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中央公論文芸賞を受賞した作品の一覧です。

中央公論文芸賞受賞作

中央公論文芸賞は、中央公論新社が2006年に創業120周年を記念して創設した文学賞で、第一線で活躍する作家の前年7月から当年6月までに上梓されたエンターテインメント作品を対象としています。
以下は受賞作の一覧です。

第19回(2024年)

荻原浩 : 笑う森

    5歳の男児が神森で行方不明になった。同じ一週間、4人の男女も森に迷い込んでいた。拭えない罪を背負う彼らの真実と贖罪。
    (「内容紹介」より)

    第18回(2023年)

    佐藤賢一 : チャンバラ

      有馬喜兵衛、吉岡一門、宍戸某、そして佐々木小次郎。さらには――。最後の難敵との死闘を終えた宮本武蔵は吐き捨てた。今日まで剣に生きてきて、兵法というほどのものではないな。ただのチャンバラにすぎん……。直木賞作家の手で鮮やかに蘇る、数多の強敵との名勝負! 「剣聖」とも称される二刀流の達人が、激闘の果てに辿り着いた境地とは?
      (「内容紹介」より)

      第18回(2023年)

      川越宗一 : パシヨン

        キリシタン大名・小西行長の孫で、対馬藩主・宗義智の子として生まれた彦七(のちの小西マンショ)の運命は、関ヶ原の戦さによって大きく変わった。離縁された母・マリヤとともに彦七は長崎へ。キリシタンへの迫害から逃れてきた、小西家の遺臣らの世話になりながら成長していく彦七だったが、彼には小西家再興の重圧がのしかかっていく。キリスト教が禁じられ、信徒たちの不安が高まるなか、彦七はある重大な決断を下すのだが……。“受難の時代”を生きる者たちの魂の叫びが刻まれた、著者渾身の長編小説。
        (「内容紹介」より)

        第17回(2022年)

        青山文平 : 底惚れ

          一季奉公を重ねて四十も過ぎた。己れを持て余していた男は、密かに想いを寄せていたお手つき女中・芳の二度と戻れぬ宿下がりの同行を命ぜられる。芳への理不尽な扱いに憤り、男は彼女に奉公先を見返す話を持ちかけた。初めての極楽を味わったその夜、芳は男を刺し、姿を消した。芳に刺されて死ねるのを喜ぶ男。しかし、意に反して男は一命をとりとめた。人を殺めていないことを芳に伝えるため、どん底の岡場所のどん底の女郎屋の主となって芳を探すが……。
          (「内容紹介」より)

          第16回(2021年)

          山本文緒 : 自転しながら公転する

            東京で働いていた32歳の都は実家に戻り、地元のモールで店員として働き始めるが…。恋愛、家族の世話、そのうえ仕事もがんばるなんて、そんなの無理!答えのない問いを生きる私たちをやさしく包む物語。7年ぶり、待望の長篇小説
            (「内容紹介」より)

            第15回(2020年)

            桜木紫乃 : 家族じまい

              「ママがね、ボケちゃったみたいなんだよ」。突然かかってきた、妹からの電話。両親の老いに直面して戸惑う姉妹と、それぞれの家族。認知症の母と、かつて横暴だった父……。別れの手前にある、かすかな光を描く長編小説。
              (「内容紹介」より)

              第14回(2019年)

              吉田修一 : 国宝

                1964年元旦、長崎は老舗料亭「花丸」――侠客たちの怒号と悲鳴が飛び交うなかで、この国の宝となる役者は生まれた。男の名は、立花喜久雄。任侠の一門に生まれながらも、この世ならざる美貌は人々を巻き込み、喜久雄の人生を思わぬ域にまで連れ出していく。舞台は長崎から大阪、そしてオリンピック後の東京へ。日本の成長と歩を合わせるように、技をみがき、道を究めようともがく男たち。血族との深い絆と軋み、スキャンダルと栄光、幾重もの信頼と裏切り。舞台、映画、テレビと芸能界の転換期を駆け抜け、数多の歓喜と絶望を享受しながら、その頂点に登りつめた先に、何が見えるのか? 朝日新聞連載時から大きな反響を呼んだ、著者渾身の大作。
                (「内容紹介」より)

                第13回(2018年)

                朝井まかて : 雲上雲下

                  子狐に山姥、乙姫に天人、そして龍の子。民話の主人公たちが笑い、苦悩し、闘う。不思議で懐かしいニッポンのファンタジー。
                  (「BOOK」データベースより)

                  第12回(2017年)

                  森絵都 : みかづき
                  • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆☆

                  昭和36年。放課後の用務員室で子供たちに勉強を教えていた大島吾郎は、ある少女の母・千明に見込まれ、学習塾を開くことに。この決断が、何代にもわたる大島家の波瀾万丈の人生の幕開けとなる。二人は結婚し、娘も誕生。戦後のベビーブームや高度経済成長の時流に乗り、急速に塾は成長していくが……。
                  (「内容紹介」より)

                  第11回(2016年)

                  東山彰良 : 罪の終わり

                    どん底に生を受け、殺人を犯し、脱獄を果たした、ナサニエル・ヘイレン。奇妙なシリアル・キラーと旅を共にし、新たな倫理を打ち立てながら悩める者を解き放つ。彼らを追うのは白聖書派の使徒、ネイサン・バラード。文明崩壊後の北米を駆ける傑作ロードノベルにして、“食人の神”黒騎士の穢土降臨を描く、未来世紀の神話。頁を開け──物語の奔流にその身を任せよ。中央公論文芸賞受賞作。
                    (「内容紹介」より)

