ラリー・ニーヴン ジェリー・パーネル スティーヴン・バーンズ「アヴァロンの戦塵」☆☆☆

アヴァロンの戦塵

惑星アヴァロンのキャメロット島に植民した人類が、恐るべき怪物「グレンデル」との死闘に打ち勝ち、平和を勝ち取ってから20年がすぎた。

植民地に生まれ育った第2世代の人類は、冷凍睡眠の影響で障害を持つ第1世代から巣立ち、いよいよキャメロット島から本土への進出を果たそうとしている。

しかしアヴァロンの本土には、グレンデル以上の脅威が待ち構えていた。


冒険SFの傑作「アヴァロンの闇」の続編です。

前作ではグレンデルとの死闘に焦点を合わせて描かれていましたが、この作品では本土に存在する新たな脅威との戦いを描きながらも、植民者たちの世代間の確執や親子・夫婦の愛情、新世代の植民者たちの友情なども描き、物語の奥行きが深まった感じです。

前作では完全な敵役だったグレンデルが身近に思えるような、グレンデル以上の恐怖の存在が徐々にその正体を現わしていくのも興味深いです。

こうして2作を読むと、前作がアクション一辺倒の冒険SFに徹していただけに、この作品で徐々に明らかになっていく弱肉強食の惑星アヴァロンの生態に驚かされます。

果たしてこれ程危険に満ちた惑星で人類が生き延びていけるのか、そのカギを握るのが実はグレンデルでは・・・という辺りに又面白さを感じます。

もっとシリーズ化して欲しい冒険SFシリーズですね。

この作品だけ読んでも面白いとは思いますけど、出来れば「アヴァロンの闇」を読んでから読むべき作品です。

 

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