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舟橋聖一文学賞を受賞した作品の一覧です。

舟橋聖一文学賞受賞作

舟橋聖一文学賞は、彦根市が2007年に彦根城築城400年を記念して、彦根市の最初の名誉市民となった作家・舟橋聖一の名を冠して創設した文学賞です。
「舟橋聖一文学の世界に通じる優れた文芸作品」に対して与えられていましたが、2019年3月に彦根市長が基金の積み立てが減少したため将来的に廃止する方針を表明しました。
以下は受賞作の一覧です。

第18回(2024年)

犬飼六岐 : 火の神の砦

    ときは戦国。陰流の祖・愛洲久忠(移香斎)は、神々の国・出雲で「この世にないはず」の刀剣と出会う。「備中青江鍛冶の新作……」青江の刀はとうに滅びたはずなのに、この世のどこかに存在しているらしい。久忠はあやしげな女商人のあとをつけ、陽気な若侍の又四郎を相棒に、ついに山奥の隠れ里にたどりつく。そこに男はいない。年寄りから赤子まで、女だけで暮らしている。彼女たちは厳しい暮らしのなかで、砂鉄から日本刀をつくって、なんとしても生きのびようとしていた。そこで出会うのは、女たちの驚くべき風習、いのちを脅かすものたち、雪舟という奇妙な老人……。女たちは「わたしたちを守ってほしい」と、次から次へと難題を持ち込む。久忠の運命や、いかに?
    (「内容紹介」より)

    第17回(2023年)

    町田康 : 口訳 古事記

      「汝(われ)、行って、玉取ってきたれや」「ほな、行ってきますわ」イザナキとイザナミによる「国生み」と黄泉国行、日の神アマテラスの「天の岩屋」ひきこもりと追放された乱暴者スサノオのヤマタノオロチ退治、何度も殺されては甦ったオオクニヌシの国作り、父に疎まれた英雄ヤマトタケルの冒険と死、帝位をめぐる争い、女たちの決断、滅びゆく者たち――。奔放なる愛と野望、裏切りと謀略にみちた日本最古のドラマが、破天荒な超絶文体で現代に降臨する!
      (「内容紹介」より)

      第16回(2022年)

      玉岡かおる : 帆神: 北前船を馳せた男・工楽松右衛門

        江戸後期、播州高砂の漁師から身を起こし、兵庫津で廻船問屋を営む海商にまで上り詰めた松右衛門は、千石船の弱点である帆に目を付ける。帆の改良で船が速くなれば流通が盛んになり、民の生活が潤う。松右衛門は試行錯誤の末、板のように強く、羽のように軽い「松右衛門帆」を発明する。仕事とは金のためでなく、世のためにするものだ――。日本海運の革命児・工楽松右衛門を描く歴史長編。
        (「内容紹介」より)

        第15回(2021年)

        砂原浩太朗 : 高瀬庄左衛門御留書
        • 再読度 ☆☆☆:読後感 ☆☆☆

        神山藩で、郡方を務める高瀬庄左衛門。50歳を前にして妻を亡くし、さらに息子をも事故で失い、ただ倹しく老いてゆく身。残された嫁の志穂とともに、手慰みに絵を描きながら、寂寥と悔恨の中に生きていた。しかしゆっくりと確実に、藩の政争の嵐が庄左衛門を襲う。
        (「内容紹介」より)

        第14回(2020年)

        澤田瞳子 : 駆け入りの寺

          落飾した皇女が住持を務める比丘尼御所。そのひとつである林丘寺では、前住持であり後水尾帝の皇女・元瑶と、現住持である霊元帝の皇女・元秀を中心に、宮中と同じような生活が営まれていた。四季折々の年中行事、歴代天皇の忌日法要を欠かさず行い、出家の身でありながら、和歌管弦、琴棋書画を嗜む。尼たちの平穏で優雅な暮らしのなかに、ある日飛び込んできたのは「助けてほしい」と叫ぶ、若い娘だった――。現世の苦しみから逃れた、その先にあるものとは何なのか。雅やかで心に染み入る連作時代小説。
          (「内容紹介」より)

          第13回(2019年)

          河治和香 : がいなもん 松浦武四郎一代

            明治十六年、絵師の河鍋暁斎を訪ねた松浦武四郎は、その娘・豊の問いに応じて自らを語り始める…。武四郎は文化十五年、伊勢国に生まれた。竹川竹齋から〈神足歩行術〉を学び、地図や道中記を見て各地を旅したいという夢を抱く。十六歳で家出して江戸に行ったことを手始めに、全国を旅するようになった。その後、蝦夷地で頻繁にロシア船が出没していることを知り、都合六回に亘る蝦夷地の探検を行った。アイヌの人々と親しく交わり、大自然に寄り添った生き方に敬意を感じていた。なかでも、ソンという子どものアイヌを可愛がり、別れた後もその消息を確かめ合うことになる。江戸に戻った武四郎は様々な記録や報告書を作成し、和人によるアイヌへの搾取の実態と救済を訴え、九千八百ものアイヌの地名を記した地図を作成した。蝦夷地通としても、吉田松陰や坂本龍馬にも助言をした。そして、北海道の名前の制定に関わる。幼い頃から好きだった古物蒐集家としても知られるようになった。晩年には、率先してユニークな墓や棺を用意するという終活の達人でもあった。並外れた行動力と収集癖、膨大な執筆物で多くの人を魅了した人物を描いた伝記小説。
            (「内容紹介」より)

            第12回(2018年)

