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ジェイン・アン・クレンツ「星のかけらを紡いで」の感想です。

ジェイン・アン・クレンツ「星のかけらを紡いで」☆☆☆

星のかけらを紡いで

惑星ハーモニーで超古代文明遺跡の研究をしているリディアは、以前遺跡の発掘中に現れたゴーストに触れたことでその時の記憶を失くした事がある。

ある日、リディアに元大学教授のモルトビーからリディアの記憶喪失に関係する情報があるとの連絡が入った。

モルトビーは超考古学の権威だったが、麻薬を乱用した結果身を持ち崩して、社会の底辺で何とか生きている男だった。

モルトビーの話を聞くため、彼のアパートに出向いたリディアだったが、モルトビーは麻薬の過剰摂取により死体となっていた。

モルトビーの死に何か腑に落ちないものを感じたリディアは、恋人で元ゴーストハンター・ギルド長のエメットと協力して事件の真相を調べはじめるが・・・。


地球人が植民した惑星ハーモニーを舞台にしたSFロマンス小説「星のかけらを奏でて」の続編になる作品です。

主人公の二人エメットとリディアは前作と同じですし、内容的にも前作の続きとなりますので、「星のかけらを奏でて」を読んでからこちらの作品を読んだ方が良いですね。

前作で恋人同士となった二人ですが、リディアがゴーストハンター・ギルドを嫌っている事を知るエメットは、リディアとの永久婚(要するに昔ながらの結婚ですね)を望みながらも、せめて期限付きの一時婚をして夫婦になりたいと思っています。

一方、エメットに強く惹かれながらもエメットの考えが今ひとつ理解できないリディアの気持ちも複雑です。

成り行きからギルドの長に暫定的に就任したエメットと、徐々に失った記憶を取り戻しつつあるリディアの、それぞれの事件が交差して進むSFミステリィで、クレンツらしい作品という気がしました。

しっかり者のようでどこか天然なリディアが魅力的で楽しい作品です。

サスペンスであっても、どこか安心感のある展開がロマンス小説らしくて、管理人は好きです。