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スーザン・エリザベス・フィリップス 「きらめく星のように」の感想です。

スーザン・エリザベス・フィリップス「きらめく星のように」☆☆☆

きらめく星のように

人気TV番組「スキップ&スクーター」で主役の少女を演じて「コメディの女王」と呼ばれ国民的な人気女優となったジョージー。

しかし8年間続いた番組が終わった後に出演したコメディ映画はふるわず、人気俳優ランスと結婚したものの、ランスはジョージーを捨てて美人女優ジェイドの元に走り、パパラッチは失意に沈むコメディの女王の姿を撮ろうと彼女を追いかけ続けている。

ランスとジェイドに子どもが出来たというニュースを聞いて一段と落ち込んだジョージーは、気分転換をするため実業家の友人と二人でラスヴェガスに出かけるが、しかし緊急事態が起こった友人が急遽帰ったため一人でいたところを、「スキップ&スクーター」でジョージーの相手役だった俳優ブラムに見つけられてしまう。

実はこの二人は知らぬ者のいない犬猿の仲。

完璧な容姿を持つ美男俳優でありながら、傲慢でわがままで酒・タバコ・ドラッグに女と自堕落な生活をしていたブラムは、大きなスキャンダルを起こして「スキップ&スクーター」が放送終了になる原因を作ったいわくつきの男。

若く夢見る少女だった頃のジョージーは、そんなブラムに恋した事があったが、ブラムに手酷い目に会って以来彼のことを軽蔑していた。

再会したブラムの挑むような態度に反発して、彼と一緒にパーティに参加したジョージーだが、知らぬ間に知らない女に変なクスリ入りの酒を飲ませされ、酔いつぶれて前後不覚となったその夜、何とブラムと結婚してしまう。

よりによってブラムと結婚?冗談じゃないと動揺するジョージーだったが、この結婚をうまく利用すればパパラッチから逃れられるかもと思い直し、お金に困っているという噂のあるブラムに、多額の謝礼と引き換えに1年契約で偽りの結婚を続けるよう持ちかける。


嫌いあう二人がひょんな事から結婚してしまう話。ロマンス小説なんかではよくあるパターンですね。

人気女優なのに優しく思いやりのある性格から、他人に対してはついつい良い人になってしまうジョージーが、ブラムに対してだけは思ったことをずけずけ言って、それに対してブラムも負けずに言い返し、そういう事がジョージーの落ち込んだ気持ちを解きほぐしていきます。

ブラムと一緒に暮らしているうちに彼の本当の姿に気がつきはじめて、何だか落ち着かなくなるジョージー。

卑劣な男だと自認して悪ぶっているプラムが実は立派な人物で、本当はジョージーの事を高く評価していたというのも、ロマンス小説のお決まりのパターンです。

華やかなハリウッドが舞台で、登場する人物が個性的で面白くて、会話がユーモラスで洒落ていて、読んでいて楽しい気分になれるロマンス小説。

基本はベタなラブ・ロマンスですが、人間の再生がテーマに含まれているところが管理人は好きです。