル・コールマン(Ken Bruen and Reed Farrel Coleman)
(Tower)
2009年
デボラ・クロンビー(Deborah Crombie)
警視の偽装(Where Memories Lie)
1945年のドイツと現代のロンドンをつなぐジュエリーが、オークションに出された。関わる人たちの連続死。時と場を越えた謎とは?
(「内容紹介」より)
2008年
ローラ・リップマン(Laura Lippman)
女たちの真実(What the Dead Know)
2007年
ナンシー・ピカード(Nancy Pickard)
凍てついた墓碑銘(The Virgin of Small Plains)
17年前の吹雪の夜、雪におおわれた放牧地で若い娘の全裸死体が発見された。娘は身元不明のまま墓地に葬られたが、その事件は三人の若者の人生を大きく変えてしまった。死体を発見した保安官の息子、それを目撃した判事の息子、そして彼の恋人だった医師の娘……月日は流れ、ある出来事をきっかけに止まっていた時計の針が動き出す。小さな町の人間関係に埋もれた事件の真相とは? 実力者が満を持して放つ力作サスペンス
(「内容紹介」より)
2006年
マイクル・コナリー(Michael Connelly)
リンカーン弁護士(The Lincoln Lawyer)
高級車の後部座席を事務所代わりにロサンジェルスを駆け巡り、細かく報酬を稼ぐ刑事弁護士ミッキー・ハラー。収入は苦しく誇れる地位もない。そんな彼に暴行容疑で逮捕された資産家の息子から弁護依頼が舞い込んだ。久々の儲け話に意気込むハラーだが……警察小説の名手が挑む迫真のリーガル・サスペンス。
(「内容紹介」より)
2005年
ケン・ブルーウン(Ken Bruen)
酔いどれ故郷にかえる(The Killing of the Tinkers)
2004年
ピーター・ラヴゼイ(Peter Lovesey)
漂う殺人鬼(The House Sitter)
衆人環視の浜辺で女性が絞殺された。目撃者は皆無で証拠も波に洗われ、被害者の身元さえつかめない。だがダイヤモンド警視の地道な捜査により、被害者が犯罪心理分析官で、警察に協力し連続殺人鬼を追っていたことが判明する。現場に不気味な詩の一篇を残す殺人犯は、大胆にも次の犯行予告をする。狡猾な殺人鬼とダイヤモンドの頭脳戦の行方は? 英国推理作家協会賞6度受賞の名手が、サイコ・サスペンスに挑んだ意欲作
(「内容紹介」より)
2003年
S・J・ローザン(S. J. Rozan)
冬そして夜(Winter and Night)
11月の深夜、警察署へ呼び出された私立探偵ビル・スミスは、甥のゲイリーと思わぬ再会を果たす。なぜニューヨークへ来たのか話さぬまま、再び姿を消した甥を探すため、甥一家が住む町ワレンズタウンを訪れたビルと相棒のリディアは、アメリカン・フットボールの盛んな町が抱える歪みと醜聞に、否応なく直面するのだった。私立探偵小説シリーズ第8弾、MWA最優秀長編賞受賞作。
(「内容紹介」より)
2002年
ローリー・R・キング(Laurie R. King)
(Folly)
2001年
ヴァル・マクダーミド(Val McDermid)
処刑の方程式(A Place of Execution)
1963年冬、イギリスのダービーシャー州の寒村から、13歳の少女アリスン・カーターが消えた。さっそく警察は捜索を開始するが、少女の行方は不明のまま。住民は無口で、よそ者に心を開かない。若き警部ジョージ・ベネットは殺人事件と考え、ついに被疑者を拘留する。死体なき裁判が始まった…。『殺しの儀式』でCWAゴールド・ダガー賞を受賞した作家の、話題の新作ミステリー。
(「BOOK」データベースより)
2000年
スジャータ・マッシー(Sujata Massey)
(The Flower Master)
1999年
マイクル・コナリー(Michael Connelly)
わが心臓の痛み(Blood Work)
連続殺人犯担当だったFBI捜査官テリー・マッケイレブ。心筋症を患っていた彼は心臓移植を受け、早期引退していた。病院から退院した彼のもとにある女性が現れる。その女性グラシエラによると、いまマッケイレブの胸のなかで動いている心臓はコンビニ強盗に遭遇して絶命した彼女の妹グロリアのものだという‥‥‥。因縁の糸に導かれ、事件の解決にのめり込んでいくマッケイレブが到達した真相とは?『ナイトホークス』でのデビュー以来、ミステリーの最前線を疾走するコナリーが、テーマ、プロット、キャラクター……それらすべてに趣向をつくして、現代ハードボイルドのさらなる可能性を拓いた意欲作!
