ピーター・ストラウブ「ヘルファイア・クラブ」☆☆
中年女性ばかりを狙う謎の連続殺人犯が現れて、町を恐怖に陥れていた。
元ベトナムの従軍看護師で更年期障害に悩む女性ノラ・チャンセルも怯える日々をすごしている。
そんなある日、ノラの友人ナタリーが寝室に血痕を残して、行方がわからなくなる。
ナタリーの本棚には、熱狂的なファンを持つ謎の作家ヒューゴー・ドライヴァーが書いたファンタジー小説「夜の旅」が置いてあったが、その本が熱狂的なドライヴァー・ファンであるノラの夫デイヴィーの持ち物だと知った時からノラの悪夢が始まった。ストラウブといえばホラー作家というイメージですし、この作品の導入部も如何にもホラー・サスペンスの世界といった雰囲気でしたから、そんな気持ちで読みました。
しかしホラーと言えなくもないけど基本はサスペンス・ミステリィで、いわゆるスーパーナチュラルな存在は出そうで出ませんでした。
そういう意味では管理人の期待とは少し違いましたが、何だかモヤモヤした出だしから始まって最後にはキチンとした結果になりますので、構成はしっかりしていると思います。
展開がすごくて途中で本を置けなくなるタイプの作品ですが、作品タイトルの理由が今ひとつ分かりませんでした。