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泉鏡花文学賞を受賞した作品の一覧です。

泉鏡花文学賞受賞作

泉鏡花文学賞は泉鏡花の生誕100年を記念して1973年に制定された文学賞です。小説や戯曲などの単行本を対象に「ロマンの薫り高い作品」に与えられ、泉鏡花の生地である金沢市が主催しています。

以下は泉鏡花文学賞の受賞作です。

  • 第50回
    (2022年)

    大濱普美子

    陽だまりの果て

      時空や他己の隔たりを超えて紡がれる、懐古と眩惑に彩られた幻想譚6篇を収録。〈傾聴ボランティア〉の派遣先で出会った老婦人の作り話とも真実ともつかない昔語りと、主人公の過去現在が絡み合う交感の物語(「ツメタガイの記憶」) 。行きつ戻りつ繰り返される、老人の記憶の窓に映る追想(「陽だまりの果て」)。老いを意識し始めた主人公が姉御肌の老女と出会い、かけがえのないものを託される(「骨の行方」)。
      (「内容紹介」より)

    • 第49回
      (2021年)

      村田喜代子

      姉の島

        85歳超えの退役海女たちは、後進の若者のために潜った海の海図作成に余念がない。カジメやアワビ、海底に突き刺ささる戦時の沈没船、水産大学校出の孫や嫁からきく天皇海山列と春の七草海山……円熟した作家による老女と潜水艦の異色冒険小説。
        (「内容紹介」より)

      • 第48回
        (2020年)

        髙樹のぶ子

        小説伊勢物語 業平

          美麗な容貌と色好みで知られる在原業平の一代記。千年前から読み継がれる歌物語の沃野に分け入り、小説に紡ぐことで、日本の美の源流が立ち現れた。これは文学史上の事件である!
          (「BOOK」データベースより)

        • 第47回
          (2019年)

          田中慎弥

          ひよこ太陽

            道理で女が出てゆくわけだ――。妄想に取り憑かれた作家の姿を描く新しい私小説。今日も死ななかった。あの帽子を見たために、今日も死なずにすんだ――。一緒に住んでいた女に出ていかれ、切り詰めた生活でひたすら小説を書く40代の男。書けない日々が続き、いつしか死への誘惑に取り憑かれた男に、ある日人探しの依頼が届くが……。虚実のあわいで佇む作家の日常を描く連作小説集。芥川賞作家の新境地作。
            (「BOOK」データベースより)

          • 第46回
            (2018年)

            山尾悠子

            飛ぶ孔雀

              庭園で火を運ぶ娘たちに孔雀は襲いかかり、大蛇うごめく地下世界を男は遍歴する。伝説の幻想作家、待望の連作長編小説。
              (「BOOK」データベースより)

            • 第45回
              (2017年)

              松浦理英子

              最愛の子ども

                “パパ”日夏、“ママ”真汐、“王子”空穂。わたしたちの心をかき立てるのは、同級の女子高生三人が演じる疑似家族。時代を切りひらいて来た作家、最新にして最高の傑作!
                (「BOOK」データベースより)

              • 第44回
                (2016年)

                川上弘美

                大きな鳥にさらわれないよう

                  何人もの子供を育てる女たち。回転木馬のそばでは係員が静かに佇む。少女たちは日が暮れるまで緑の庭で戯れ、数字を名にもつ者たちがみずうみのほとりで暮らす。遙か遠い未来、人々は小さな集団に分かれ、密やかに暮らしていた。生きながらえるために、ある祈りを胸に秘め―。滅びゆく世界の、かすかな光を求めて―傑作長篇小説!
                  (「BOOK」データベースより)

                • 第43回
                  (2015年)

                  篠原勝之

                  骨風

                    十七歳、家出少年の人生は、挫折、家族解散、借金返済の自転車操業。老いてなお逃げ続ける脚力で描き切った、崖っぷちの連作集!
                    (「BOOK」データベースより)

                  • 第43回
                    (2015年)

                    長野まゆみ

                    冥途あり

                      川辺の下町、東京・三河島。そこに生まれた父の生涯は、ゆるやかな川の流れのようにつつましくおだやかだった―。そう信じていたが、じつは思わぬ蛇行を繰り返していたのだった。亡くなってから意外な横顔に触れた娘は、あらためて父の生き方に思いを馳せるが…。遠ざかる昭和の原風景とともに描き出すある家族の物語。
                      (「BOOK」データベースより)

