ジェデダイア・ベリー「探偵術マニュアル」☆☆

探偵術マニュアル

物語の舞台となるのは、探偵社があり、ホテルと駅があり、サーカスと博物館と酒場がある名もなき町。

町の平和を守るのは探偵社であり(警察はないみたい)、中でも探偵社で随一の腕利き探偵シヴァートは誰もが解けない難事件を解決してきた。

そしてシヴァートが作成した事件の報告書をまとめて記録するのは、規則正しい毎日をおくる記録員のアンウィン。

ある日、探偵社に出勤しようと駅に向かったアンウィンは、そこで出会ったシヴァートの同僚探偵から、アンウィンが探偵に昇格したと告げられた。

記録員の仕事に誇りを抱くアンウィンは、昇格を取り消して貰おうとシヴァートの上司にあたる監視員に会い行くが、そこで監視員の死体を発見してしまう。

更にシヴァートが失踪したことが判明し、アンウィンは否応なく探偵として事件の捜査をする破目になるのだが・・・。


抽象的というか寓意的というか、夢の断片のような不思議な成り行きで物語が進行するミステリィ、というかファンタジィ小説です。

ファンタジィというより幻想小説と言った方がしっくりと来ますかね。

些か分かりづらい話で、物語の半ばまでは読むのがキツかったけど、後半になると面白くなっていきます。

夢が一つの鍵になっていて、何だか映画「ダークシティ」の世界のような印象を受けましたが、「ダークシティ」のように首尾一貫はしていない感じです。

こういう作品は好き嫌いがハッキリ出るのでしょうが、管理人としては一度読めば充分という感じでした。


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