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星雲賞日本長編部門を受賞した作品の一覧です。

星雲賞日本長編部門受賞作

星雲賞は前年度中に発表又は完結したSF作品を対象として、日本SF大会の参加者の投票によって選ばれる文学賞です。
複数の部門に分かれていますが、以下は日本長編部門を受賞した作品一覧です。

第54回(2023年)

長谷敏司 : プロトコル・オブ・ヒューマニティ

    伝説の舞踏家である父の存在を追って、身体表現の最前線を志向するコンテンポラリーダンサーの護堂恒明は、不慮の事故によって右足を失い、AI制御の義足を身につけることになる。絶望のなか、義足を通して自らの肉体を掘り下げる恒明は、やがて友人の谷口が主宰するダンスカンパニーに参加、人のダンスとロボットのダンスを分ける人間性の【手続き/プロトコル】を表現しようとするが、待ち受けていたのは新たな地獄だったーー。SF史上もっとも卑近で、もっとも痛切なファーストコンタクト。『あなたのための物語』「allo, toi, toi」『BEATLESS』を超える、10年ぶりの最高傑作。
    (「内容紹介」より)

    第53回(2022年)

    牧野圭祐 : 月とライカと吸血姫

      人類史上初の宇宙飛行士は、吸血鬼の少女だった――。いまだ有人宇宙飛行が成功していなかった時代。共和国の最高指導者は、ロケットで人間を軌道上に送り込む計画を発令。『連合王国よりも先に、人類を宇宙へ到達させよ!』と息巻いていた。その裏では、共和国の雪原の果て、秘密都市<ライカ44>において、ロケットの実験飛行に人間の身代わりとして吸血鬼を使う『ノスフェラトゥ計画』が進行していた。とある事件をきっかけに、宇宙飛行士候補生<落第>を押されかけていたレフ・レプス中尉。彼は、ひょんなことから実験台に選ばれた吸血鬼の少女、イリナ・ルミネスクの監視係を命じられる。厳しい訓練。失敗続きの実験。本当に人類は宇宙にたどり着けるのか。チームがそんな空気に包まれた。「誰よりも先に、私は宇宙を旅するの。誰も行ったことのないあの宇宙から月を見てみたいの」イリナの確かな想い。彼らの胸にあるのは、宇宙への純粋な憧れ。上層部のエゴや時代の波に翻弄されながらも、命を懸けて遥か宇宙を目指す彼らがそこにはいた。宇宙に焦がれた青年と吸血鬼の少女が紡ぐ、宙と青春のコスモノーツグラフィティがここに。
      (「内容紹介」より)

      第52回(2021年)

      林譲治 : 星系出雲の兵站

        人類の播種船により植民された五星系文明。辺境の壱岐星系で人類外の産物らしき無人衛星が発見された。非常事態に出雲星系を根拠地とするコンソーシアム艦隊は、参謀本部の水神魁吾、軍務局の火伏礼二両大佐の壱岐派遣を決定、内政介入を企図する。壱岐政府筆頭執政官のタオ迫水はそれに対抗し、主権確保に奔走する。双方の政治的・軍事的思惑が入り乱れるなか、衛星の正体が判明する――新ミリタリーSFシリーズ開幕。
        (「内容紹介」より)

        第51回(2020年)

        小川一水 : 天冥の標

          西暦2803年、植民星メニー・メニー・シープは入植300周年を迎えようとしていた。しかし臨時総督のユレイン三世は、地中深くに眠る植民船シェパード号の発電炉不調を理由に、植民地全域に配電制限などの弾圧を加えつつあった。そんな状況下、セナーセー市の医師カドムは、《海の一統》のアクリラから緊急の要請を受ける。街に謎の疫病が蔓延しているというのだが……小川一水が満を持して放つ全10巻の新シリーズ開幕篇。
          (「内容紹介」より)

          第50回(2019年)

          飛浩隆 : 零號琴

            はるかな未来、特種楽器技芸士のセルジゥ・トロムボノクと相棒シェリュバンは、大富豪のパウル・フェアフーフェンの誘いで惑星“美縟”に赴く。そこでは首都“磐記”全体に配置された古の巨大楽器“美玉鐘”の500年ぶりの再建を記念し、全住民参加の假面劇が演じられようとしていた。やがて来たる上演の夜、秘曲“零號琴”が暴露する美縟の真実とは?飛浩隆、16年ぶりとなる第二長篇。
            (「BOOK」データベースより)