                    • 第42回
                      (2014年)

                      小池昌代

                      たまもの

                        40歳になって、別れた恋人から山尾という名の赤ん坊を預かった「わたし」。以来10年余、せんべい工場の契約社員をしながら山尾を育ててきた。知人男性との逢瀬を重ねながらも、山尾に実の息子同然の愛情を注ぐ「わたし」。初老にさしかかり、母と女の狭間を生きる、シングルマザーの日常。
                        (「内容紹介」より)

                      • 第42回
                        (2014年)

                        中島京子

                        妻が椎茸だったころ

                          オレゴンの片田舎で出会った老婦人が、禁断の愛を語る「リズ・イェセンスカのゆるされざる新鮮な出会い」。暮らしている部屋まで知っている彼に、恋人が出来た。ほろ苦い思いを描いた「ラフレシアナ」。先に逝った妻がレシピ帳に残した言葉が、夫婦の記憶の扉を開く「妻が椎茸だったころ」。卒業旅行で訪れた温泉宿で出会った奇妙な男「蔵篠猿宿パラサイト」。一人暮らしで亡くなった伯母の家を訪ねてきた、甥みたいだという男が語る意外な話「ハクビシンを飼う」。5つの短篇を収録した最新作品集。
                          (「内容紹介」より)

                        • 第41回
                          (2013年)

                          磯崎憲一郎

                          往古来今

                            綿々と続く時間の流れのなかで人は何を感じ、受け入れ、進むべき道を選ぶのか――「過去」と「いま」が交錯する比類なき五つの物語。自分のなかの「小説の力」を信じて新境地に挑んだ、芥川賞作家の意欲作!
                            (「BOOK」データベースより)

                          • 第40回
                            (2012年)

                            角田光代

                            かなたの子

                              生まれなかった子が、新たな命を身ごもった母に語りかける。あたしは、海のそばの「くけど」にいるよ―。日本の土俗的な物語に宿る残酷と悲しみが、現代に甦る。闇、前世、道理、因果。近づいてくる身の粟立つような恐怖と、包み込む慈愛の光。時空を超え女たちの命を描ききる傑作短編集。泉鏡花文学賞受賞。
                              (「BOOK」データベースより)

                            • 第39回
                              (2011年)

                              瀬戸内寂聴

                              風景

                                安吾賞受賞とともに、かつての破滅的な恋と死が胸に蘇る「デスマスク」、戦中動乱の北京で運命的に出会った恩人との再会と別れを綴った「絆」、得度を目前にして揺れる女心と、師僧の言葉をはじめて明かした「そういう一日」―。野間文芸賞受賞作『場所』の対をなす、珠玉の短編集。
                                (「BOOK」データベースより)

                              • 第39回
                                (2011年)

                                夢枕獏

                                大江戸釣客伝

                                  時は元禄。旗本、津軽采女は小普請組という閑職がゆえ、釣り三昧の日々を送っている。やがて、義父・吉良上野介の計らいで「生類憐れみの令」を発布した、将軍綱吉に仕えることになるが・・・。同じ頃、絵師朝湖と俳人基角は江戸湾で土左衛門を釣り上げた。果たしてその正体は? 釣りの泥沼から覗く元禄時代。
                                  (「内容紹介」より)

                                • 第38回
                                  (2010年)

                                  篠田正浩

                                  河原者ノススメ-死穢と修羅の記憶

                                    芸能がつくりあげた荒唐無稽こそ、宇宙の片隅で漂う人間の叡智の産物かもしれない。構想50年―日本映画界の旗手が、芸能者たちの“運命”を追跡し、この国の“歴史”が時系列で記される単純化に抗する、渾身の書き下ろし作品。
                                    (「BOOK」データベースより)

                                  • 第37回
                                    (2009年)

                                    千早茜

                                    魚神

                                      遊女屋が軒を連ねる、閉ざされた小さな島。美貌の姉弟は引き裂かれ、姉は女郎、弟は裏華町の男娼を経て、薬売りとして生きている。互いを求める二人の運命が、島の「雷魚伝説」と交錯し…。第21回小説すばる新人賞・泉鏡花文学賞受賞作!
                                      (「内容紹介」より)

                                    • 第36回
                                      (2008年)

