アイザック・アシモフ「銀河帝国の興亡」☆☆☆

銀河帝国の興亡

1万年以上の長きにわたって銀河系宇宙を支配してきた大銀河帝国にも、その没落の兆しが徐々に現れ始めていた。

歴史の必然として、頂点を極めた大文明はいずれ崩壊し、野蛮化し、科学技術や知識は忘れ去られて行く。

そう遠くない未来において大銀河帝国は崩壊し、帝国という支柱をなくした各太陽系は分裂し、高度な知識は失われ、人類はふたたび暗黒時代を迎えることになるであろう。

それを予測した天才心理歴史学者ハリ・セルダンは、被害を最小限に食い止め、衰退していく銀河帝国に代わる新しい銀河帝国成立に備えて、銀河百科事典 (Encyclopedia Galactica) を編纂するファウンデーションの設立という秘策を打つ。


SF史上の不朽の名作の一つファウンデーション3部作です。(続編も出ていますが、そちらは未読)

アシモフらしい歴史を俯瞰したような壮大な展開。

銀河系を巻き込む巨大帝国の衰亡史を、その時代に生きる人々の視点から描いた物語が、ファウンデーションの謎と絡み合って読者の心を捉える黄金期のSFらしいSFです。

テーマを考えると大味な物語になりそうなものですが、流石にアシモフはミステリィ仕立てのストーリーを組み立てて実に面白い作品になっています。

ハヤカワ文庫からも「ファウンデーション -銀河帝国興亡史」というタイトルで翻訳が出ていますけど、管理人が中学生の頃に夢中になって読んだのは、創元推理文庫の「銀河帝国の興亡」です。

1巻を読んでスゴく面白くて、すぐに近所の本屋をはしごして、2巻・3巻を探しまわった事を覚えています。

  

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