面白い本を探す

ディヴィッド・ブリン「スタータイド・ライジング」の感想です。

ディヴィッド・ブリン「スタータイド・ライジング」☆☆☆

スタータイド・ライジング

人類に知性化され人類の類属となったイルカと、彼らを指導する人類の乗った宇宙探検船ストリーカーは銀河辺境を航行中に巨大宇宙船団の遺跡を発見した。

数十億年前のものと類推される巨大な遺跡は、知性化を始めたとされる伝説の’始祖'の船団ではないか。

地球に向けて発信したその情報を傍受した銀河列強諸属は、ストリーカーを拿捕しようとしてそれぞれが宇宙艦隊を出動させた。

ストリーカーは敵船から逃れて、何とか水の惑星キスラップの海底に潜伏した。

ストリーカーを捕らえようとキスラップ宙域に集まりだした人類に敵意を持つ好戦的な列強諸属は、お互いに牽制し合いながら交戦を始める。

キスラップ海底に潜むストリーカーの乗員は如何にしてこの危地を抜け出すか。


ネビュラ賞、ヒューゴー賞、ローカス賞を受賞した知性化シリーズの長編第2作目です。

海底に逃れストレスにさらされることで、先祖返りする者も出てくるイルカの乗員たちをコントロールしながら、指導員として乗り込んでいる人類を中心としてキスラップからの脱出を図る物語。

人類を敵視する凶悪な銀河列強諸属の描写がなかなか興味深いです。

好戦的な列強諸属はお互いに対立関係にあるため、そこに人類が付け入る隙が生まれてきます。

シリーズ1作目の「サンダイバー」をさらにスケールアップした冒険SFで、とても面白い作品でした。