            第49回(2018年)

            宮内悠介 : あとは野となれ大和撫子

              中央アジアのアラルスタン。ソビエト時代の末期に建てられた沙漠の小国だ。この国では、初代大統領が側室を囲っていた後宮を将来有望な女性たちの高等教育の場に変え、様々な理由で居場所を無くした少女たちが、政治家や外交官を目指して日夜勉学に励んでいた。日本人少女ナツキは両親を紛争で失い、ここに身を寄せる者の一人。後宮の若い衆のリーダーであるアイシャ、姉と慕う面倒見の良いジャミラとともに気楽な日々を送っていたが、現大統領が暗殺され、事態は一変する。国の危機にもかかわらず中枢を担っていた男たちは逃亡し、残されたのは後宮の少女のみ。彼女たちはこの国を―自分たちの居場所を守るため、自ら臨時政府を立ち上げ、「国家をやってみる」べく奮闘するが…!?内紛、外交、宗教対立、テロに陰謀、環境破壊と問題は山積み。それでも、つらい今日を笑い飛ばして明日へ進み続ける彼女たちが最後に掴み取るものとは―?
              (「BOOK」データベースより)

              第48回(2017年)

              小林泰三 : ウルトラマンF

                ウルトラマンが去った後の地球で―世界各国はウルトラマン不在の状況で、迫り来る異星人や怪獣に対抗する戦力の開発を進めていた。日本の科学特捜隊は、ウルトラマンだった男―早田進の身体の秘密を探る調査実験を行っていたが、かつてメフィラス星人によって巨大化させられた富士明子が、実験事故に巻き込まれたことで再びあのときの姿に戻ってしまう!やがて、ビースト・ザ・ワン、棲星怪獣ジャミラ、暗黒破壊神、Uキラーザウルス、そしてハイパーゼットンといった恐るべき脅威が次々と来襲する。巨大化した明子は地球を守るため、井手光弘たちが開発した異星超技術のアーマーを装備して戦うが、その最中、謎の光に包まれて―。「これこそはパターン・ウルトラ!」井手が叫ぶ言葉の先に、銀色に光輝く巨人が現れて…。誰も見たことのないウルトラの戦士、ここに誕生!!
                (「BOOK」データベースより)

                第47回(2016年)

                梶尾真治 : 怨讐星域

                  太陽のフレア膨張による地球消滅から逃れるため、アジソン米大統領と選ばれた3万人だけを乗せた世代間宇宙船ノアズ・アークが、密やかに出航した。残された人々はノアズ・アークを呪い、大統領の娘ナタリーの恋人が発明した星間転移で決死の脱出を図った―。2つの人類の目標は、172光年先にある約束の地。生き残りを賭け闘う人間それぞれの受難、愛憎、そして希望を通して、世界の喪失と再生を描く、SF大河ロマン。
                  (「BOOK」データベースより)

                  第46回(2015年)

                  藤井太洋 : オービタル・クラウド

                    2020年、流れ星の発生を予測するWebサイト〈メテオ・ニュース〉を運営する木村和海は、イランが打ち上げたロケットブースターの2段目〈サフィール3〉が、大気圏内に落下することなく、逆に高度を上げていることに気づく。シェアオフィス仲間である天才的ITエンジニア沼田明利の協力を得て、〈サフィール3〉のデータを解析する和海は、世界を揺るがすスペーステロ計画に巻き込まれて――日本SF大賞受賞の傑作長篇
                    (「内容紹介」より)

                    第45回(2014年)

                    小川一水 : コロロギ岳から木星トロヤへ

                      西暦2231年、木星前方トロヤ群の小惑星アキレス。戦争に敗れたトロヤ人たちは、ヴェスタ人の支配下で屈辱的な生活を送っていた。そんなある日、終戦広場に放算された宇宙戦艦に忍び込んだ少年リュセージとワランキは信じられないものを目にする。いっぽう2014年、北アルプス・コロロギ岳の山頂観測所。太陽観測に従事する天文学者、岳樺百葉のもとを訪れたのは…。21世紀と23世紀を“つないで”描く異色の時間SF長篇。
                      (「BOOK」データベースより)

                      第44回(2013年)

                      円城塔、伊藤計劃 : 屍者の帝国

                        屍者化の技術が全世界に拡散した19世紀末、英国秘密諜報員ワトソンの冒険が始まる。未完の絶筆を円城塔が完成させた超話題作。
                        (「内容紹介」より)

