西條奈加「烏金」☆☆☆
朝借りたら夜には返済するという極めて短期の借金「烏金」を貧乏人たちに貸して、厳しく取り立てて小金を貯めこんでいると評判の因業な金貸し婆の老女お吟。
ある日彼女の家に、浅吉というのほほんとした若者が居候として住み着き、お吟の金貸し業の手伝いを始めた。
有無を言わせずに取り立てるお吟と違って、浅吉は闇雲に借金を取り立てずに、商売が上手くいかない借り手に、今までにないようなやり方を伝授して、儲けを出してから返済させようとする。
貧乏人たちには喜ばれ、お吟も浅吉を認めてくるけど、実は浅吉には秘密の目的があった。
こんなに上手く行くかな?と言うことはさておいて、なかなかユニークな発想の人情時代小説です。
全体的に軽くて明るい感じのする文体で、読みやすい作品です。