藤沢周平「日暮れ竹河岸」☆☆

日暮れ竹河岸

「江戸おんな絵姿十二景」という江戸に暮らす女達の姿を季節ごとに切り取った12の掌篇と、歌川広重の「名所江戸百景」を舞台に描かれた7篇の短篇からなる、藤沢周平遺作の掌編小説です。

本当に短いエピソードが書かれていますが、それでも短い話の中から大きな物語や人生が浮かんできて、想像力が刺激される作品集です。

こうして読んでみると、藤沢作品は文章の格調が高く、物語の完成度も高くて、時代小説の中で別格の輝きを放っている気がします。

藤沢周平の新しい作品が味わえなくなるのは、寂しいものです。


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