                                      南木佳士

                                      草すべり

                                        高校の同級生だった女性から手紙が届き、四十年ぶりに再会して登った浅間山での一日。青春の輝きに満ちていた彼女だったが…。人生の復路に始めた山歩きだからこそ知るかけがえのないものとは。過ぎゆく時のいとおしさが稜線を渡る風とともに身の内を吹きぬける山歩き短篇集。各賞で絶賛された珠玉の四篇収録。
                                        (「BOOK」データベースより)

                                      • 第36回
                                        (2008年)

                                        横尾忠則

                                        ぶるうらんど

                                          生と死のあいだ、此岸と彼岸をただよう永遠の愛の物語(短編連作『ぶるうらんど』第36回泉鏡花文学賞受賞作)に、異国(スペイン、アマゾン、カシミール)を旅する極彩色の幻想奇譚集『ポルト・リガトの館』をあわせて傑作幻想小説集。
                                          (「BOOK」データベースより)

                                        • 第35回
                                          (2007年)

                                          大鷹不二雄

                                          鏡花恋唄

                                          (特別賞の受賞)

                                          • 第35回
                                            (2007年)

                                            立松和平

                                            道元禅師

                                              源平戦乱の余燼さめやらぬ鎌倉初期、京都の摂関家・藤原基房の娘伊子を母に、村上源氏の流れを汲む名門家の歌人・久我通具を父に生まれた道元は、瞳が二重の「重瞳の子」のため天下人か大聖人になるとの予言を受ける。幼少のうちに母を失い世の無常を身に染みて感じた道元は、真実の道を求めて出家。建仁寺で栄西の弟子・明全に師事したが、正法を求める思い止み難く宋へと向かった。仏教の革命者の全生涯を描いた初の大河小説。第三十五回泉鏡花文学賞・第五回親鸞賞。
                                              (「BOOK」データベースより)

                                            • 第34回
                                              (2006年)

                                              嵐山光三郎

                                              悪党芭蕉

                                                ならず者と遊び人が集った蕉門、美男弟子との衆道関係、あの句にこめられた危険な秘密…いつしか神格化され「求道の人」のアイドルとなった松尾芭蕉。しかしその素顔は、芥川龍之介に「日本の生んだ三百年前の大山師」と言わしめるほど、凄腕の不良だった!「俳聖」を敢えて俗人と同じレベルで再考し、犯罪すれすれのところに成立した俳諧の真の凄味に迫る、画期的芭蕉論。第34回泉鏡花文学賞&第58回読売文学賞W受賞。
                                                (「BOOK」データベースより)

                                              • 第33回
                                                (2005年)

                                                寮美千子

                                                楽園の鳥-カルカッタ幻想曲-

                                                  仕事が成功しても、孤独な心は癒せない。消えた恋人を追い「世界の果て」へとさまよいでたミチカは、三十代の童話作家。バンコク・カルカッタ・カトゥマンドゥ・ヒマラヤ山中、そしてベンガル湾。混沌の都市と美しい自然を舞台に傷ついた心が交錯する。ガンジスの源流から河口までを巡る旅に救いはあるのか?死ぬほど美し大地を見下ろしながら、脚のない「楽園の鳥」は飛びつづける。ディープ・アジアを旅する恋愛冒険紀行小説。
                                                  (「BOOK」データベースより)

                                                • 第32回
                                                  (2004年)

                                                  小川洋子

                                                  ブラフマンの埋葬

                                                    ある出版社の社長の遺言によって、あらゆる種類の創作活動に励む芸術家に仕事場を提供している“創作者の家”。その家の世話をする僕の元にブラフマンはやってきた―。サンスクリット語で「謎」を意味する名前を与えられた、愛すべき生き物と触れ合い、見守りつづけたひと夏の物語。第32回泉鏡花賞受賞作。
                                                    (「BOOK」データベースより)

                                                  • 第31回
                                                    (2003年)

                                                    丸谷才一

                                                    輝く日の宮

                                                      女性国文学者・杉安佐子は『源氏物語』には「輝く日の宮」という巻があったと考えていた。水を扱う会社に勤める長良との恋に悩みながら、安佐子は幻の一帖の謎を追い、研究者としても成長していく。文芸批評や翻訳など丸谷文学のエッセンスが注ぎ込まれ、章ごとに変わる文章のスタイルでも話題を呼んだ、傑作長編小説。朝日賞・泉鏡花賞受賞作。
                                                      (「BOOK」データベースより)