            飯嶋和一 : 星夜航行

              天正3(1575)年、三河国下和田村の馬飼い・甚五郎は、類稀なる馬扱いで家康の嫡男・三郎信康の小姓に取り立てられる。祖父と父はかつて家康に反旗を翻し、甚五郎は逆臣の遺児として慎ましく暮らしてきたのだった。だが、武士としての日々も長くは続かず、家康の命により三郎信康は自害。甚五郎は出奔し、堺、薩摩、そして博多へ――。歴史小説の巨星が掘り起こす不屈の男の数奇な運命とは。
              (「内容紹介」より)

              第11回(2017年)

              朝井まかて : 福袋
              • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆☆

              今、いちばん勢いのある時代小説作家・朝井まかてが、こよなく愛する江戸の町を舞台に、歌舞伎役者や職人、商売人など様々な生業の人々の姿を、中身の詰まった8編の人情話に仕立てた傑作短編集。
              (「内容紹介」より)

              第10回(2016年)

              山本音也 : 本懐に候

                新選組最後の隊長・相馬主計と元隊士・安富才助。土方歳三の最期を看取ったふたりは、戦いでそれぞれ腕と指を失ったものの、明治の世へと生き残った。流刑での島暮らしの中で思わぬ邂逅と確執を経たふたりの人生は「御一新」の荒波の中、思いもよらない方向へと導かれていく――。
                (「内容紹介」より)

                第9回(2015年)

                木下昌輝 : 宇喜多の捨て嫁

                  戦国時代の備前の国で宇喜多直家は権謀術策を縦横無尽に駆使し、成り上がっていった。腐臭漂う、傑作ピカレスク歴史小説見参!娘の嫁ぎ先を攻め滅ぼすことも厭わず、権謀術数を駆使して戦国時代を駆け抜けた戦国大名・宇喜多直家。裏切りと策謀にまみれた男の真実の姿とは一体……。
                  (「内容紹介」より)

                  第8回(2014年)

                  谷甲州 : 加賀開港始末

                    井伊大老の思惑か加賀に開国の大波が迫るなか、幕府の謀略で父を奪われ囚われの身となった青年藩士は、獄を破り厳冬の白山を越え江戸へ走る! 安政の大獄から桜田門外の変に至る激動の幕末の裏面史を描く渾身の時代長篇。
                    (「内容紹介」より)

                    第7回(2013年)

                    典厩五郎 : NAGASAKI 夢の王国

                      自由を求めて長崎にたどり着いた放浪者は、一代で巨万の富と強大な権力を手に入れた。台湾征服を夢見た妄想家?信仰を捨てた放蕩者?秀吉・家康を手玉にとった陰謀家?数千人の切支丹を救った聖人?信仰とは、人生の意味とは…謎多き長崎代官・村山等安の破天荒な人生を描く感動の歴史巨編。
                      (「BOOK」データベースより)

                      第6回(2012年)

                      東郷隆 : 本朝甲冑奇談

                        戦国乱世にあって、甲冑は単なる武具ではなかった。凝りに凝ったデザインはその実力を誇示するばかりでなく、信ずる「神」すら顕示されていた。それは究極の自己表現でもあった。本書は信長、秀吉ら武将たちの甲冑にまつわる奇妙な物語6編を収録、その夢、野望、そして無念の死を鮮やかに描きだす。舟橋聖一文学賞受賞作。
                        (「BOOK」データベースより)

                        第5回(2011年)

                        夢枕獏 : 大江戸釣客伝

                          時は元禄。旗本、津軽采女は小普請組という閑職がゆえ、釣り三昧の日々を送っている。やがて、義父・吉良上野介の計らいで「生類憐れみの令」を発布した、将軍綱吉に仕えることになるが・・・。同じ頃、絵師朝湖と俳人基角は江戸湾で土左衛門を釣り上げた。果たしてその正体は? 釣りの泥沼から覗く元禄時代。
                          (「内容紹介」より)

                          第4回(2010年)

                          冲方丁 : 天地明察
                          • 再読度 ☆:読後感 ☆☆

                          江戸、四代将軍家綱の御代。ある「プロジェクト」が立ちあがった。即ち、日本独自の太陰暦を作り上げること--日本文化を変えた大いなる計画を、個の成長物語としてみずみずしくも重厚に描く傑作時代小説!!
                          (「内容紹介」より)

                          第3回(2009年)

                          ねじめ正一 : 商人

                            江戸中期、日本橋瀬戸物町の鰹節商、伊勢屋にんべんの次男に生まれた伊之助。父亡き後、兄を支えて家業に精進するが、度重なる不運が伊勢屋を襲う。心身を病んでしまった兄の跡を継ぎ、三代目となった伊之助は「商人は何のために商売をするのか」という父の問いを胸に、大店の意地を捨てて苦難を乗り越え、商いの真髄を極めていく。江戸商人の心意気を描く傑作。第3回舟橋聖一文学賞受賞作。
                            (「BOOK」データベースより)

                            第2回(2008年)

                            荒山徹 : 柳生大戦争

                              高麗の高僧・晦然(かいねん)が得意の絶頂にあったその日、彼を待ち受けていたのは2度の元寇(げんこう)で散った高麗の兵士たちの霊であった。供養のため倭国に渡った晦然は「一然書翰(いちねんしょかん)」を書き記す。この奇書が、345年の時を経て、徳川幕府と李朝を揺るがし、柳生一族をも混乱に陥れたのだった。
                              (「内容紹介」より)

                              第1回(2007年)

                              北方謙三 : 独り群せず

                                大塩の乱から二十余年。剣を揮う手に庖丁をもちかえ、既に船場の料亭「三願」からも隠居を決め込んだ利之だが、乱世の相は商都・大坂にも顕われ始め、時代の奔流が、穏やかに暮らす利之を放ってはおかなかった…。信念に基づき命を賭す男たち。『杖下に死す』の続編となる歴史長編。舟橋聖一文学賞受賞作。
                                (「BOOK」データベースより)