                        第43回(2012年)

                        小林泰三 : 天獄と地国

                          頭上に地面、足下に星空が広がる世界。人々は僅かな資源を分け合い村に暮らしていた。村に住めない者たちは「空賊」となり村々から資源を掠め取るか、空賊の取りこぼしを目当てに彷徨う「落穂拾い」になるしかない。世界の果てにもっと人間の暮らしやすい別天地があると確信した、落穂拾い四人組のリーダー・カムロギは、多くの敵と生き残りを賭けた戦いを繰り返し、楽園をめざす旅を続ける―。傑作短篇の長篇化完全版。
                          (「BOOK」データベースより)

                          第42回(2011年)

                          山本弘 : 去年はいい年になるだろう

                            24世紀からやってきた“彼ら”の目的は、「人を不幸から守ること」だった…。米国同時多発テロも、あの大地震も、犠牲者はゼロ。
                            (「BOOK」データベースより)

                            第41回(2010年)

                            栗本薫 : グイン・サーガ

                              中原の由緒正しき王国パロは、新興モンゴールの侵略の前に一夜にして滅び去った。王家の血をひくリンダとレムスの双子の姉弟は、ある力によって妖魔の跳梁する辺境の森に逃れた。だが追手の厳しい追及は、たちまち3人を窮地に追い込む。そのとき忽然とあらわれた豹頭人身の怪人・グインが二人を救い出すのだった! 壮大な構想のもとに繰り広げられる絢爛たるドラマの開幕!
                              (「内容紹介」より)

                              第40回(2009年)

                              伊藤計劃 : ハーモニー

                                21世紀後半、“大災禍”と呼ばれる世界的な混乱を経て、人類は大規模な福祉厚生社会を築きあげていた。医療分子の発達で病気がほぼ放逐され、見せかけの優しさや倫理が横溢する“ユートピア”。そんな社会に倦んだ3人の少女は餓死することを選択した―それから13年。死ねなかった少女・霧慧トァンは、世界を襲う大混乱の陰に、ただひとり死んだはずの少女の影を見る―『虐殺器官』の著者が描く、ユートピアの臨界点。
                                (「BOOK」データベースより)

                                第39回(2008年)

                                有川浩 : 図書館戦争
                                • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆

                                2019年。公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる『メディア良化法』の成立から30年。日本はメディア良化委員会と図書隊が抗争を繰り広げていた。笠原郁は、図書特殊部隊に配属されるが……。
                                (「内容紹介」より)

                                第38回(2007年)

                                小松左京、谷甲州 : 日本沈没・第二部

                                  空前のベストセラー『日本沈没』の発表から33年、著者・小松左京氏がどうしても書きたかった「列島沈没後」の日本人の姿。国土を失った人々はパプアニューギニアや中央アジアなど世界各地に入植、それでも政府機能だけはオーストラリアで維持されていた。国家の再興をかけ政府が取り組む2つの巨大プロジェクト。日本海に人工の陸地を建設するメガフロート構想とあらゆる気象データをスーパーコンピュータで解析して未来を予測する地球シミュレータ。日本人が自らのアイデンティーを確立しようとする矢先、世界を震撼させる驚愕の事実が明らかになる。
                                  (「内容紹介」より)

                                  第37回(2006年)

                                  新城カズマ : サマー/タイム/トラベラー

                                    あの奇妙な夏、未来に見放されたぼくらの町・辺里で、幼馴染みの悠有は初めて時空を跳んだ―たった3秒だけ未来へ。「お山」のお嬢様学校に幽閉された響子の号令一下、コージンと涼とぼく、そして悠有の高校生5人組は、「時空間跳躍少女開発プロジェクト」を開始した。無数の時間SFを分析し、県道での跳躍実験に夢中になったあの夏―けれど、それが悠有と過ごす最後の夏になろうとは、ぼくには知るよしもなかった。
                                    (「BOOK」データベースより)

                                    第36回(2005年)

                                    笹本祐一 : ARIEL

                                      美形艦長アバルト・ハウザーの率いる宇宙からの侵略戦艦オルクスが地球にやって来た。あわてふためく各国首脳を尻目に、日本の誇るマッドサイエンティスト、国立科学研究所所長・岸田博士は、自からの開発した女性型巨大ロボット・エリアルに、姪と孫娘二人を乗り込ませて迎撃を開始したが―。星雲賞日本長編部門賞を受賞した人気シリーズが、ノベルス合本で大復活。巻末特別書き下ろし「マイナス1話 はじめて歩いた日」150枚併録。
                                      (「BOOK」データベースより)

