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ジェフリー・ディーヴァー 「エンプティー・チェア」の感想です。

ジェフリー・ディーヴァー「エンプティー・チェア」☆☆☆

エンプティー・チェア

抜群の知性と推理力を持ちながら、事故による四肢麻痺で身体を動かせなくなったNY市警の元科学捜査部長リンカーン・ライムを主人公にしたシリーズ第3作目です。

前作「コフィン・ダンサー」でライムの手足となり目となって現場に鑑識に出向くアメリア・サックスと恋愛関係になったライムは、介護士のトムとサックスを連れてノースカロライナ州の田舎町の病院を脊髄再生手術のために訪れた。

ところがライムの友人の従兄だという現地の保安官から、誘拐事件の捜査協力を求められてしまう。

自分の手術の事で頭がいっぱいのライムだったが、手術まで日があることや、サックス巡査の強い推薦もあり、仕方なく捜査に協力することを決める。

大都会ニューヨークとは勝手の違う広大な森や湿地のある土地で、頼りに出来るのはサックスだけという環境の中、果たしてライムは事件の真相を究明出来るのか。


相変わらずジェットコースターのようにめまぐるしく予想外の展開が続くサスペンス・ミステリィです。

今回はサックスとライムのお互いが、相手に対して思っていることが事件捜査の進展に関わってきます。

サックスは心のなかではライムに危険な手術は受けて欲しくないと思い、またライムが完治したら自分との仲が終わるのではないかと疑っています。

一方でライムは治ることは期待していないけど、せめてサックスと手を繋げるくらいにはなりたいと思っている。

二人の手術に対する温度差が事件に対する見方に微妙な影響を与え、それが原因でサックスの無謀とも言える行動につながっていきます。

やっぱりこのシリーズは面白い。

読み始めると止められない。

よく考えれば、これはおかしいよねという事もありますけど、そんな事は読んでいる最中に意識している暇がない。

「リンカーン・ライム」シリーズはまだまだ続いています。続編が読めると思うと嬉しいですよね。