(「内容紹介」より)
1998年
デボラ・クロンビー(Deborah Crombie)
警視の死角(Dreaming of the Bones)
高名な詩人の死に疑いを抱いた警視キンケイドの別れた妻。疑惑を告げに来た彼女が殺され、警視は恋人のジェマ巡査部長と共に捜査を開始した。連続殺人の様相を深めてきた事件を追う二人の前に三十年前の美少女失踪事件との関連が浮かびあがってきた。大好評の警視シリーズ最高傑作と評される第五弾。
(「BOOK」データベースより)
1997年
ピーター・ラヴゼイ(Peter Lovesey)
猟犬クラブ(Bloodhounds)
ミステリ愛好会「猟犬クラブ」の会員が世界最古の切手窃盗の疑いをかけられた。身に覚えのない嫌疑をかろうじてはらした男が自宅に戻ると、そこには会員の一人の死体が。しかも部屋は完全なる密室状態だった!海千山千のミステリ・マニアを相手に繰り広げる警視ピーター・ダイヤモンドの推理が冴える。前作『バースへの帰還』につづき、二年連続で英国推理作家協会賞シルヴァー・ダガー賞を受賞したシリーズ屈指の傑作。
(「BOOK」データベースより)
1996年
メアリ・W・ウォーカー(Mary Willis Walker)
神の名のもとに(Under the Beetle's Cellar)
邪教集団「ジェズリールの家」の近くで、小学生17人を乗せたスクールバスが、AK‐47銃で武装した男たちに取り囲まれ、子供たちは地面に掘った穴の中で人質になった。教団では生後50日めの赤ん坊を、神に返すといってすでに42人も鎌で殺している。女性事件記者のモリー・ケイツは恐るべき陰謀に挑むが…。
(「BOOK」データベースより)
1995年
シャーリン・マクラム(Sharyn McCrumb)
丘をさまよう女(She Walks These Hills)
1994年
ミネット・ウォルターズ(Minette Walters)
女彫刻家(The Sculptress)
- 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆☆
母と妹を切り刻み、それをまた人間の形に並べて、台所に血まみれの抽象画を描いた女。彼女には当初から謎がつきまとった。凶悪な犯行にも拘らず、精神鑑定の結果は正常。しかも罪を認めて一切の弁護を拒んでいる。わだかまる違和感は、いま疑惑の花を咲かせた……本当に彼女なのか?
(「内容紹介」より)
1993年
マーガレット・マロン(Margaret Maron)
密造人の娘(Bootlegger's Daughter)
34歳、独身。デボラ・ノットが持っているのは、熱い正義の心と、酒の密造人の娘という汚名――弁護士デボラは殺人事件の調査を知人に依頼された。自身、地方裁判所の判事に立候補し、激しい選挙戦の最中だが、必ず犯人を見つけ出す!
(「内容紹介」より)
1992年
ナンシー・ピカード(Nancy Pickard)
悲しみにさよなら(I.O.U.)
精神を病んで入院していた母が亡くなった。いったい何が母を病気に追いやったのだろう?わたしは長年心にわだかまっていた疑問を探り始めるが、誰も当時の事情を話してはくれない。やがて脅迫めいた手紙が届き、誰かに命を狙われるはめに・・・アガサ、マカヴィティ両賞の最優秀長篇賞を受賞したシリーズ代表作。
(「出版社の解説目録」より)
1991年
シャーリン・マクラム(Sharyn McCrumb)
いつか還るときは(If Ever I Return Pretty Peggy-O)
1990年
キャロリン・G・ハート(Carolyn Gimpel Hart)
ミステリ講座の殺人(A Little Class on Murder)
1989年
トニイ・ヒラーマン(Tony Hillerman)
時を盗む者(A Thief of Time)
インディアン遺跡の発掘現場から突然姿を消した女性人類学者はいったいどこへ?妻を亡くし傷心のリープホーン警部補が追う失踪事件は、やがてチー巡査が捜査中の掘削機盗難と結びつき、思いがけない殺人事件へと発展した…。全米ベストセラー作家が西部の雄大な大自然をバックにインディアン警官コンビの活躍を描く、シリーズ最高作との呼び声高い最新作。
(「BOOK」データベースより)
1988年
ナンシー・ピカード(Nancy Pickard)
結婚は命がけ(Marriage is Murder)
結婚を二週間後に控えたわたしにとって、その事件は他人事とは思えなかった。夫の暴力に耐えかねた女性が、思い余って夫を殺してしまったのだ。幸せな結婚生活の行き着く先がこんな悲劇だとは。捜査を担当する婚約者のジェフと一緒にわたしは真相を追うが、やがて次なる事件が…。現代的テーマである家庭内暴力と結婚を前に揺れ動く女心を描く、好評ジェニー・ケイン・シリーズ第3弾。マカヴィティ賞最優秀長篇賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)
1987年
P・D・ジェイムズ(P. D. James)
死の味(A Taste for Death)
教会の聖具室で血溜まりの中に横たわる二つの死体は、喉を切り裂かれた浮浪者ハリーと元国務大臣のポール・ベロウン卿だった。二人の取り合わせも奇妙だが、死の直前の卿の行動も不可解だった。突然の辞表提出、教会に宿を求めたこと…卿は一体何を考えていたのか?彼の生前の行動を探るため、ダルグリッシュ警視長は名門ベロウン家に足を踏み入れる。重厚な筆致で人間心理を巧みに描く、英国推理作家協会賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)