                                                    • 第31回
                                                      (2003年)

                                                      桐野夏生

                                                      グロテスク

                                                        名門Q女子高に渦巻く女子高生たちの悪意と欺瞞。「ここは嫌らしいほどの階級社会なのよ」。悪魔的な美貌を持つニンフォマニアのユリコ、競争心をむき出しにし、孤立する途中入学組の和恵。ユリコの姉である“わたし”は二人を激しく憎み、陥れようとする。圧倒的な筆致で現代女性の生を描ききった、桐野文学の金字塔。
                                                        (「BOOK」データベースより)

                                                      • 第30回
                                                        (2002年)

                                                        野坂昭如

                                                        「文壇」およびそれに至る文業

                                                        個々の作品ではなく野坂昭如氏の功績を称えています。

                                                        • 第29回
                                                          (2001年)

                                                          久世光彦

                                                          蕭々館日録

                                                            夜ごと「蕭々館」でくりひろげられる、文学談義、名文暗誦合戦、そして嘘か真か判然としない話の数々…。芥川龍之介、菊池寛、小島政二郎。青春をともにした三人の作家を描きながら「大正」という時代への想いを綴る傑作長篇。泉鏡花文学賞受賞作。
                                                            (「BOOK」データベースより)

                                                          • 第29回
                                                            (2001年)

                                                            笙野頼子

                                                            幽界森娘異聞

                                                              五感で選び取った世界を唯一無二の絢爛たる文章で描き、今も熱心に読み継がれ愛される作家、「森娘」。春の日、雑司が谷の路上で主人公は彼女の姿を?「贅沢貧乏を読むまで人は死ねない」と断言する著者が無上の愛と敬意をもって織りなし時空を震わす、作家同士、魂と言葉の一大セッション。泉鏡花文学賞受賞作。
                                                              (「BOOK」データベースより)

                                                            • 第28回
                                                              (2000年)

                                                              多和田葉子

                                                              ヒナギクのお茶の場合

                                                                緑の髪の舞台美術家と小説家のわたしの交友を描いてえもいわれぬ可笑しみを湛えた表題作、恋愛小説ぐるいの少女が“ボクトーキタン”を追体験する「所有者のパスワード」ほか全8篇。日本語小説の閾を見据えたスリリングな最新短篇集。
                                                                (「BOOK」データベースより)

                                                              • 第27回
                                                                (1999年)

                                                                吉田知子

                                                                箱の夫

                                                                  夫を運ぶのにちょうどいい大きさの箱はあるかしら?“小さな”夫との奇妙で幸福な日々。しかし、ある日…。たしかな手ごたえを持っていたはずの現実が、ふとあやうくなる瞬間を鮮やかに描き出す、待望の作品集。
                                                                  (「BOOK」データベースより)

                                                                • 第27回
                                                                  (1999年)

                                                                  種村季弘

                                                                  種村季弘のネオ・ラビリントス 幻想のエロス ほか

                                                                    単行本から未収録作品まで、各巻毎にテーマ別に分類し、種村季弘の新たな迷宮世界を現出させた待望の著作集。
                                                                    (「BOOK」データベースより)

                                                                  • 第26回
                                                                    (1998年)

                                                                    田辺聖子

                                                                    道頓堀の雨に別れて以来なり─川柳作家・岸本水府とその時代

                                                                      大阪の川柳結社「番傘」を率いた岸本水府と、川柳に生涯を賭けた盟友たち…。川柳への深い造詣と敬愛で、その豊醇、肥沃な文学的魅力を描き尽す伝記巨篇。上巻は、若き水府と、柳友たちとの出会い、「番傘」創刊、大正柳壇の展望から新興川柳の抬頭までを描く。
                                                                      (「BOOK」データベースより)

                                                                    • 第25回
                                                                      (1997年)

                                                                      村松友視

                                                                      鎌倉のおばさん

                                                                        父であり祖父である村松梢風の、最後の道連れだったひと。母であり祖母である梢風の妻に育てられた私にとって、梢風とそのひとが暮らす鎌倉の家は特別な場所だった。放蕩三味の文人梢風との生活のなかで、そのひとは、年齢や経歴をさまざまに偽って人生を紡ぎだしてゆき、それはいつしか、父も母も死んだと言い聞かされて育てられた私の、出生と生い立ちへの思いに、複雑に交錯してゆく…。村松家の秘められた物語。
                                                                        (「BOOK」データベースより)