                                      第35回(2004年)

                                      小川一水 : 第六大陸

                                        西暦2025年。サハラ、南極、ヒマラヤ―極限環境下での建設事業で、類例のない実績を誇る御鳥羽総合建設は、新たな計画を受注した。依頼主は巨大レジャー企業会長・桃園寺閃之助、工期は10年、予算1500億、そして建設地は月。機動建設部の青峰は、桃園寺の孫娘・妙を伴い、月面の中国基地へ現場調査に赴く。だが彼が目にしたのは、想像を絶する苛酷な環境だった―民間企業による月面開発計画「第六大陸」全2巻着工。
                                        (「BOOK」データベースより)

                                        第34回(2003年)

                                        野尻抱介 : 太陽の簒奪者

                                          西暦2006年、水星から突如として噴き上げられた鉱物資源は、やがて太陽をとりまく直径8000万キロのリングを形成しはじめた。日照量の激減により、破滅の危機に瀕する人類。いったい何者が、何の目的でこの巨大リングを創造したのか?―異星文明への憧れと人類救済という使命の狭間で葛藤する科学者・白石亜紀は、宇宙艦ファランクスによる破壊ミッションへと旅立つが…。新世紀ハードSFの金字塔、ついに文庫化。
                                          (「BOOK」データベースより)

                                          第33回(2002年)

                                          野尻抱介 : ふわふわの泉

                                            浜松西高校化学部部長、浅倉泉のモットーは、“楽に生きたい”。文化祭を目前に控えた泉は、ただ一人の部員保科昶と展示物質を生成する化学実験を行なっていた。だが、その時、学校に雷が直撃!実験が失敗したと落胆する泉の目前には、空気中に浮かぶシャボン玉のような粒子が生まれていた。ダイヤモンドよりも硬く、空気よりも軽いその物質に泉は“ふわふわ”という名前をつけ、一儲けしようとするのだが…。星雲賞受賞作家がついに登場。
                                            (「BOOK」データベースより)

                                            第32回(2001年)

                                            菅浩江 : 永遠の森 博物館惑星

                                              全世界の芸術品が収められた衛星軌道上の巨大博物館〈アフロディーテ〉。そこでは、データベース・コンピュータに直接接続した学芸員たちが、日々搬入されるいわく付きの物品に対処するなかで、芸術にこめられた人びとの想いに触れていた。切なさの名手が描く美をめぐる9つの物語
                                              (「内容紹介」より)

                                              第31回(2000年)

                                              神林長平 : グッドラック、戦闘妖精・雪風

                                                突如、地球への侵攻を開始した未知の異星体ジャム。これに対峙すべく人類は実戦組織FAFをフェアリイ星に派遣、特殊戦第五飛行戦隊に所属する深井零もまた、戦術戦闘電子偵察機・雪風とともに熾烈な戦闘の日々を送っていた。だが、作戦行動中に被弾した雪風は、零を機外へと射出、自己のデータを最新鋭機へと転送する―もはや人間は必要ないと判断したかのように。人間と機械の相克を極限まで追求したシリーズ第2作。
                                                (「BOOK」データベースより)

                                                第30回(1999年)

                                                笹本祐一 : 彗星狩り

                                                  有人宇宙船を飛ばし、最初に彗星にたどりついたものが、その権利を得る―倒産した大手企業が進めていた、彗星を捕獲して宇宙空間での水資源を確保するというプロジェクトの権利の行方は、壮大な宇宙レースの結果にゆだねられることになった。別れた元亭主・劉健の狙いが彗星にあるのを知ったジェニファーは対抗意識を燃やして直ちにエントリーし、無謀としか言いようのないレースに挑むことにしたが―。
                                                  (「BOOK」データベースより)

                                                  第29回(1998年)

                                                  神林長平 : 敵は海賊・A級の敵

                                                    星から星へ渡り歩き、どの星系にも属さない宇宙キャラバンのひとつマグファイヤ・キャラバンが破壊された。居住船を兼ねた司令船を中心に数十から数百という動力付コンテナをほとんど破壊しつくすというのは、並大抵のものではない。海賊課は宇宙刑事セレスタンに遭難原因の究明を命じた。ところがそこに、ラテルチームの宿敵が乗り出してきたのだ。―新キャラクターを加えて、シリーズますます快調。
                                                    (「BOOK」データベースより)

