北原亞以子「夢のなか-慶次郎縁側日記」シリーズ ☆☆

夢のなか-慶次郎縁側日記

江戸町奉行所の同心を隠居した武士・森口慶次郎を主人公にした人情時代小説シリーズ「慶次郎縁側日記」の9作目で、「師走」「水光る」「ふたり」「夢のなか」「帚木」「棚から盗人」「入聟」「可愛い女」の8篇を収録しています。

相変わらず北原作品らしい趣きを感じる時代小説で、舞台こそ江戸時代ですけど、この作品に登場する人たちの悩みなんて結構普遍的なもので、だからこそ読者は共感するんだろうと思います。

その一方で、人間関係が今よりも相当に濃厚な時代の雰囲気に、現代人がああいう立場に置かれたらうざったいと感じるのかも知れません。

しかし他人に無関心でいられない人間関係をうらやましいと感じる時もあるのは、やはり管理人が年をとった証拠かも知れませんね。


このページの先頭へ