                                                                      • 第25回
                                                                        (1997年)

                                                                        京極夏彦

                                                                        嗤う伊右衛門

                                                                        • 再読度 ☆:読後感 ☆☆

                                                                        ミステリー作家京極夏彦が、斬新な解釈を施して現代に蘇らせた「四谷怪談」。4世鶴屋南北の最高傑作とされる『東海道四谷怪談』とは趣の異なる、凛とした岩の姿が強く心に残る作品である。直助やお袖、宅悦や喜兵衛、お梅といった南北版の登場人物に、自身の著作『巷説百物語』の主人公又市をからませながら、伊右衛門とお岩が繰り広げる凄惨な怪談話を、悲恋の物語へと昇華させている。第25回泉鏡花文学賞受賞作品。
                                                                        (「BOOK」データベースより)

                                                                      • 第24回
                                                                        (1996年)

                                                                        柳美里

                                                                        フルハウス

                                                                          「家を建てる」が口癖だった父は、理想の家族を夢みて、本当に家を建ててしまう。しかし、娘たちも、十六年前に家を出た妻もその家には寄りつかなかった。そこで、父はホームレスの一家を家に招き、一緒に暮らし始めるのだが…。第18回野間文芸新人賞、第24回泉鏡花文学賞受賞の表題作のほか、不倫の顛末を通して家族の不在をコミカルに描いた「もやし」を収録。
                                                                          (「BOOK」データベースより)

                                                                        • 第24回
                                                                          (1996年)

                                                                          山田詠美

                                                                          アニマル・ ロジック

                                                                            主人公は、ヤスミン。黒い肌の美しき野獣。人間の動物園、マンハッタンに棲息中。あらゆる本能を手下にして幸福をむさぼる彼女は、言葉よりも、愛の理論よりも、とりこになった五感のせつなさを信じている。物語るのは、私。かねてヤスミンとは、一喜一憂を共にしてきた。なにせ彼女の中を巡り流れる「無垢」に、棲みついている私だから…。小説の奔流、1000枚の至福。泉鏡花賞。
                                                                            (「BOOK」データベースより)

                                                                          • 第23回
                                                                            (1995年)

                                                                            辻章

                                                                            夢の方位

                                                                              夢と現実との境界“日暮し坂”。幼年期に遡る魔術の瞬間、“日暮し坂”に佇む男の胸に去来する美しくも危うい光景…。人生の原景を透明な視線で描き、時空を超えた魂の永遠を謳う渾身の長篇力作。
                                                                              (「BOOK」データベースより)

                                                                            • 第22回
                                                                              (1994年)

                                                                              該当作なし

                                                                              • 第21回
                                                                                (1993年)

                                                                                山本道子

                                                                                喪服の子

                                                                                  南国の大自然を背景に繊細な感覚で描く人生の幸福とは?秀作中・短篇5篇。
                                                                                  (「BOOK」データベースより)

                                                                                • 第20回
                                                                                  (1992年)

                                                                                  鷺沢萠

                                                                                  駆ける少年

                                                                                    なぜ少年は走り続けるのか。ある夜見た夢がきっかけとなって、龍之は死んだ父のことを調べ始める。過去帳の中に記された見知らぬ名前から明らかになってゆく父の複雑な人生。父とは誰だったのか。私とは何なのか。青年の感性をみずみずしくとらえた表題作をはじめとする三篇を収録。第二十回泉鏡花文学賞受賞。
                                                                                    (「BOOK」データベースより)

                                                                                  • 第20回
                                                                                    (1992年)

                                                                                    島田雅彦

                                                                                    彼岸先生

                                                                                      ポルノなんだか、SFなんだか、政治小説なのか、ミステリーなのかわからない不思議な恋愛小説を書いている小説家の先生は川の向う岸に住んでいる。だから…彼岸先生。東京、ニューヨークで女性遍歴を重ねたドン・ファンで、プロの嘘つきである先生を、ぼくは人生の師と見立てたのだった。ロシア語を学ぶ十九歳のぼくと三十七歳の先生の奇妙な師弟関係を描いた平成版「こころ」。泉鏡花文学賞受賞作。
                                                                                      (「BOOK」データベースより)

                                                                                    • 第19回
                                                                                      (1991年)

