岩本ナオ「金の国 水の国」☆☆☆

金の国 水の国

隣接しているが仲の悪い2つの国。A国は科学技術が発達し、近隣諸国の貿易の中心地で豊かな国だが人口増加と水不足に悩む砂漠の国。B国は豊かな自然と水資源に恵まれているが、とても貧しい国。

そんな両国はつまらないことで戦いを始め、心配した神様が仲裁に入りました。

神様のお告げは、A国は国で一番美しい娘をB国に嫁にやり、B国は国で一番賢い若者をA国に婿にやりなさいと言うもの・・・。

一応両国とも神様の言うことに従ったフリをしたけれども、相手を侮辱する事に忙しい。

A国は一番美しい娘と偽って猫を送りつけ、B国の族長は嫁が猫とも知らずにB国の片田舎の貧しい若者ナランバヤルに嫁がせる。

一方、B国は賢い若者の代わりに犬をA国に送り、A国の国王は99番目の王女サーラに婿として犬を与える。

ナランバヤルもサーラも、下手に騒ぎ立てるよりも静かにしておいた方が物事が丸く収まると普通に暮らしていたが、ある日いなくなった犬を探してB国に入り込んだサーラが、ナランバヤルに偶然出会い・・・。


アラビア風の架空の異世界を舞台にした、大人のおとぎ話という感じのコミックです。

主人公のナランバヤルは賢く口が達者な若者、サーラ姫は少しポッチャリとした姿の心優しい娘。そんな二人がお互いの事情も知らずに出会い、いつしか惹かれ合う姿を、いがみ合う2つの国のバカらしい事情を踏まえながら描いたファンタジックな物語で、何となく優しい気持ちになれるような作品。

こういうふわぁ~とした雰囲気のマンガは、意外とあるようでないと思います。良かったです。


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