                                                    第28回(1997年)

                                                    森岡浩之 : 星界の紋章
                                                    • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆

                                                    惑星マーティンの平和は突如襲来した宇宙艦隊によって破られた。侵略者はアーヴ、遺伝子改造によって宇宙空間に適応した人類の子孫だという。彼らの強大な軍事力の前に全面降伏の道を選んだ惑星政府主席の決断は、その息子ジントの将来を大きく変えた! SFマインドたっぷりに描くスペース・オペラ大作開幕篇
                                                    (「内容紹介」より)

                                                    第27回(1996年)

                                                    眉村卓 : 引き潮のとき

                                                      人類が宇宙に進出し、居住可能な惑星に植民するとして、どんな状況が現出するのであろうか。植民世界がしだいに建設されるとき、教育と訓練を受けた司政官と呼ばれる人間が、理屈の上では公平無私のロボット官僚たちを駆使して、その植民世界を統治するかもしれない。―司政官シリーズは、この一見統一されたかたちの中での司政官を描こうとするうちに生まれた。が…少し考えれば自明のように、それは連邦と植民世界、植民者と現住種族との間に立つ、矛盾した存在である。『引き潮のとき』は、その矛盾のうちに連邦から自己の世界を混乱に導く使命を与えられて赴任し、しかも司政官制度退潮の中でおのが何をし、どうあるべきかを追られなければならなかった男の物語というわけなのだ。社会と個人の関係に、透徹した視線を向け続ける著者のライフワーク。
                                                      (「BOOK」データベースより)

                                                      第26回(1995年)

                                                      山田正紀 : 機神兵団

                                                        昭和十二年、上海、人類は初めてエイリアンからの襲撃をうけた。ところが、赤い光を明滅させながら機械のように進む敵兵に対して、海軍陸戦隊の砲撃はおろか、いかなる攻撃もまったく通用しなかったのだ。参謀本部はエイリアンに対抗するために、三体の機神―「竜神」「雷神」「風神」を製造し、榊大作、真澄公彦、白蘭化(バーレーホー)の三人にこれを託すことになったのだが…。機神兵団対エイリアンの壮絶なる戦いが今始まる。
                                                        (「BOOK」データベースより)

                                                        第25回(1994年)

                                                        谷甲州 : 終わりなき索敵

                                                          2020年代、地球からの自由を求めて勃発した第一次惑星動乱を、航空宇宙軍は圧倒的な力で鎮圧した。それから11年後、射手座方向から太陽系にむかって急接近してくる物体があった。射手座重力波源と呼ばれるこの飛行物を観測するため、航空宇宙軍は人類初の外宇宙観測艦ユリシーズを探査に向かわせるが…乗員たちが見たのは、汎銀河連合により滅亡の道をたどる人類の姿だった。航空宇宙軍史最大のクライマックスが始まる。
                                                          (「BOOK」データベースより)

                                                          第24回(1993年)

                                                          柾悟郎 : ヴィーナス・シティ

                                                            森口咲子、26歳、現在独身。職業は不良会社員。そんなあたしが、夜ごとコンピュータ・ネットワーク・ゲーム用の転換ルームをくぐり抜け、男性のボディを身にまとう―ジェンダーさえもが望みどおりとなる、コンピュータ・ネット上に構築されたヴァーチャル都市「ヴィーナス・シティ」が多発する暴力事件は国際的情報犯罪の布石だった。21世紀初頭、巨大ネットワーク国家となった日本を描いた第14回日本SF大賞受賞作。
                                                            (「BOOK」データベースより)

                                                            第23回(1992年)

                                                            菅浩江 : メルサスの少年

                                                              辺境の荒野に囲まれた〈螺旋の街〉。そこは貴重な鉱石パラサンサを採掘する男相手の歓楽街、女ばかりの街だった。ある時、予言者の孫娘カレンシアが街に逃げてきた。彼女は、パラサンサを独占して世界の支配を狙う「トリネキシア商会」の軍隊に追われていたのだった。街でたった一人の少年イェノムは彼女をかくまうが、トリネキシアの魔手は〈螺旋の街〉にも忍び寄っていた…。
                                                              (「BOOK」データベースより)

                                                              第22回(1991年)