                                                                                      有為エンジェル

                                                                                      踊ろう、マヤ

                                                                                        イギリスのミュージシャンFと結婚したウイは1人娘マヤを生む。が、Fとその母親たちのエゴと異国での生活に疲れたウイは4歳のマヤを伴って日本へ帰国する。3年後、愛らしく成長したマヤは残酷な運命の下、車に轢かれ死ぬ。マヤを失ったウイとFは葬儀の日に再会したが……。泉鏡花賞受賞の愛の佳品。
                                                                                        (「内容紹介」より)

                                                                                      • 第18回
                                                                                        (1990年)

                                                                                        日影丈吉

                                                                                        泥汽車

                                                                                          ある日原っぱに敷かれた線路、毎日泥を運んで来ては池を埋めたてる汽車。その汽車に乗って森に着いた少年が、伐採された木々の中に見たものは―。風変りな夢物語6編。
                                                                                          (「BOOK」データベースより)

                                                                                        • 第17回
                                                                                          (1989年)

                                                                                          石和鷹

                                                                                          野分酒場

                                                                                            東京・下町にある居酒屋の暖簾をくぐる仲間たちの間に漂然と巻き上がる一陣の野分。市井の物語を軽妙な語り口で綴り、その底にある荒涼とした風景を現前させた力作短篇集。
                                                                                            (「BOOK」データベースより)

                                                                                          • 第17回
                                                                                            (1989年)

                                                                                            北原亞以子

                                                                                            深川澪通り木戸番小屋シリーズ

                                                                                            • 再読度 ☆☆☆:読後感 ☆☆☆

                                                                                            川沿い澪通りの木戸番夫婦は、人に言えない苦労の末に、深川に流れて来たと噂されている。思い通りにならない暮らしに苦しむ人々は、この二人を訪れて知恵を借り、生きる力を取りもどしてゆく。傷つきながらも、まっとうに生きようとつとめる市井の男女を、こまやかに暖かく描く、泉鏡花賞受賞の名作集。
                                                                                            (「BOOK」データベースより)

                                                                                          • 第16回
                                                                                            (1988年)

                                                                                            泡坂妻夫

                                                                                            折鶴

                                                                                              縫箔の職人田毎はパーティでかつての恋人だった鶴子と再会した。この出逢いが悲劇へとつながる表題作「折鶴」。友禅差しの模様師脇田が旅先でふと聞いた新内がきっかけで、酒と女で身を持ちくずした名新内語りの末路を知る「忍火山恋唄」など、職人の世界に男と女の結びつきの不可解さをからませた好短篇四作。
                                                                                              (「BOOK」データベースより)

                                                                                            • 第16回
                                                                                              (1988年)

                                                                                              吉本ばなな

                                                                                              ムーンライト・シャドウ

                                                                                              (キッチンに収録)

                                                                                                家族という、確かにあったものが年月の中でひとりひとり減っていって、自分がひとりここにいるのだと、ふと思い出すと目の前にあるものがすべて、うそに見えてくる―。唯一の肉親の祖母を亡くしたみかげが、祖母と仲の良かった雄一とその母(実は父親)の家に同居する。日々のくらしの中、何気ない二人の優しさにみかげは孤独な心を和ませていくのだが…。世界二十五国で翻訳され、読みつがれる永遠のベスト・セラー小説。泉鏡花文学賞受賞。
                                                                                                (「BOOK」データベースより)

                                                                                              • 第15回
                                                                                                (1987年)

                                                                                                倉橋由美子

                                                                                                アマノン国往還記

                                                                                                  モノカミ教団が支配する世界から、幻の国アマノンに布教のため派遣された宣教師団。バリヤの突破に成功した唯一の宣教師Pを持っていたのは、一切の思想や観念を受け容れない女性国だった。男を排除し生殖は人工受精によって行われるこの国に〈男〉と〈女〉を復活させるべく,Pは「オッス革命」の遂行に奮闘するが…。究極の女性化社会で繰り広げられる、性と宗教と革命の大冒険。
                                                                                                  (「内容紹介」より)

                                                                                                • 第15回
                                                                                                  (1987年)

                                                                                                  朝稲日出夫

                                                                                                  朝稲日出夫シュージの放浪

                                                                                                    パリ、ブラッセル、アムステルダム、ハンブルグ、そしてラスパルマス。折り紙を売りながらの、あてのない旅。街々で女の熱い肌にふれ、友をつくり、ときには警官に追われる日々。どんな時にも、青年の躰には澄明な風が吹きつけていた。さまざまな人種の、民族の、若い男女のゆきかいを描く秀作。
                                                                                                    (「BOOK」データベースより)

