北原亞以子「やさしい男 - 慶次郎縁側日記」シリーズ ☆☆
慶次郎縁側日記シリーズの7作目、「理屈」「三姉妹」「断崖絶壁」「隠れ家」「悔い物語」「やさしい男」「除夜の鐘」「今は昔」の8篇の短編を収録しています。
家督を養子に譲って隠居して今は根岸で商家の寮番をやっている元同心の慶次郎を始めとして、お馴染みの面々が登場して描かれるお江戸の人間模様。
いつもながら全てが丸く収まる訳では有りませんが、しみじみと落ち着いた雰囲気を味わえるシリーズで、読んでいて心地が良いですね。
蝮と呼ばれている嫌われ者の十手持ちなのに、実はやさしい男(?)の吉次がいい味です。