                                                              大原まり子 : ハイブリッド・チャイルド

                                                                長期にわたるアディアプトロン機械帝国との闘いに終止符を打つべく、最終兵器が軍の施設内でひそかに研究・開発された。組み替え自在の特殊金属ユニットの骨組みに、バイオ技術で創り上げた細胞を肉付けした宇宙戦闘用生体メカニックのサンプルB群。そのうちの一機が意志を持ち、軍から脱走した。さまざまな形にメタモルフォーゼしながら逃亡の旅を続ける脱走者の運命は…。幻惑の未来を描く星雲賞受賞の本格SFの傑作。
                                                                (「BOOK」データベースより)

                                                                第21回(1990年)

                                                                夢枕獏 : 上弦の月を喰べる獅子

                                                                  あらゆるものを螺旋として捉え、それを集め求める螺旋蒐集家は、新宿のとあるビルに、現実には存在しない螺旋階段を幻視した。肺を病む岩手の詩人は、北上高地の斜面に、彼にしか見えない巨大なオウム貝の幻を見た。それぞれの螺旋にひきこまれたふたりは、混沌の中でおのれの修羅と対峙する……ベストセラー作家、夢枕獏が仏教の宇宙観をもとに進化と宇宙の謎を解き明かした空前絶後の物語。第10回日本SF大賞受賞作。
                                                                  (「内容紹介」より)

                                                                  第20回(1989年)

                                                                  堀晃 : バビロニア・ウェーブ

                                                                    太陽系から3光日の距離に発見された、銀河面を垂直に貫く直径1200キロ、全長5380光年に及ぶレーザー光束―バビロニア・ウェーブ。いつから、なぜ存在するのかはわからない。ただ、そこに反射鏡を45度角で差し入れれば人類は膨大なエネルギーを手中にできる。傍らに送電基地が建造されたが、そこでは極秘の計画が進行していた。日本ハードSFを代表する傑作。星雲賞受賞。
                                                                    (「BOOK」データベースより)

                                                                    第19回(1988年)

                                                                    田中芳樹 : 銀河英雄伝説

                                                                      宇宙暦八世紀、人類は二陣営に分かれていた。銀河帝国VS.自由惑星同盟。若き二人の天才の出現がその均衡を破った。帝国軍上級大将・ラインハルト、そして同盟軍きっての用兵家ヤン・ウェンリー。帝国軍は反旗をひるがえす同盟に向けて遠征を開始する。迎え撃つ同盟軍。アスターテにおいて両軍は激突した!それは二人が宿命のライバルとなる戦いの幕開けでもあった…。
                                                                      (「BOOK」データベースより)

                                                                      第18回(1987年)

                                                                      神林長平 : プリズム

                                                                        地上3万メートルの都市上空に浮かぶ直径137メートルのソロバン玉の形をしたスーパーコンピュータ―浮遊都市制御体。自動販売機からソフトクリームを買うのも、病院で診察を受けるのも、すべてこの都市制御体によって管理・運営されている。だが、神のごとき完璧とも思える都市制御体とコミュニケートできない人々がいた。人間たちには見えるが、都市制御体には見えない彼らは「幽霊」と呼ばれ、警察機構から追われる。都市制御体が支配する世界では、存在することが許されない「幽霊」なのだ―俊英が奔放な想像力で描き出す傑作SF!
                                                                        (「BOOK」データベースより)

                                                                        第17回(1986年)

                                                                        高千穂遙 : ダーティペアの大逆転

                                                                          あたしたちケイとユリは、銀河系のはじの鉱業惑星チャクラへ送り込まれた。鉱山技師の一人が未知の獣に襲われたからだ。襲われたといっても、全治三日のけが。どうして、WWWA(世界福祉事業協会)随一のトラコンであるあたしたちが行かなきゃならないの?と思ったのだが―。鉱山のオーナーに市長、宗教集団の長=マスターの三人のリーダーの思惑が交錯するチャクラで、ハンサムなシェリフとともに真相究明に乗り出したあたしたち二人の前に、意外な事実が現われた。大人気ダーティペアの活躍を描く、ベストセラー・シリーズ第2弾!
                                                                          (「BOOK」データベースより)

                                                                          第16回(1985年)