                                                                                                  • 第14回
                                                                                                    (1986年)

                                                                                                    増田みず子

                                                                                                    シングル・セル

                                                                                                      孤細胞(シングル・セル)のように生きる一大学院生と女子学生の共生と別離―単独者の生の論理を思考実験的に追究し、人間の永遠の孤独を豊かな筆力で描き切った最新長篇小説!
                                                                                                      (「BOOK」データベースより)

                                                                                                    • 第13回
                                                                                                      (1985年)

                                                                                                      宮脇俊三

                                                                                                      殺意の風景

                                                                                                        私の彼は毎日一人で樹海へ入っていく。植物採集のため?木に結びつけられたリボンを頼りにあとを追ってみるけれど、彼の姿は見えない。私はリボンをひとつひとつ…。(樹海の巻)日本全国18カ所―大自然の中の特異な景観を舞台に、人間の心の奥底に潜む本能的な怯え、戦慄を描いたスリリングな旅のミステリー。著者唯一の連作小説集。泉鏡花賞受賞作。
                                                                                                        (「BOOK」データベースより)

                                                                                                      • 第12回
                                                                                                        (1984年)

                                                                                                        赤江瀑

                                                                                                        海峡 / 八雲が殺した

                                                                                                          花やかな風貌、精悍な体躯に恵まれたAは、俳優になった。順調に俳優生活を続け、俳優業がこれから地に着き、拓けはじめようとした矢先、Aは生地の国へ帰り、山奥の病院へ入った。Aは完全にこちら側の人間ではなくなった、「この海峡を渡らなきゃァな。渡ってむこう岸へ着かなきゃ、出世ができない。餓鬼の頃、海峡を見るたびにそう思ったものさ」と下の盆地を眺めていう。ここにも、そこにも海峡がある。青い海色の遊び着きて、うなじのうしろに野性の馬が疾駆する地ひびきを飼いながら、思いつくままに、海峡を語る幻視行。第12回泉鏡花賞受賞作品。(海峡)
                                                                                                          (「BOOK」データベースより)

                                                                                                        • 第11回
                                                                                                          (1983年)

                                                                                                          三枝和子

                                                                                                          鬼どもの夜は深い

                                                                                                          • 第11回
                                                                                                            (1983年)

                                                                                                            小檜山博

                                                                                                            光る女

                                                                                                              「おまえ俺の嫁にならんか」が仙作の口癖だった。北海道の過疎村に生まれ育った仙作は何事にも真直ぐな生き方を好んだ。たった一度の契りを交わした栗子を求め東京のウズの中にまき込まれた。栗子がくれた1枚のハガキをたよりに…。歯切れよい文体の中に濃厚なエロティシズムが勾う長篇力作。泉鏡花文学賞・北海道新聞文学賞受賞作。
                                                                                                              (「BOOK」データベースより)

                                                                                                            • 第10回
                                                                                                              (1982年)

                                                                                                              日野啓三

                                                                                                              抱擁

                                                                                                                大都会のまんなかに静かに佇む洋館に心引かれ導かれた私は、その一室で幻想的な少女、霧子と出会う。身を固く包んで口さえ開こうとしない霧子に、私の興味はふくらむ。そしていくどかの奇妙な触れ合いの末に、霧子の心は徐々に開かれてゆく…。泉鏡花賞に輝くロマネスク長篇小説。
                                                                                                                (「BOOK」データベースより)

                                                                                                              • 第9回
                                                                                                                (1981年)

                                                                                                                澁澤龍彦

                                                                                                                唐草物語

                                                                                                                  古今東西の典籍を自在に換骨奪胎し、小説とエッセイのあわいを縫って物語られた12の幻想。
                                                                                                                  (「BOOK」データベースより)

                                                                                                                • 第9回
                                                                                                                  (1981年)

                                                                                                                  筒井康隆

                                                                                                                  虚人たち

                                                                                                                    同時に、しかも別々に誘拐された美貌の妻と娘の悲鳴がはるかに聞こえる。自らが小説の登場人物であることを意識しつつ、主人公は必死の捜索に出るが…。小説形式からのその恐ろしいまでの“自由”に、現実の制約は蒼ざめ、読者さえも立ちすくむ前人未踏の話題作。泉鏡花賞受賞。
                                                                                                                    (「BOOK」データベースより)

