日生マユ「放課後カルテ」☆☆☆

放課後カルテ

とある小学校に新任の保健の先生として、牧野という若い男性の小児科医が赴任してきた。

何やら事情がアリそうな人事だけど、目つきが悪く愛想もない牧野の評判は教師にも児童にもイマイチ。

しかし優れた小児科医の牧野は、普通の養護教諭では気が付かないような子どもたちの異変にすばやく対応する。


小学校の保健の先生といえば、比較的若くて優しげな女の先生というイメージですけれども、このマンガの主人公は愛想のない若い男性の小児科医です。

鋭い目つきで見るので慣れない子どもは怖がるし、本人も何でオレが小学校の保健医なんてやらなくちゃいけないんだと思っているから、気持ちもすれ違いますけど、しかし口や態度は悪くても優秀な小児科医の牧野は、大人たちが気がつかない子どもたちの変調に気がつき、的確な対応をして周囲の信用を得ていき、直裁的な子どもたちと接することで本人も成長していきます。

医師免許を持っている養護教諭なんて実際にはいないと思いますが、こういう設定で描かれたヒューマン・ストーリーはなかなか面白い。

巻が進むに連れ、牧野がなぜ小学校の臨時の養護教諭として派遣されたのか、そのあたりの事情も明かされますし、小学生の児童の心身ともに不安定な状況や、そうした子供たちと深く接するようになって成長する牧野の姿や、牧野を慕う子供たちの姿なども描かれて、意外と読み応えがありました。

全16巻で、あまり派手なマンガではありませんが、管理人はけっこう気に入っています。



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