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ピエール・ルメートル 「傷だらけのカミーユ」の感想です。

ピエール・ルメートル「傷だらけのカミーユ」☆☆

傷だらけのカミーユ

カミーユ・ヴェルーベン警部の部下で友人でもあった刑事アルマンの葬儀の日、カミーユの元にアンヌ・フォレスティエという女性を知っているかという連絡が警察から入る。

何でもアンヌは宝石店を襲った強盗と鉢合わせして重症を負ったそうで、彼女の知人に連絡しようと携帯で調べた最初の連絡先にカミーユの番号があったという。

アンヌはカミーユの新しい恋人だった。

カミーユに連絡してきた警官がカミーユの名前を聞き間違えたことから、カミーユは自分が警部であることを告げずにアンヌが入院する病院に駆けつけ、犯罪の目撃者であり被害者であるアンヌとの関係を隠したまま、事件の捜査主任になってしまう。

初めはすぐに解決する事件だと思われたが、捜査をすすめる内にカミーユは事件に深入りし、抜き差しならぬ状況に陥っていく。


カミーユ・ヴェルーベン警部を主人公にしたミステリィ・シリーズ3部作の最後の作品になります。

シリーズは「悲しみのイレーヌ」「その女アレックス」、そしてこの作品「傷だらけのカミーユ」と続きますが、こうして3作を読み終えてみると、全ては「悲しみのイレーヌ」に繋がっているようで、前の2作を読んでいない方は、この順番通りに読むことをお勧めします。

もちろん単独で読んでも充分に面白いミステリィですが、ネタバレや仕掛けがあるので、この順番通りに読んだほうが絶対に楽しめると思います。

しかしそれにしても、ヴェルーベン警部というのは本人に罪はないけど悲劇の人ですね。

物語は構成もしっかりとよく練られていて、テーマも一貫しているように思いますけど、管理人はもう少し幸せな結末が好きです。

また、前2作に比べると筋書きの想像がついてしまうのが少し残念です。もっとも真犯人の正体は意外でしたが・・・。

一応シリーズはこれで終わるようですが、でも又カミーユを主人公にしたミステリィが発表されても驚きませんけどね。