                                                                                                                  • 第8回
                                                                                                                    (1980年)

                                                                                                                    清水邦夫

                                                                                                                    わが魂は輝く水なり

                                                                                                                    • 第8回
                                                                                                                      (1980年)

                                                                                                                      森万紀子

                                                                                                                      雪女

                                                                                                                      • 第7回
                                                                                                                        (1979年)

                                                                                                                        眉村卓

                                                                                                                        消滅の光輪

                                                                                                                        • 第7回
                                                                                                                          (1979年)

                                                                                                                          金井美恵子

                                                                                                                          プラトン的恋愛

                                                                                                                          • 第6回
                                                                                                                            (1978年)

                                                                                                                            唐十郎

                                                                                                                            海星・河童

                                                                                                                            • 第5回
                                                                                                                              (1977年)

                                                                                                                              色川武大

                                                                                                                              怪しい来客簿

                                                                                                                                私が関東平野で生まれ育ったせいであろうか、地面というものは平らなものだと思ってしまっているようなところがある―「門の前の青春」。亡くなった叔父が、頻々と私のところを訊ねてくるようになった―「墓」。独自の性癖と感性、幻想が醸す妖しの世界を清冽に描き泉鏡花賞を受賞した、世評高い連作短篇。
                                                                                                                                (「BOOK」データベースより)

                                                                                                                              • 第5回
                                                                                                                                (1977年)

                                                                                                                                津島佑子

                                                                                                                                草の臥所

                                                                                                                                • 第4回
                                                                                                                                  (1976年)

                                                                                                                                  高橋たか子

                                                                                                                                  誘惑者

                                                                                                                                    噴煙をあげる三原山に、女子大生が二人登っていった。だが、夜更けに下山してきたのは一人きりだった。ちょうど一カ月前にも、まったく同じことがあった。自殺願望の友人二人に、それぞれ三原山まで同行して、底知れぬ火口の縁に佇たせた自殺幇助者鳥居哲代の心理の軌跡を見事に辿り、悽絶な魂のドラマを構築した、高橋たか子の初期長篇代表作。泉鏡花賞受賞。
                                                                                                                                    (「BOOK」データベースより)

                                                                                                                                  • 第3回
                                                                                                                                    (1975年)

                                                                                                                                    森茉莉

                                                                                                                                    甘い蜜の部屋

                                                                                                                                      少女モイラは美しい悪魔だ。生まれ持った天使の美貌、無意識の媚態、皮膚から放つ香気。薔薇の蜜で男達を次々と溺れ死なせながら、彼女自身は無垢な子供であり続ける。この恐るべき可憐なけものが棲むのは、父親と二人の濃密な愛の部屋だ―。大正時代を背景に、宝石のような言葉で紡がれたロマネスク。
                                                                                                                                      (「BOOK」データベースより)

                                                                                                                                    • 第2回
                                                                                                                                      (1974年)

                                                                                                                                      中井英夫

                                                                                                                                      悪夢の骨牌

                                                                                                                                        ゴシック風の豪奢な洋館のサロンで開かれる賀宴の出席者は、十人の客とサロンの女主人、そして令嬢柚香。そこで語られるのは、現実と非現実をあざなう奇譚の数々。ことばの錬金術師として当代随一の著者が、鮮やかな言語魔術と精緻な構想を駆使、幻想の宇宙体を作る連作とらんぷ譚2。泉鏡花文学賞受賞作。
                                                                                                                                        (「BOOK」データベースより)

                                                                                                                                      • 第1回
                                                                                                                                        (1973年)

                                                                                                                                        半村良

                                                                                                                                        産霊山秘録

                                                                                                                                        • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆☆

                                                                                                                                        〈ヒ〉一族…日本の動乱期に必ず現われ、三種の神器と特殊能力で天下を平らげたというわれる異能集団。本能寺、関ヶ原、幕末、そして戦後にわたる〈ヒ〉一族の運命を、斬新な視点と壮大な構想で描き、第一回泉鏡花賞を受賞した著者渾身の傑作!
                                                                                                                                        (「BOOK」データベースより)

                                                                                                                                      • 第1回
                                                                                                                                        (1973年)

                                                                                                                                        森内俊雄

                                                                                                                                        翔ぶ影