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今村昌弘「魔眼の匣の殺人」の感想です。

今村昌弘「魔眼の匣の殺人」☆☆☆

魔眼の匣の殺人

神紅大学ミステリー愛好会の新会長・葉村譲と、ただ一人の会員にして美少女探偵として知られる剣崎比留子は、超能力を研究する謎の組織・斑目機関の調査を進めるべく、斑目機関の研究所があったというW県の好見地区に向かった。

この人里離れた地区に住む予言者サキミは、葉村と剣崎が巻き込まれた屍人荘の殺人事件などを予言していたと言う。

好見に行く路線バスで知り合った不思議な力を持つ高校生・十色真理絵と彼女の後輩になる茎沢忍と共に好見にたどり着いた二人は、何故か誰一人いない好見に戸惑うが、同じように好見に来ていたツーリングでガソリン切れになったという王子貴士、先祖の墓参りに来たという朱鷺野秋子、携帯が通じないので固定電話を借りたいという師々田巌雄・純親子とともに、サキミが暮らす真雁という島に向かった。

島には魔眼の匣とも呼ばれる斑目機関の古びた研究施設があり、そこには予言者サキミと彼女の世話をする女性・神服奉子、そしてサキミの取材に訪れていたオカルト誌「月刊アトランティス」の記者・臼井頼太がいた。

臼井頼太の取材を受けるサキミだが、そのサキミの予言では、この地で二日間のうちに、男が二人、女が二人死ぬと言う。

その時好見と真雁を繋ぐ橋が何者かによって燃え落とされ、剣崎たちは孤島となった真雁にとじこめられ、そして突然発生した地震により臼井頼太が瓦礫の下で死んだ・・・。


屍人荘の殺人」に続くホラー・ミステリィ小説です。

孤島の一軒家で人が次々と死んでいくクローズド・サークル系のミステリィに、予言という超能力の話と斑目機関の研究者の物語を加味したユニークな設定になっています。

超常現象が発生すること以外は新本格派のミステリィという感じで、謎解きなどもそれなりに整理されていて、成る程と思わせてくれます。

テーマがテーマだけにリアリティは感じませんが、ゲーム感覚で読むミステリィ小説としてはアリだなと管理人は思いました。