                    第10回(2015年)

                    中島京子 : 長いお別れ

                      かつて中学の校長だった東昇平はある日、同窓会に辿り着けず、自宅に戻ってきてしまい、心配した妻に伴われて受診した病院で認知症だと診断される。昇平は、迷い込んだ遊園地で出会った幼い姉妹の相手をしたり、入れ歯を次々となくしたり、友人の通夜でトンチンカンな受け答えを披露したり。妻と3人の娘を予測不能なアクシデントに巻き込みながら、彼の病気は少しずつ進行していく。そして、家族の人生もまた、少しずつ進んでいく。 認知症の父を支える妻と娘たちが過ごした、あたたかくも切ない、お別れまでの10年の日々。
                      (「内容紹介」より)

                      第10回(2015年)

                      篠田節子 : インドクリスタル

                        社運を賭け、巨大ビジネスとなる惑星探査用の高純度人工水晶開発のためマザークリスタルの買い付けを行う山峡ドルジェ社長・藤岡。インドのある町から産出された高品質の種水晶を求め現地に向かう。宿泊所で娼婦として遣わされた少女ロサ。彼女は類稀なる知力を持つ不思議な存在で、更に以前地方の村で目撃した「生き神」だった。鉱山からの帰途に遭難した藤岡はロサの能力に助けられることになる。ロサを通訳兼案内人として村人との交渉に挑む藤岡だが、商業倫理や契約概念のない先住民相手のビジネスに悪戦苦闘する。 直面するのは、貧富の格差、男尊女卑、中央と地方の隔たり、資本と搾取の構造──まさに世界の縮図というべき過酷な現実だった。
                        (「内容紹介」より)

                        第9回(2014年)

                        木内昇 : 櫛挽道守
                        • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆☆

                        幕末、木曽山中の小さな宿場町。年頃になれば女は嫁すもの、とされていた時代、父の背を追い、櫛挽職人をひたむきに目指す女性を描く。中央公論文芸賞、柴田錬三郎賞、親鸞賞受賞作。
                        (「内容紹介」より)

                        第8回(2013年)

                        石田衣良 : 北斗 ある殺人者の回心

                          両親から壮絶な虐待を受けて育った少年、北斗。初めて出会った信頼できる大人を喪ったとき、彼の暴走が始まる……。孤独の果てに殺人を犯した若者の心に切り込む、衝撃の長編小説。
                          (「内容紹介」より)

                          第7回(2012年)

                          東野圭吾 : ナミヤ雑貨店の奇蹟
                          • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆☆

                          あらゆる悩み相談に乗る不思議な雑貨店。そこに集う、人生最大の岐路に立った人たち。過去と現在を超えて温かな手紙交換がはじまる……張り巡らされた伏線が奇跡のように繋がり合う、心ふるわす物語。
                          (「内容紹介」より)

                          第6回(2011年)

                          乃南アサ : 地のはてから

                            凍てつくオホーツク海に突き出し、人も寄せ付けぬ原生林に覆われた極寒の地・知床。アイヌ語で「地のはて」と呼ばれたこの地に最後の夢を託し、追われるようにやってきた開拓民の少女。物心ついたときにはここで暮らしていたとわは、たくましく生きる。今日から明日へ、ただ生き抜くことがすべてだった。
                            (「内容紹介」より)

                            第6回(2011年)

                            井上荒野 : そこへ行くな

                              長年一緒に暮らす男の秘密を知らせる一本の電話、中学の同窓生たちの関係を一変させたある出来事…見てはならない「真実」に引き寄せられ、平穏な日常から足を踏み外す男女を描く短編集。
                              (「内容紹介」より)

                              第5回(2010年)

                              江國香織 : 真昼なのに昏い部屋

                                私は転落したのかしら。でもどこから? 会社社長の夫・浩さんと、まるで軍艦のような広い家に暮らす美弥子さんは、家事もしっかりこなし、「自分がきちんとしていると思えることが好き」な主婦。大学の先生でアメリカ人のジョーンズさんは、純粋な美弥子さんに心ひかれ、二人は一緒に近所のフィールドワークに出かけるようになる。ふと気がつくとジョーンズさんのことばかり考えている美弥子さんがいた。
                                (「内容紹介」より)

                                第4回(2009年)

                                村山由佳 : ダブル・ファンタジー

                                  女としての人生が終わる前に性愛を極める恋がしてみたい。35歳の脚本家・高遠奈津の性の彷徨が問いかける夫婦、男、自分自身
                                  (「内容紹介」より)

                                  第3回(2008年)

                                  ねじめ正一 : 荒地の恋

                                    五十三歳の男が親友の妻と恋に落ちた時、彼らの地獄は始まった。北村太郎、田村隆一、鮎川信夫。宿命で結ばれた詩人達を描く長編小説。
                                    (「内容紹介」より)

                                    第2回(2007年)

                                    角田光代 : 八日目の蝉

                                      逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか−−理性をゆるがす愛があり、罪にもそそぐ光があった。家族という枠組みの意味を探る、著者初めての長篇サスペンス。
                                      (「内容紹介」より)

                                      第1回(2006年)

                                      浅田次郎 : お腹召しませ

                                        婿養子が公金を持ち出し失踪。不祥事の責任を取りお家を守るため、妻子や部下に「お腹召しませ」とせっつかれる高津又兵衛が、最後に下した決断とは……。武士の本義が薄れた幕末期。あふれ出す男の悩みを、侍たちはどう乗り越えたのか。表題作ほか全六篇。
                                        (「内容紹介」より)