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ディーン・R. クーンツ「殺人プログラム」の感想です。

ディーン・R. クーンツ「殺人プログラム」☆☆

殺人プログラム

閾下知覚(いわゆるサブリミナル効果)を利用して人間の無意識に強く働きかけ、人を思うように操る方法を考え出した異常な科学者と彼に協力する富豪と軍人。

彼らは人口数百人という小さな田舎町ブラック・リヴァーを実験台にして効果を確かめようと企んでいた。

しかしそこには彼らの暗示にかからない人間が居た。

かくして悪魔の人体実験と、それに立ち向かう主人公たちとの戦いが始まる。


クーンツはこういった他人を操る異常者を描いたテーマが好きなようで、「汚辱のゲーム」などいくつか作品を書いています。

頭のイカレた天才科学者が、自分に仕えるように人間を操り、彼らを侮辱して、満たされぬ自分の心の隙間を埋めようとしますが、こういう人って本当に存在していそうで怖いですね。

この作品はクーンツの初期のサスペンス小説なので、全体的に洗練されていない印象を受けますが、その反面勢いがある感じがします。

これだけ完璧に人間を操れる方法を考えだしたのなら、もっと上手に利用出来そうなものだと思いますが、やり方が稚拙で少々馬鹿らしい。

それでも最後まで読ませる力量はたいしたものです。

クーンツ作品としては2級品だと思いますが充分に楽しめます。