                                                                          神林長平 : 戦闘妖精・雪風

                                                                            南極大陸に突如出現した超空間通路によって、地球への侵攻を開始した未知の異星体「ジャム」。反撃を開始した人類は、「通路」の彼方に存在する惑星フェアリイに実戦組織FAFを派遣した。戦術戦闘電子偵察機・雪風とともに、孤独な戦いを続ける特殊戦の深井零。その任務は、味方を犠牲にしてでも敵の情報を持ち帰るという非情かつ冷徹なものだった―。発表から20年、緻密な加筆訂正と新解説・新装幀でおくる改訂新版。
                                                                            (「BOOK」データベースより)

                                                                            第15回(1984年)

                                                                            神林長平 : 敵は海賊・海賊版

                                                                              ロングピース社が開発した著述支援用人工知能CAWシステムが出力する、悪名高き宇宙海賊・〓(とう)冥の物語―火星の赤い砂漠の町サベイジのバー“軍神”で、〓(とう)冥はフィラール星の女官長シャルファフィンと名乗る女の訪問を受け、火星で行方不明になったという王女の捜索を依頼されるが…王女捜索に乗り出す〓(とう)冥、それを追う宇宙海賊課のお荷物刑事ラテルとアプロがくりひろげる、記念すべきシリーズ第1長篇の新装版登場。
                                                                              (「BOOK」データベースより)

                                                                              第14回(1983年)

                                                                              小松左京 : さよならジュピター

                                                                                二十二世紀。木星太陽化計画の調査主任本田英二は宇宙考古学者バーナード博士の突然の訪問を受けた。一か月前、火星で発見された巨大な鳥の地上絵に宇宙人のメッセージが秘められていると言うのだ。しかもそのメッセージは木星と深い因果関係があり、解読の為、博士は本田に協力を要請したいという。本田は自らの仕事を中断しての緊急調査を開始するのだが…。
                                                                                (「BOOK」データベースより)

                                                                                第13回(1982年)

                                                                                井上ひさし : 吉里吉里人

                                                                                  ある六月上旬の早朝、上野発青森行急行「十和田3号」を一ノ関近くの赤壁で緊急停車させた男たちがいた。「あんだ旅券ば持って居だが」。実にこの日午前六時、東北の一寒村吉里吉里国は突如日本からの分離独立を宣言したのだった。政治に、経済に、農業に医学に言語に……大国日本のかかえる問題を鮮やかに撃つおかしくも感動的な新国家。日本SF大賞、読売文学賞受賞作。
                                                                                  (「内容紹介」より)

                                                                                  第12回(1981年)

                                                                                  川又千秋 : 火星人先史

                                                                                    第11回(1980年)

                                                                                    山田正紀 : 宝石泥棒

                                                                                      もっとも固く禁じられていること―いとことの恋におちいってしまった甲虫の戦士ジローは旅に出た。かつて、すべての人々のものであった宝石〈月〉を探し出し、奪い返せば、ジローの望みはかなうという。牡牛の頭の仮面をかぶった女呪術師ザウアーと、神の寵児〈バム〉チャクラという旅の友を得たジローは、巨大な魚が空を飛ぶジャングル、体長3メートルを越えるイナゴが跋扈する草原、火を吹くサラマンドラが巣くう砂漠を、〈月〉の手がかりを求めて進んでいくが…奔放なイマジネーションで、独自の幻想的未来を描き出した星雲賞受賞作。
                                                                                      (「BOOK」データベースより)

                                                                                      第10回(1979年)

                                                                                      眉村卓 : 消滅の光輪

                                                                                        植民星ラクザーンでは、人類と瓜二つの穏和な先住民と、地球人入植者とが平和裡に共存し発展を謳歌していた。だがその恒星系の太陽が、遠からず新星化する。数年内に惑星のすべての住民を待避させよ――。新任司政官マセ・PPKA4・ユキオはロボット官僚を率い、この空前ともいえる任務に着手するが。緻密な設定のもと周到なオペレーションを描きあげ、《司政官》シリーズの最高作にして眉村本格SFの代表作と謳われる傑作巨編。
                                                                                        (「内容紹介」より)

                                                                                        第9回(1978年)

                                                                                        山田正紀 : 地球・精神分析記録(エルド・アナリュシス)

                                                                                          第8回(1977年)

                                                                                          かんべむさし : サイコロ特攻隊

                                                                                            1977年、第8回星雲賞受賞作。近未来、戦争に突入した日本。海上封鎖をされ危機に陥った中、コンピュータがはじきだした最良の作戦は、「特攻」だった。
                                                                                            (「BOOK」データベースより)

                                                                                            第7回(1976年)

