鈴木みそ「限界集落温泉」☆☆☆

限界集落温泉

若者が去り限界集落と化した田舎村の鄙びた温泉に、激務とプレッシャーで疲れ果てたゲーム・プロデューサーと、自殺願望がある旬の過ぎたコスプレ・アイドルがやってくる。

客の来ない温泉宿を経営するヤモメの男性は、致し方なく宿を売り払おうとしていたが、この村が好きな好きな一人息子は、何とか出来ないかとプロデューサーに相談し、暇を持て余しつつあるプロデューサーは、未だにオタクたちに人気があるアイドルを利用して、何もない温泉でお宝鑑定のイベントを企画することに・・・。


今、地方都市再生の実話が色々なところで語られています。

良く耳にするのは、地元の人達が当り前だと思っているようなモノが、他の土地で暮らす人達にとってとても珍しく貴重だったりすることがあるというような話です。

この作品も何もない田舎の温泉地というところを活かしながら、人気が落ち目で失踪したアイドルと彼女を追いかけるオタクたちの力を借りて、アイディアが豊富な一癖も二癖もある敏腕ゲーム・プロデューサーが村の再生を仕掛ける物語です。

大した熱意があるわけでもない、趣味の延長線のようなところから始まる話が、かえってリアリティを感じさせます。

興味深いコミックでした。

   

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