フランシス・ホジソン・バーネット「小公女」☆☆☆
インドで生まれ育った裕福な上流階級の少女セーラ・クルーは、幼くして母を亡くした後、父ラルフ・クルーに連れられて、ロンドンのミンチン女子学院に特別寄宿生として入学した。
ラルフは親友と始めたダイヤモンド鉱山開発の仕事でインドに赴く必要があり、セーラの生活と教育をマリア・ミンチン院長に委ねてインドに旅立つ。
裕福で心優しく聡明な夢見る少女セーラはクラスメートの人気を集め、親しい友人も出来るが、ミンチン先生は何でも見抜いてしまうような目を持つこの少女が実のところ少し苦手だった。
ところがある日、父ラルフ・クルーが事業に失敗し破産した上、大病を患って亡くなったとの知らせが入る。
それを聞いたミンチン先生は、セーラから特別寄宿生の待遇を取り上げ、屋根裏の何もない部屋に住まわせて使用人としてこき使いはじめた。
今までお嬢様扱いをしていた学校の料理人や女中たちからも冷たくあしらわれ、食べるものもロクに与えられずに働かされる少女セーラ。
そんなセーラを今でもお嬢様と呼んで支えてくれるのは、セーラに優しくされたことが忘れられない下働きの女中ベッキーと僅かな友人たちのみ。
そうした逆境の中にあっても、自分は公女様のように生きると気高さを失わずにいるセーラに奇跡が起こる。
管理人がこの作品を読んだのは小学生の時。小公子と小公女の合本でした。
明るく真っ直ぐで常にハッピーで心地よい小公子に比べると、恵まれた境遇から奈落の底に落ちて貧しさに打ちのめされる小公女は、あまり好きじゃなかったような気がします。
管理人の家庭も決して豊かではなかった事も関係しているのかも知れません。
でも物語として見れば小公女の方が良く出来ているのは認めざるを得ません。
最近歳をとって涙ぽくなって、この作品を読むと涙が出てきます。
それだけに物語の終盤は実に気持ちが良いですね。
因果応報とまでは言いませんが、セーラと苦労を共にした正直者ベッキーの運命が大きく変わるのが良かったです。
ぶどうパンのエピソードも泣けるなぁ・・・。
しかしホント涙もろくなった。感想書いてて目がウルウルしてきた。