                                                                                            筒井康隆 : 七瀬ふたたび

                                                                                              生れながらに人の心を読むことができる超能力者、美しきテレパス火田七瀬は、人に超能力者だと悟られるのを恐れて、お手伝いの仕事をやめ、旅に出る。その夜汽車の中で、生れてはじめて、同じテレパシーの能力を持った子供ノリオと出会う。その後、次々と異なる超能力の持主とめぐり会った七瀬は、彼らと共に、超能力者を抹殺しようとたくらむ暗黒組織と、血みどろの死闘を展開する。
                                                                                              (「内容紹介」より)

                                                                                              第6回(1975年)

                                                                                              筒井康隆 : おれの血は他人の血
                                                                                              • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆

                                                                                              第5回(1974年)

                                                                                              小松左京 : 日本沈没

                                                                                                伊豆諸島・鳥島の東北東で一夜にして小島が海中に没した。現場調査に急行した深海潜水艇の操艇者・小野寺俊夫は、地球物理学の権威・田所博士とともに日本海溝の底で起きている深刻な異変に気づく。折から日本各地で大地震や火山の噴火が続発。日本列島に驚くべき事態が起こりつつあるという田所博士の警告を受け、政府も極秘プロジェクトをスタートさせ、日本人を全員海外へ移住させるべく、極秘裏に世界各国との交渉に入った。小野寺も姿を隠して、計画に参加するが、関東地方を未曾有の大地震が襲い、東京は壊滅状態となってしまう。そして日本沈没の日は予想外に早くやってきた。日本人は生き残れるのか。全国民必読。
                                                                                                (「内容紹介」より)

                                                                                                第4回(1973年)

                                                                                                広瀬正 : 鏡の国のアリス
                                                                                                • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆

                                                                                                銭湯の湯舟に浸かりゆったりとくつろいでいた青年・木崎浩一は、ふと気がつくといつの間にか女湯に入っていた。なんとか銭湯から出た浩一だが、どうも街の様子が今までと違って見える。時計は左回りで目に見える文字は鏡文字。なぜか浩一は左右が入れ替わった世界に入ってしまったらしい。住むところもなくした浩一は、科学評論家の朝比奈六郎の世話になるが・・・。広瀬正らしい細部にこだわった遊び心満載のルイス・キャロル「鏡の国のアリス」へのオマージュとなるSF小説。

                                                                                                第3回(1972年)

                                                                                                半村良 : 石の血脈
                                                                                                • 再読度 ☆☆☆:読後感 ☆☆☆

                                                                                                若き建築家隅田賢也は、突然失踪した美しく貞淑な妻・比沙子を探して夜の街をさまよううちに、チャイナドレスを身にまとった比沙子が見知らぬ男に抱かれている現場を目撃した。貞淑な妻がなぜ?彼女の失踪の謎を探る賢也はいつしか底しれぬ怪奇な世界に巻き込まれていく。吸血鬼伝説、人狼伝説、アトランティス、ドルメンの巨石信仰、更にイスラムの暗殺教団まで交えて進行するすごい伝奇小説の傑作。

                                                                                                第2回(1971年)

                                                                                                小松左京 : 継ぐのは誰か?

                                                                                                  「チャーリイを殺す」―ヴァージニア大学都市のサバティカル・クラスの学生達に送られてきたこのメッセージは、単なる殺人予告ではなく、“人類への挑戦”だった!人類の科学技術を超えた手段で攻撃を仕掛けてくる“何者か”を追って、舞台はアマゾンへと移るのだが…。人類は果たして地球の“最終王朝”なのか、それとも“後継者”が現れてくるのか。
                                                                                                  (「BOOK」データベースより)

                                                                                                  第1回(1970年)

                                                                                                  筒井康隆 : 霊長類南へ

                                                                                                    毎読新聞の記者澱口は、恋人の珠子をベッドに押し倒していた。珠子が笑った。「どうしたのよ、世界の終りがくるわけでもあるまいし」その頃、合衆国大統領は青くなっていた。日本と韓国の基地に原爆が落ちたのだ。大統領はホットラインに手を伸ばした。だが遅かった。原爆はソ連にも落ち、それをアメリカの攻撃と思ったソ連はすでにミサイルを。ホテルを出た澱口と珠子は、凄じい混乱を第三京浜に見た。破滅を知った人類のとめどもない暴走が始ったのだ。
                                                                                                    (「BOOK」データベースより)