G・K・チェスタトン「木曜の男」☆

木曜の男

詩人ガブリエル・サイムは無政府主義者の秘密結社に加わった。

秘密結社の幹部は〈日曜日〉と呼ばれる委員長を始め、〈月曜日〉から〈土曜日〉までの曜日の名称を付けた委員から構成されている。

たまたま〈木曜日〉が急死したことから、サイムが新しい〈木曜日〉として就任することとなるが、実はサイムは思想犯を取り締まる警察官だった。

自ら危険を犯して幹部会に出席するサイムの前で、委員長〈日曜日〉により各委員の正体が暴露されていくのだが・・・。


管理人が中学生の頃、創元推理文庫の解説目録を見て、一度読んでみたいと思っていた推理小説です。

購入するかどうか迷っていましたが、当時は推理小説はネタバレした後では再読しないため購入しない主義でしたので、しばらく読む機会もありませんでした。

まぁ正解でしたね。

この作品はミステリィというよりも、もっと難解な作者の思想を著した抽象的な作品で、エンターティメントだと思って読むとガッカリすると思います。

娯楽を求めている中学生が読んで面白い本だとは思えません。

筋書きもあってないようなものですし、秘密結社の委員長〈日曜日〉が人間離れしていますし、正体を暴かれる全ての委員が実は警察の探偵だったというのもどうなんだろう。

この本のテーマを掘り下げて、比喩として不条理について考えながら読む人は兎も角、何となく面白そうという感じで読むと見事に肩透かしを喰らいます。


このページの先頭へ